仁川アジア大会
第17回アジア競技大会(2014/仁川)
空手の発祥の地は古来、琉球と呼ばれていた沖縄です。古くから伝承されてきた独自の格闘技「テー」が、14世紀後半に伝来した中国拳法の影響を受け、現在の形に発展したと考えられています。「空手」という名称の由来には諸説あります。中国(唐)に学んだ拳法(テー)ゆえに、当初、「唐手(トーテー)」と呼ばれていたものが「カラ・テ」と読み替えられ、その後、手に何の武器も持たないことを意味する「徒手空拳」の「空」が「唐」の字に置き換わり、「空手」になったとする説が一般的です。
空手は長い間、秘技として伝承され、沖縄でも一般に広まったのは1900年代初頭のことです。1922年、東京で開催された第1回体育博覧会で、「形(かた)」の演武が公開されたのを契機に、大学を中心として日本各地に普及しました。海外にまで広まるのは戦後のことです。昭和30年代以後、多くの日本人指導者が海を渡り、空手を全世界に広めました。
空手はその発展の過程で様々な流派に分かれ、その数は大小合わせ100を超えます。各流派は独自の活動を続けていましたが、1964年の東京五輪を契機として、同年、国内唯一の統括団体として全日本空手道連盟(JKF)が設立され、5年後の1969年、統一ルールのもとで、第1回全日本選手権が開催されました。また海外でも、1970年に世界空手道連合(後に世界空手連盟=WKFに改称)が結成され、同年、東京で初の世界選手権が開かれました。
アジア競技大会での空手競技は、1994年第12回広島大会より正式に採用されています。
空手は、徒手空拳による格闘スタイルのスポーツです。その種目には、実際の相手と一定のルールに則り対戦する「組手競技」と、多数の敵との攻防を想定した一連の動作を一人で演じ、その正確さを競う「形(かた)競技」の2種類があります。「組手競技」では、8メートル四方のコートの中で互いに突き、蹴りを繰り出します。選手の安全に配慮して、相手の身体に当たる寸前で攻撃を止める「ノンコンタクトルール」が採用されています。試合時間は男性が3分、女性が2分です。
「形」は空手の発展の過程で体系化されたもので、選手は大会で公認された「形」の中から得意なものを選んで演じ、技の正確さ、気迫、緩急などの要素の総合評価で勝敗が決まります。
アジア競技大会での空手競技は、男子の組手で体重別の6種目、女子の組手で体重別の5種目。男女それぞれの形を加えた19種目が行われます。
参照リンク:
(財)全日本空手道連盟
http://www.karatedo.co.jp/jkf/
<種目>
■男子7(組手55㌔級、組手60㌔級、組手67㌔級、組手75㌔級、組手84㌔級、組手84㌔以上級、形)
■女子6(組手50㌔級、組手55㌔級、組手61㌔級、組手68㌔級、組手68㌔以上級、形)
<競技の進み方>
①組手
敗者復活戦を含むトーナメント戦。ポイント制で同点の場合は判定。
②形
敗者復活戦を含むトーナメント方式。演舞に対し審判員3人または5人が判定を下す。3位は2人
※参加チーム数の増減などで競技の進み方が変わる場合があります