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2010年2月

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2010/02/21

オリンピック競技をバーチャル体験「O/ZONE」

オリンピック競技やカナダ文化を身近に体験できるイベント会場「O/ZONE」(オーゾーン)が、バンクーバーの隣町リッチモンドにオープンし、人気を集めています。すべての施設が無料で体験でき、スポーツや芸術、食文化に触れる絶好のチャンス! さっそく足を伸ばしてみました。

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芝生に寝転びながら、大画面TVでオリンピックを観戦




O/ZONE」は、カナダラインの終点リッチモンド・ブリッグハウス駅から徒歩約3分。リッチモンドシティーセンター内にあります。ボブスレーなどのオリンピック競技をバーチャル体験できる施設や屋外スケートリンク、子供用のアスレチックジムなどスポーツ施設が充実。芝生の広場に設置された大型スクリーンでは、その日の試合をライブ中継しています。そのほかカキの養殖や植林などカナダの産業を紹介する施設や、日替わりのイベントもあり、一日遊べるテーマパークになっています。

Jimアスレチックで大はしゃぎ

また、オーゾーン内には、「ホーランドハウス」(オランダ館)もオープン。こちらでは無料でビールが試飲できるほか、オランダの自転車を貸し出していて、徒歩では30分近くかかるスピードスケート会場「リッチモンドオーバル」へ自転車で行くことが出来るそうです。

Oranda2ホーランドハウス

どの施設もここでしか体験できない面白いものばかりですが、やはり一番人気は、オリンピック競技を体験できる「BCLC 2010 Games Dome」。ボブスレー、アイスホッケー、バイアスロンの3競技があります。たとえばボブスレー。椅子に座って大きなヘルメットをかぶると、映像が目の前に映し出されます。まずコーチが登場し「君の運転に金メダルがかかっている。全力で行け!」とエールを送られゲームはスタート! 冷たい風と砕けた氷が顔に吹き付けられ、まるで風を切って滑っているかのような感触。左右にうねるコースは迫力満点です! 写真入の選手IDを発行してもらえるので記念になりますね。

BobボブスレーBaiバイアスロンHockeyアイスホッケーId_2選手IDを発行され笑顔の子

O/ZONE」は228日まで。観戦するだけがオリンピックではありません。「O/ZONE」で、オリンピックをそしてカナダを感じて、盛り上がりましょう! (JOC広報チーム)

開館時間は毎日違うので、公式サイトでチェック!

2010/02/20

メダリスト3人が会見「応援してくれたすべての人に見せたい!」(ムービーメッセージ付)

スピードスケートとフィギュアスケートのメダリスト3人が、それぞれの競技を終え19日、ジャパンハウスで会見! 髙橋大輔選手(フィギュアスケート/銅メダル)は一夜明け、長島圭一郎選手(スピード男子500m/銀メダル)と加藤条治選手(同/銅メダル)はメダル獲得から4日目となり、みなさん緊張感から解放。笑顔あふれる会見となりました。

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オリンピックのメダリストとなった3選手が、笑顔で会見

加藤選手は開口一番、「今は、レースのことを考えると悔しくて、応援してくださった方の喜ぶのを見てうれしくなって、感情が入れ替わり立ち代りしています」と、銅メダルの複雑な心境を語ります。長島選手は「ワガママと見られたかも知れないが自分のペースを守ったことが良かった」と満足そう。髙橋選手は「前回のオリンピックで荒川(静香)さんが楽しんでいる空気を近くにいて感じ取れていたので、自分も楽しもうと思えました」と前夜の演技を振り返りました。

誰にメダルを見せたいかという質問には、3人ともそろって「応援してくださったすべての人、支えてくれたすべての人に見せたい」と声をそろえ、長島選手と加藤選手は「支えてくれた日本電産サンキョーの永守(重信)会長に見せたい」、髙橋選手は「あとは両親に!」と、それぞれの感謝の気持ちを言葉にしました。

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(左から)
同種目での2大会ぶりとなる銀メダルを手に、笑顔を見せる長島選手
前回のトリノ大会では6位と、あと一歩でメダルを逃した加藤選手は、銅メダルを獲得
日本男子フィギュアスケート初となる銅メダルを獲得した、髙橋選手
(写真提供:フォート・キシモト)

また清水宏保さんが引退したことについて、長島選手は「僕たちの世代が楽に世界で戦えるようにして下さったお陰で、今回のメダルが取れました。感謝しています」、加藤選手は「僕の目標であったし今もまだ超えられない。スケート界を引っ張って次の世代を育ててくれました。お疲れ様といいたいです」と胸がいっぱいの様子で語りました。

■長島圭一郎選手ムービーメッセージ 00:23

■加藤条治選手ムービーメッセージ 00:39

■髙橋大輔選手ムービーメッセージ 00:31

長島選手、加藤選手、髙橋選手、おめでとうございます! 大会もあと9日。これから試合を迎える選手たちが、3選手の活躍に続くよう応援しましょう。 (JOC広報チーム)

2010/02/20

髙橋大輔選手、フィギュア日本男子の「道」を作った銅メダル

目に見える幸せというのは、人生の中でも本当に少ないものだと思います。少なくとも、218日(日本時間219日)、男子フィギュアスケートの演技を固唾を呑んで見守ったすべての人が、表彰式で銅メダルを首にかけられる瞬間を見て、その幸せを分かち合ったのではないでしょうか。髙橋大輔選手のこの銅メダルは、長い日本フィギュアスケートの歴史のなかで、多くの関係者やファンの力でたどりついたメダルでした。T1 表彰台に立った髙橋選手(提供:アフロスポーツ)

 

1932年のレークプラシッドオリンピックに参加してから、日本のフィギュアスケートは、メダルに向けた長い戦いを始めました。フィギュアスケート界に“JAPAN”の存在を印象付けた先駆者は、伊藤みどりさんです。1988年、このバンクーバーから程近いカルガリーで行われたオリンピックで、当時の女子は3回転ジャンプが2種類あれば優勝できた時代に、5種類を成功。カナダの新聞の一面を飾ったのは、優勝したカタリーナ・ビットではなく、Midori Itoだったのです。これが、世界が日本を脅威として認めた最初の大会でした。

 

そして1992年のアルベールビルオリンピックでみどりさんが銀メダルを獲得。これを契機に、日本スケート連盟はフィギュアスケートの育成を強化します。長野県野辺山での小中学生の早期育成(有望新人発掘合宿)をスタートすると、その第一期生が荒川静香さんでした。技術面はレベルが上がり、次に表現面での評価を伸ばすためにと、本田武史さんを始めとする有望選手を海外のコーチの元へ送り、メダルを狙った強化の方針を続けてきたのです。この時期、すでに多くのメダリストを輩出していたスピード部門が、スケート連盟の強化資金を支えていたことも忘れてはなりません。

T2ジャッジにアピールする髙橋選手(提供:アフロスポーツ)

 

さらに、採点競技であるフィギュアスケートは、国際スケート連盟(ISU)への影響力を強めることも必要です。毎年のルール改正に関わるISU委員を送り出し、国際大会の採点に加われるレベルの高いジャッジを育成し、日本に不利な流れを作らないための努力を重ねてきました。そして今回、この男子シングルの9人のジャッジには、アメリカやカナダ、ロシアなどに混ざり日本も加わっていたのです。

 

もちろん選手自身を支えた人たちの努力もあります。髙橋選手をジュニアのころから二人三脚で育ててきた母のような長光歌子コーチ。表現力という才能を開花させ自信を与えたニコライ・モロゾフコーチ、そして右足の手術後に苦しいリハビリを支えたドクターやトレーナー。チーム髙橋の万全な体制は、技術だけでなく精神面も成長させてきました。

T3長光コーチと得点を待つ(提供:アフロスポーツ)

 

そうして迎えたこの日、会場の360度に日の丸が揺れていました。日本からのファンの多くが高額なチケットを苦労して入手し、この会場へとやって来ていたのです。アメリカとカナダの選手への熱い声援の次に大きかったのは、紛れもなく日本。「大ちゃーん」の声援は、まるでホームの試合かのような温かい空気を作り出していました。

 

この多くの思いを背負い氷に立った髙橋選手。それは歴史に名を刻むに値する、素晴らしい滑りでした。ショートプログラムでは、1位と0.6点差の3位で、45位には約5点差。4回転ジャンプを回避してメダルを狙う安全策もあったでしょう。しかし怪我をする前は4回転ジャンプを2本成功させていた意地があります。手術後、4回転の精度は完全には戻っていませんでしたが、あえて挑戦することで金メダルを狙う強い意志を伝えました。結果は転倒。でもその挑戦心が髙橋選手の背中を押します。後半になるにつれスケーティングのスピードがグングン上がると、ストレートラインステップでは、高い技術だけでなく、曲の盛り上がりに合わせて力強さが増していく情熱的な演技を披露。ステップの途中から、会場からは地鳴りのような感嘆の声が響き渡りました。

 

ジャンプでのミスが響き、技術面のエレメンツスコアは伸びなかったものの、表現面を評価するプログラムコンポーネンツは84.51位。なんと日本選手が、技術ではなく表現面の評価で銅メダルをつかんだのです。4回転が決まっていれば金メダル、という声もあるでしょう。しかしこの見えない壁を破るためにかかった78年間を考えれば、価値のあるメダルでした。

 

小柄な日本人が氷に立っただけで点が出ないといわれた時代もありました。しかし表彰台で188cm178cm2人と肩を並べた、165cmの髙橋選手は、氷の上では決して小さくは見えませんでした。この日のプログラムは、イタリア映画の「道」。喜怒哀楽を表現したいと言っていた髙橋選手の言葉通り、たくさんの人の思いが詰まった「道」を演じ、フィギュアスケートの未来に続く「道」を刻んだのです。 (JOC広報チーム)

 

2010/02/19

立て直しに成功の小平奈緒、5位入賞〜スピードスケート 女子1000m 決勝

文:松原孝臣

2月18日、リッチモンド・オリンピック・オーバルで行なわれたスケート・スピードスケート 女子1000mの決勝は、日本から出場した4人の選手にとって、四者四様、表情の分かれる試合となった。

この日、日本選手最上位の結果を残したのが小平奈緒。15組目に登場した小平は、スタートすると、伸びのよい滑りを見せる。最後の直線でも切れは失われず、1分16秒80でゴール。この時点で2位につけ、その後3人に抜かれたものの、5位入賞を果たした。

3位とのタイム差はわずかに0.08秒差。
「100分の8秒が悔しいですね」

小平はそう語りつつも、「滑りたいように滑ることができました」と、納得の表情を見せた。

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「力を出し切れた」と笑顔の小平選手(写真提供:共同通信)

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2010/02/19

オリンピックグッズに1時間半の大行列! 裏の手は!?

オリンピック開催中のバンクーバー市街は、連日多くの観光客で大賑わい。先日のダイアリーでも書きましたが、一番の行列となっているのは、老舗デパート「ザ・ベイ」の一階にある「オリンピックストア」です。開会式前の時期ですら入店するのに30分待ちだったこのストアは、大会 7日目となった18日、入店に1時間半待ち、レジが30分待ちという大盛況振りを見せていました。バンクーバーのダウンタウンは好景気に沸いています!

Koushikiオリンピックストアで販売する公式グッズ

このオリンピックストアは、バンクーバー冬季オリンピックのオフィシャルグッズショップとしては、市内でも一番大きい店舗。グッズ自体は、町中のあちこちの店で売っているのですが、品揃えの豊富さを求めて、忍耐強く待つ人が多いようです。

そこで、今回は「2時間も待つなんて無理だわ!」という応援客の方々に朗報(私も待てなかった一人)! この「ザ・ベイ」の5階には、公式ウエアショップが開店しているのです。カナダをはじめ、アメリカ、イタリア、中国、フィンランド、イギリスなどのバンクーバーオリンピック公式ウエアやグッズを販売。さらには2014年のソチオリンピックグッズもいちはやく発売しています。

この公式ウエアショップで見逃せないのが、赤いミトンです。外側にオリンピックシンボル、内側はメープルリーフがあしらわれ、太目の毛糸で編まれた温かみのあるデザイン。聖火ランナーがつけていたことから、バンクーバーでは老若男女問わず大人気で、すでに1階のオリンピックストアを始め各地のショップで売り切れ。10ドルとお手ごろ価格で、売り上げの一部は選手の強化費にあてられるとか。すでに入手困難なレアグッズですが、この5階のショップでは入荷次第、随時販売しているそうです。この日も、手袋が棚に並べられると、お客さんが殺到。ものの10分で売り切れていました!

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Miton1_2ミトンは大人気   

さらに! 胸が躍るのは、歴代オリンピック公式ウエアショップです。2002年ソルトレークシティー、1992年アルベールビル、1988年カルガリー、1980年レークプラシッドなどのTシャツやジャージが所狭しと並び、時間旅行気分。もちろん長野オリンピックのジャージやTシャツもあります。店の中を散策すると、札幌オリンピックの白いジャージを発見! こちらは生まれて初めて目にしました。どれも50ドル〜200ドル以内の普通の価格ですから、オリンピック好きの方は必見です。

Sochi ソチオリンピックのショップも開店

Sapporo札幌オリンピックのジャージ!

オリンピックグッズを手にすると、その大会で活躍した多くの選手の笑顔と汗が眼に浮かんできます。バンクーバー市内では、この感動的な大会の記念を手にしようと、オリンピックグッズを求める買い物客がまだまだ長い列を作りそうです。 (JOC広報チーム)

Shop1公式ウエアショップ

2010/02/18

4年後にリベンジを〜クロスカントリー 男女スプリント

文:折山淑美

数日前の雨が嘘のように晴れ渡ったウィスラー・オリンピック・パーク。放射冷却で冷え込んだ朝の空気も昼を過ぎると一気に温かくなり、コース上の雪も緩んでくる。

午前10時半過ぎから始まったクロスカントリー男女スプリントの予選。固い雪の条件で日本勢は、危な気ない滑りで午後の準々決勝へ駒を進めた。

「前半の入りが遅れたので、午後はそこを修正しようと思います。後半はトップとも変わらないペースでいけたから、前半さえ遅れなければ何とかなると思います」と、言う夏見円は22位通過。「1.6㎞の長丁場だから。徐々に上げていけばいいかなと思った」と言う恩田祐一は、競技場へ入ってからの400mで前との差を詰め、11位通過を果たした。「いい位置につけておけば、後々になってそれが活きてくることがあるから全力でいった」という気持ちで取った順位だった。

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ソルトレークシティー、トリノに続き、3回目の出場を果たした夏見選手(写真提供:アフロスポーツ)

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2010/02/18

世界にたった一つのメダル!

日本勢最初のメダルが舞い込んできたのは、競技4日目となる15日、スピード男子500mでした! 長島圭一郎選手の銀メダルと加藤条治選手の銅メダルと、1競技で2つも獲得! メダル獲得数は17日現在、参加82カ国のうち12位です。

Olym1_2 オリンピックメダル(提供:アフロスポーツ)

この念願のメダルですが、実は今回のバンクーバー冬季オリンピックとパラリンピックでは、史上初、すべてのメダルが違うデザインなのです! 

Para パラリンピックメダル(提供:アフロスポーツ)

オリンピックのメダルは直径約10cm、厚さ約6mmの円状、パラリンピックは幅9.5cm、厚さ約6mmの四角形で、それぞれ波打ったデザイン。重さは500576gで、今までで一番重いメダルです。首にかけるリボンは青色で、大会のモットー「With Glowing Hearts」の文字が刻まれています。

Gold 波打ったデザイン(提供:アフロスポーツ)

そして一番素敵なところは、表側の絵柄です! オリンピックメダルはシャチ、パラリンピックメダルはカラスをモチーフにした大きな先住民アートの原画から、絵柄を切り取ってそれぞれのメダルに配置。世界でたったひとつのメダルになるのです。オリンピックは615個、パラリンピックは399個の全メダルをつなぎ合わせると、一枚の原画になるというイキなデザインですね!

Danshi 男子500mの表彰式(提供:アフロスポーツ) 

長島選手と加藤選手の首に掛けられたメダルには、どんな絵柄が描かれていたのでしょうか!? 2人のメダルのデザインは、このチームジャパンダイアリーでお知らせしますので、お楽しみに! (JOC広報チーム)

2010/02/18

新種目フリースタイル・スキークロスのチームが会見

今大会の新種目として注目されるフリースタイル・スキークロスのチームがバンクーバー入りし、17日に会見を開きました。男子は滝澤宏臣選手、女子は福島のり子選手、それぞれ1名が日本から出場します。

Dsc01643 意欲を語るスキークロスチーム

スキークロスは、4〜6人の選手が同時にスタートし、カーブやジャンプ台などをクリアーしながら最初にゴールした選手が勝ちという、雪上の障害物競走。抜きつ抜かれつの駆け引きが見所です。ワールドカップでは0203シーズンから正式種目になり、初代チャンピオンはなんと滝澤選手! 今大会では、スノーボードクロスと同じコースを使い、4人ずつ滑ります。

2人は、バンクーバーから飛行機で1時間ほどのレッドマウンテンで、直前合宿を行っての選手村入り。滝澤選手は「飛び出し方を重点的にやりました。後半に抜ける場面が少ないので、スタートでなるべく前に出たいです」、福島選手も「スタートの精度を上げる練習と、自分のスピード領域を上げるためのトレーニングを徹底的にこなしてきました」といい、2人とも内容の濃い練習をこなしてきた様子です。

滝澤選手は「オリンピック種目になる前からやっていて、メダルも取ってきました。一番上を目指す強い気持ちで臨みたいです」、福島選手は「スキークロスがオリンピック種目に決まった日から、この日を楽しみにしていました。最高のパフォーマンスを目指します」とそれぞれ意欲を語りました。

Dsc01650_2力強くガッツポーズ! 

初代チャンピオンの座に向けて、滝澤選手と福島選手の精一杯の滑りから目が離せません! 男子スキークロスは21日(日本時間22日)、女子スキークロスは23日(日本時間24日)に行われます。 (JOC広報チーム)

2010/02/17

髙橋3位、織田4位、小塚8位、フィギュアスケート男子が好発進

フィギュアスケート男子ショートプログラムが16日行われ、髙橋大輔選手は観客をひきつける演技で1位とわずか0.6点差の90.253位と好発進。織田信成選手もノーミスの演技で84.854位、小塚崇彦選手は小さなジャンプミスがあったもののスケーティング力を評価され79.598位につけました。メダル圏内に日本選手がひしめきあう、最高の滑り出しです!

Takahashi1好発進の髙橋選手(提供:アフロスポーツ)

トリノオリンピックで8位と、雪辱を誓ってから4年。髙橋選手は、落ち着いたいい表情で氷に降り立ちました。スタジアムの360度から沸き返る「大ちゃん」コール。多くの日本のファンが見守っているのが分かります。曲はタンゴの「eye」。アコーディオンの切ないメロディに乗せて、髙橋選手の滑らかなスケーティングが映えます。

髙橋選手は右ひざ靭帯断裂のために08-09シーズンを欠場し、リハビリに専念。099月に実戦復帰したものの、自己ベストには及ばない苦しい試合が続きました。この日は、冒頭の3回転+3回転の連続ジャンプを確実に決めると、怪我の原因ともなったトリプルアクセル(3回転半)を見事に成功。続く3回転も決め、すべてのジャンプをクリアすると波に乗ります。見せ場の2つのステップでは、曲のリズムからわざと遅れる“溜め”でアコーディオンの情感を表現するなど、緩急のあるスケーティングが冴えわたり、スケート力の評価は8.3と全体の2位。自己最高の90.25に、笑顔を見せました。

Takahashi2ガッツポーズを決める髙橋選手(提供:アフロスポーツ)

続く織田選手も、最高の演技です。織田選手の魅力はなんと言ってもジャンプの着氷のやわらかさ。この日も、なめらかに流れるような着氷をすべてのジャンプで決めると、歓声が沸き起こります。シーズン前半には表現面の点が伸びず、得点を見て泣いたこともあった織田選手でしたが、「死の舞踏」の暗く激しい曲に合わせた重みのある演技で、トップスケーターにふさわしい滑りを見せました。ジャンプとスピンに高い評価を得て4位発進。十分にメダルを狙える好位置です。

Oda 力強い演技の織田選手(提供:アフロスポーツ)

小塚選手は、トリプルアクセルの着氷がわずかに乱れましたが、全体的に流れとスピードのある素晴らしい演技。1歩がよく伸びるスケーティング力や、エッジを深く倒して左右に乗るエッジワークでは、他の選手を寄せ付けない巧みさが光ります。大きな緊張感の中、力を出し切りガッツポーズ。ジャンプミスで約23点を失ったものの、79.59の高得点で、メダルの可能性を残しました。

Kozukaスケーティングが冴える小塚選手(提供:アフロスポーツ)

一方、外国勢の滑りも素晴らしいものでした。トリノオリンピックの王者エフゲニー・プルシェンコ(ロシア)は、冒頭で4回転+3回転のジャンプを決め首位発進。しかし演技面の評価は5位と、トリノオリンピックのような絶対王者といった位置づけではありません。同じくトリノオリンピック銀メダルのステファン・ランビエル(スイス)は、スピード感のある演技と得意の高速スピンで、この日一番のスタンディグオベーションを受けました。4回転ジャンプの着氷がわずかに乱れましたが、表現面ではトップの評価で、織田に次いで5位につけました。

また昨季の世界王者、エバン・ライサチェック(アメリカ)は、力強さと正確さで群を抜く男らしい滑りで、自己最高の90.30をマーク。非の打ち所の無い演技で、2位につけました。同じくアメリカのジョニー・ウィアーもノーミスの演技で6位。また地元カナダの声援を一身に受けるパトリック・チャンは、トリプルアクセルでミスがあったものの、素晴らしいエッジワークとスケーティングで7位発進となりました。

1位から3位の髙橋選手まで0.60点差にひしめく大接戦。8位の小塚選手も約10点差ですが、フリースケーティングは、何が起こるかわかりません。日本男子初、いや、アジア男子初のメダルへの期待で胸がいっぱいです! 決戦の男子フリースケーティングは18日(日本時間19日)。運命の瞬間はもうすぐです。(JOC広報チーム)

2010/02/17

原田が2日目につながる滑り、女子リュージュ

ウィスラーのスライディングセンターで行われたリュージュ女子1人乗り初日は、日本にとってちょっと悔しい結果となりました。原田窓香選手は1本目26位、2本目16位で、一日目を終えて23位。安田文選手は、1本目を終えた時点で、スピードを出すために装着できる重りの規定超過で失格となりました。

Harada1_22本目で挽回した原田選手(提供:アフロスポーツ)

ウィスラーの村から、ゴンドラに乗って山を登ったところにウィスラースライディングセンターはあります。ここウィスラーでは人気競技のひとつ。1万人超のチケットは完売し、多くの観戦客がゴンドラに揺られて山を登りました。

Gondoraゴンドラに乗って試合会場へ

リュージュのコースは、12日の公式練習中に男子選手が事故死したことから、男子のスタートラインは女子の位置に、女子はジュニア用の位置に下げてのスタート。女子のコースの長さは1198mから953mに縮められ、時速140km台の高速コースの予定が、130km前半のコースになりました。

原田選手は、1本目、スタートでのコース取りでミスがあり、4260826位とタイムが伸びません。もちろん26位といってもトップと0.880秒差ですから、いかにこの競技が僅差の戦いになるかを示します。2本目は、順調なスタートを決め、4211216位と健闘。コースのライン取りをつかめた様子で、2日目につながる滑りとなりました。

Harada2原田選手(提供:アフロスポーツ)

一方、安田選手は、1本目のゴール直前でヘルメットのカバーが外れるアクシデント。バランスを崩してゴールしましたが、怪我はなかったとのこと。また安田選手は、1本目の計測後、装着できる重りが13.1kgまでのところ、13.3kgだったため失格となりました。

Yasuda安田選手(提供:アフロスポーツ)

リュージュの魅力は、なんといってもコースが近いこと。スタートからゴールまで、すべてのコース沿道が観客席ですから、ファンのみなさんも思い思いの場所を陣取り、選手の活躍を目の前で見ることができます。コースにかぶりつきで待っていると、山の上のほうから、時速130km台で滑り降りてくる「ゴーッ」という音が聞こえ、猛スピードで目の前を通過。そのスピードとパワーに圧倒され、選手が過ぎ去ったあとに、遅れて「オオーッ」と歓声が上がります。

日本では馴染みの薄い競技ですが、そのコースの近さとスピード感はほかの競技にない魅力。原田選手の2日目の活躍、そして同コースで行われるスケルトンとボブスレーの選手へ、エールを送りながらウィスラースライディングセンターを後にしました。(JOC広報チーム)

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