フリースタイル競技は、モーグル、エアリアル、そして今大会から採用されたスキークロスの3種目から成る。モーグル及びエアリアルは採点競技。ただし、モーグルはタイムも得点に加味される。
Moguls(モーグル)
モーグル競技は、コブの急斜面を滑る競技で、ターンと2回のエア(ジャンプ)を採点し、タイムによる得点を加えた3要素で順位を決める。予選は全選手が1本滑り、得点上位16名が決勝に進出する。決勝も同じく1本の勝負で、獲得得点によって順位を決める。ターンを採点する審判は5名、エアを採点する審判は2名で行う。
ターンは各ジャッジが5点満点で採点し、最高点と採点点をカットするため15点が満点となる。エアは各ジャッジが2.5点満点で採点され、それに難易度点を加点する。そして上下2つのエア点が足され、7.5点満点のポイントを出す。そしてジャッジ2人の中間点を採用する。得点構成はターン50%、エア25%、スピード25%。
タイム点は、コース長を係数とする公式にタイムを入れて自動的にはじき出す。したがって、ターン点15点+エア点7.5点+タイム点7.5点、合計30点が満点となる。
[例]A選手
ターン(15点満点)
ジャッジ1 |
ジャッジ2 |
ジャッジ3 |
ジャッジ4 |
ジャッジ5 |
ターン点 |
4.7 |
4.7 |
4.6 |
4.5 |
4.7 |
14.0 |
エア(7.5点満点)1人2.5点満点+難易度点
ジャッジ6 |
ジャッジ7 |
エア点 |
5.28 |
4.70 |
4.99 |
タイム(7.5点満点)
総合得点(30点満点)
コース比較
リステルスキーファンタジア・モーグルコース(2009世界選手権大会開催地)
・全長(Length)223m
・コース幅(Width)21.3m
・斜度(Gradient)29.6度
サイプレスマウンテン(昨シーズンのWCのデータ)
・全長(Length)251m
・コース幅(Width)12m
・斜度(Gradient)27度 ※斜度はその年の降雪状況により変わる
Ski Cross(スキークロス)
予選は対戦形式ではなく、1人ずつ全員が滑り、タイムで順位をつける。単走であるため4人で滑る決勝トーナメントと異なり、スキークロス独特の駆け引きは無用で、単純に滑走スピードが要求される。予選敗退者は予選のタイム順が最終順位(33位〜)となる。
決勝には基本的に32選手が進出。ここから4人対戦のトーナメントで行われる。レッド、グリーン、ブルー、イエローのビブを着用し、4人が一斉にスタートゲートを飛び出す。先着の2名が勝ち上がって次ぎのラウンドに進出、2名が脱落していくサバイバル戦。勝ち上がった選手は、他の組みの勝ち上がった選手と対戦して2名が脱落して、最終的に残った4選手で決勝を行う。
決勝の1〜4位は、着順がそのまま順位となる。準決勝で敗れた4選手は、5〜8位決定戦が行われる。失格選手が出た場合、順位が繰り上がることもある。
約1000mのコースに、バンク、ウェーブ、ジャンプスポットがあり、まさに雪上のモトクロス。勝負を大きく左右するのはスタートダッシュ。先行してインコースに入ると、そう簡単に追い抜けない。瀧澤宏臣選手は、「スタートダッシュさえ決まれば、まず負けない」と自信を持っている。
Aerials(エアリアル)
エアリアルは、キッカーと呼ばれるジャンプ台から、ストックを使わずジャンプし、空中での技、高さなどを競う競技。予選は全員が2本飛び、上位12選手が決勝に進出する。決勝も2本勝負で行われ、予選と合わせた2本の合計で順位を決める。
採点は、7人のジャッジによって行われ、このうち5名はエア&フォームを担当、空中姿勢、高さと距離、踏み切り姿勢などが採点ポイントとなる。各ジャッジのもつ最高点は7.0ポイント。ジャッジ1からジャッジ5のうち最高と最低をカット(5審3採用)されるので、7.0点×21.0点が満点となる。
残り2名のジャッジは、ランディング(着地)を各3点満点で採点する。総合得点は、エア&フォーム点とランディング点を足し、行った技の難易度点と掛け合わせる。
[例]A選手
エア&フォーム
ジャッジ1 |
ジャッジ2 |
ジャッジ3 |
ジャッジ4 |
ジャッジ5 |
エア&フォーム点 |
6.6 |
6.5 |
6.9 |
6.6 |
6.0 |
19.70 |
ランディング
ジャッジ6 |
ジャッジ7 |
ランディング点 |
2.8 |
2.5 |
7.95 |
技の難易度
総合得点
バンクーバーオリンピックで実施されるフリースタイル競技の種目と日程
男子 |
女子 |
2月14日 |
Moguls(モーグル) |
2月13日 |
Moguls(モーグル) |
2月21日 |
Ski Cross(スキークロス) |
2月23日 |
Ski Cross(スキークロス) |
2月25日 |
Aerials(エアリアル) |
2月24日 |
Aerials(エアリアル) |