北京2008
見どころ
(1)日本チームの特徴と目標
女子
2007年7月の世界選手権で2枠を獲得し、同年9月の大陸別の出場枠選考大会で1枠を獲得。これにより、女子は団体戦出場の権利を確定した。大陸別選考会はすべて終了し、この結果、北京での団体戦出場国数は10カ国に決定した。このうち9カ国が世界選手権で枠取りを決めており、大陸別選考会を経て枠取りに成功したのは日本チームだけである。
シドニー5位の北畠紗代子(旧姓、川内)が連続3回目の出場を決めた。2007年の世界室内選手権で優勝した早川浪、大陸選考会で枠取りに成功した林勇気は、共に初出場。早川は、2006年韓国から日本に帰化。韓国ジュニア時代に培われた安定したシューティング技術で、上位入賞を狙う。
早川を軸に、ベテラン北畠、伸び盛りの林で構成される日本チームは、これまでにないベストチームと言える。さらにチームワークに磨きをかけつつ、メダルを目指している。
男子
オリンピックはアテネに初出場し、昨年の北京リハーサル大会で3位入賞の古川高晴と、初出場ながら2005年世界選手権2位の実績を持つ守屋龍一が個人戦に出場する。
トップレベルがひしめき合う男子の中にあって、たやすく勝利を得ることが出来るような対戦相手はいない。しかしながら、まだ伸び盛りの両者はそれぞれ過去の実績と経験を土台に、再び檜舞台での上位入賞を目指す。
(2)他国の有力選手
最大の関心事は、韓国の朴成賢(パク・スンヒュン)が、女子個人で連続金メダルの獲得なるか否かである。84年のLA大会以来、女子の金メダルは個人・団体とも韓国が独占しているが、個人による複数回の優勝はまだない。他のチームメートも、それぞれ金ダルの有力候補である。
団体戦も韓国の優位は動かしがたいところである。開催国の中国そして台北・インド・日本のアジア勢とポーランドを筆頭とするイタリア・フランスなどのヨーロッパ勢がどこまで韓国に迫れるかが、個人・団体共に、女子の最大の注目である。
男子は、現および元世界チャンピオンの林東賢(イム・ドンヒュン)、朴敬模(パク・キョンモ)を擁する韓国が、個人・団体共に一歩リードしている。オリンピックの男子個人ではいまだに金メダルがない韓国は、初の金メダル獲得に全力を傾けてくるだろう。
しかし、男子の個人戦は、まさに群雄割拠状態。イタリア・イギリス・ウクライナ・ロシアなどのヨーロッパ各国に加え、日本も含めたインド・台北・オーストラリアなどアジア勢、アメリカ・メキシコなどが横一線となって、韓国に迫る状態である。「誰が勝っても、誰が負けても不思議ではない」。これが、男子の現状である。
過去のオリンピック競技大会における成績
・1976年モントリオール
道永 宏 : 銀メダル
西 孝収 : 8位
・1984年ロサンゼルス
山本 博 : 銅メダル
松下和幹 : 4位
石津裕子 : 4位
・1988年ソウル
山本 博 : 8位
男子団体(山本博・松下和幹・古橋照司) : 6位
・2000年シドニー
川内紗代子 5位
・2004年アテネ
山本 博 : 銀メダル
男子団体(山本博・浜野裕二・古川高晴) : 8位