ロンドン2012
概要・説明
オリンピックで実施されるボート競技の種目は多少の変遷はあったが、ロンドンオリンピックでは男女合わせて14種目。選手それぞれが一人で片舷1本のオールを扱うスウィープと、それぞれが両舷1本、計2本のオールを扱うスカル種目に大別される。また、漕手のほかに艇の舵を操るコックス(舵手)が乗っているか、いないかによっても種目が分かれる。国際ボート連盟の方針で競技人口の増大と競技地域の拡大を目指して、モントリオ−ル大会から女子種目、アトランタ大会から男女ダブルスカルに軽量級種目が採用され今日に至っている。
【オリンピック種目と日本の参加種目】
男 子 | 女 子 | ||
---|---|---|---|
M1x | 男子シングルスカル | W1x★ | 女子シングルスカル |
M2x | 男子ダブルスカル | W2x | 女子ダブルスカル |
LM2x★ | 軽量級男子ダブルスカル | LW2x★ | 軽量級女子ダブルスカル |
M4x | 男子クォドルプル | W4x | 女子クォドルプル |
M2− | 男子舵手無しペア | W2− | 女子舵手無しペア |
M4− | 男子舵手無しフォア | ||
LM4− | 軽量級男子舵手無しフォア | ||
M8+ | 男子エイト | W8+ | 女子エイト |
Mは男子、Wは女子、Lは軽量級。xはスカル種目、他はスウィープ種目。
−は舵手無し、+は舵手つきを表す。
軽量級種目については、男子は最も重い選手の体重(MAX)が72.5kg以下で、クルーの平均が70kg以下。女子はMAX 59kg、平均57kgに制限されている。
日本チームは「男女軽量級ダブルスカルと女子シングルスカル(オープン)」に出場。特に男子はシドニー、アテネと2大会連続で6位入賞。女子は北京の軽量級ダブルスカルで9位になった。ロンドンでは悲願のメダル獲得を目指している。
レースは静水の直線2000mのセパレートコースで行われ、固定された発艇に艇を着け、各艇がスタートラインの先端を揃えてスタート。ゴールラインを艇の先端を通過した順に順位を決める。レースコースはレーンによって有利・不利の差が出ないように設計されているとはいえ、自然の中で行われる競技で、その結果は気象条件に大きく左右される。ロンドンオリンピックのコースのイートン・コースは、過去に世界選手権も開催された国際コースである。
競技規則の詳細については国際ボート連盟(FISA)の競漕規則を参考にされたい。艇の設計や重量について規定が設けられているが、公正で安全にレースが行われることを考慮したもので、専門的知識がないと、その差異は一見ではわからない(艇の重量は必要に応じて計測し、違反の場合は失格となる)。選手には紳士的な態度が求められ、スタートのフライング、他艇の進路を妨害しないことなど競技上の罰則の他に、ユニフォームの統一なども規程されている。