仁川アジア大会
第17回アジア競技大会(2014/仁川)
フェンシングはヨーロッパ中世の騎士道華やかなりし頃、「身を守る」「名誉を守る」ことを目的として磨かれ、発達してきた剣技です。五輪でも第1回アテネ大会以来、今日に至るまで毎回正式種目となっている伝統ある競技です。
日本では1964年の東京五輪で男子フルーレ団体が4位入賞。その後は「五輪でメダル獲得を」が日本フェンシング界の悲願となっていました。2007年世界選手権大会で女子フルーレ団体が世界選手権での日本初のメダル(銅メダル)を獲得。そして、2008年北京大会男子フルーレ個人で太田雄貴選手が銀メダルを獲得し、ついに日本フェンシング界初の五輪メダリストが誕生しました。また、2010年世界選手権大会では男子フルーレ団体が銅メダルを獲得しています。
アジア競技大会でのフェンシングは、1974年第7回テヘラン大会より実施されています(1982年第9回ニューデリー大会では実施なし)。今大会でもフルーレ、エペ、サーブルの3種目が個人・団体で男女それぞれ実施され、合計12種目でメダルが争われます。
<フルーレ>
フルーレは「攻撃権」を尊重する種目です。剣を持って向かい合った両選手のうち、先に腕を伸ばし剣先を相手に向けた方に「攻撃権」が生じます。相手がその剣を払ったり叩いたりして向けられた剣先を逸らせる、間合いを切って逃げ切るなどすると、「攻撃権」が消滅し、逆に相手が「攻撃権(すなわち反撃の権利)」を得ることになります。このように、攻撃―防御―反撃―再反撃といった瞬時の技と動作の応酬(剣のやりとり)がこの種目の見どころになっています。
<エペ>
エペの基本ルールは単純明快。全身すべてが有効面で、先に突いた方にポイントが入り、両者同時に突いた場合は双方のポイントとなります。ランプの点灯に注目していればどちらの選手がポイントを挙げたか判断できるので、最もわかりやすい種目と言えます。前腕を狙っての攻防から一転、つま先への意表を突く攻め、あるいは機を見て思い切った接近戦に持ち込むなど、スピーディかつ変化に富んだ試合展開が見どころとなります。
<サーブル>
ハンガリー騎兵隊の剣技から競技化した種目。フルーレとエペが「突き」だけの競技であるのに対し、サーブルには「斬り(カット)」と「突き」があります。ルールはフルーレと同様「攻撃権」に基づいていますが、「斬り」の技が加わる分、よりダイナミックな攻防が見られます。
参照リンク:
(公社)日本フェンシング協会
http://www.fencing-jpn.jp/