バンクーバー2010
ボブスレー BOBSLEIGH
見どころ
ボブスレーは「氷上のF1レース」とも呼ばれる。流線型をした鋼鉄製シャーシーのそりに乗り、轟音を立てながら全長約1400m前後の氷の壁を疾走する。オリンピックでは1924年の第1回シャモニー・モンブラン大会から正式競技となっている。
当初は男子だけの競技であったが、2002年の第19回ソルトレークシティー大会からは女子2人乗りが新種目として加わり、男子2人乗りと男子4人乗りと合わせて3種目がある。
競技方法
そりは前方にハンドル、後方にブレーキを備えており、そりの下には前と後ろにそれぞれ2本のスチール製エッジ(ランナー)があり、ドライバー(パイロット)が前部のランナーをハンドルで操作しながら滑走する。
2人乗りはパイロットとブレーカーで、4人乗りはこの2人にさらに2人のプッシャー(そりを押す人)を加えたメンバーで競技する。
各チームは立っている状態でそりのプッシュバーを握り、スタートラインから50m地点まで一気にそりを押し出す。大低、この区間の所要時間は、5秒前後でチームメンバーが加速のついたそりにすばやく乗り込む。自分の力で加速できるのは、この時だけで、その後はどんどん加速していくそりを、パイロットがハンドルでコントロールして滑走していく。滑走中、パイロット以外は前を見ない。ブレーカーはこの間ひたすら小さくなって空気抵抗ができるだけ少なくなるように努める。ブレーキは停止用でコースを傷つけるため、途中では使用できない。
そりは総重量が重たいほど加速が付いて有利となるので、そりの重さは2人乗りで選手の体重を含めて最大390kg、女子は340kg、4人乗りは630kgまでとされている。
競技は2日間で4回滑走してその合計タイムで順位を決める。合計タイムの一番速いチームが優勝となる。タイムは1/100秒まで計測される。
冬季オリンピック、世界選手権大会、ワールドカップ等主な大会はスタート順を決定するため、シードシステムを採用している。競技は速い順番であるほど滑走は有利で、遅くなると氷の状態が悪くなる。シードシステムでは1位から10位までを抽選し、11位以下はIFのランキングでスタート順が決まる。
今大会の見所
ボブスレー競技の伝統的な国は現在も強豪であるが、今ではこの競技が世界各地に広まってきて、競技力も向上してきている。今大会の会場であるウィスラーのトラックは、他に類を見ない高速でテクニカルなコースである。上位チームを含め番狂わせが起こりうる状況があり、日本チームも好結果を狙っている。