長野1998
採れたて長野通信
やりました! 13日の競技でも日本勢が大活躍です。まず、白馬ジャンプ競技場で行われたノルディック複合前半のジャンプでは荻原次晴選手が3位と好位置につけ、後半の距離でメダルを狙います。古川選手も4位につけて、メダルは射程圏内。復活が期待されたエース・荻原健司選手は、1本目がやや失敗ジャンプで9位。トップとは1分30秒差でのスタートとなりました。やや苦しい戦いですが、奇跡の大逆転を期待しています!
またエムウェーブで行われているスピードスケート女子500mの1回目では、注目の岡崎朋美選手が日本新記録の好タイムで、こちらも3位。4位には島崎京子選手が続き、ノルディック複合とあわせて14日の競技がとても楽しみになってきました。さて、長野オリンピックではいくつかの新種目が正式に採用されています。カーリングもそのひとつ。今日の取材班は、軽井沢の風越公園アリーナで熱戦が繰り広げられているカーリングを観戦、その後には実際に体験までしてきました。会場では、カーリングが盛んな北海道の応援団、軽井沢のカーリングプレーヤーが日本チームに大声援を送っていて、小さな会場は熱気にあふれていました。
現地直送!観戦レポート カーリング女子予選(風越公園アリーナ)
微妙な戦術が勝負の決め手
オリンピックで初めて正式種目になったカーリング。日本の女子チームは1997年のベルリン世界選手権では4位になった実績があり、大会前の激励会では「メダルを狙いたい」と意欲を語ってくれました。でも、12日のデンマーク戦で敗れて、この時点で残念ながら決勝進出の見込みがなくなってしまったのです。インタビューで、最後の試合のアメリカ戦には「全部を出しきって戦いたい」といっていた選手のみなさんを応援するために、軽井沢まで行って観戦してきました。
ルールや競技の内容さえも、日本ではまだあまり知られていないカーリング。静かな競技だと思っていたのですが、会場の中は応援の掛け声やチアホーンの音が響いて、なかなかの盛り上がり。カーリングのルールは複雑ではありません。初めての観戦でも、少し勉強してからでかければ、存分に楽しむことができるはず。「氷上のチェス」と呼ばれる戦略性の高さはもちろん、最後の一投で起きる大逆転や、1000分の1ミリまで正確に計るジャッジ。動きは静かでも、戦いの内容はエキサイティングな競技なのです。
「楽しさを伝えたい」と近藤選手
アメリカ戦の結果は、残念ながら2対10と敗退してしまいました。結局、このオリンピックの成績は、2勝5敗で5位。「日本での開催ということで、応援が心強かったです。なんとかメダルを取って、日本のみなさんにもっともっとカーリングの楽しさを伝えたかった」と近藤ゆかり選手がいうように、悔しさは隠しきれないといった感じの選手たちなのでした。
でも、選手の中で最年少の加藤章子選手は「4月にある世界選手権では上位を狙うので見ていてください」と力強いコメント。世界選手権では、今度こそ表彰台を期待してますからね。
カーリングの街の応援団
会場の中でひときわ目立っていたのが、赤い裃姿のおじいさん。選手に「フレー、フレー、ニッポン」と元気に応援していました。そのおじいさんは、カーリングの街として有名な北海道常呂町(男女カーリングチーム10人中6人の選手が常呂町出身)の郵便局長。赤い裃は「日の丸のイメージ」なんだそうです。
常呂町からは選手の家族も含め総勢100人の大応援団が軽井沢にやってきたということで、常呂町名産の色を塗ったホタテの貝殻を叩いて音を出す道具や、ヨサコイ節で使う鳴子など、郷土色豊かな応援を繰り広げていたのが印象的でした。
カーリングを自分で体験!
試合後、会場の外「カーリング体験コーナー」を見つけました。カーリングに慣れ親しんでもらうために、カーリングのルール、投げ方、掃き方などを無料で教えてくれます。さっそく取材班も体験してみました。取材班の先生は、世界ジュニア選手権で4位になった柳沢敬太くん(16歳)。
初めて体験するカーリング。利き足の反対にツルツルとよく滑る靴を履くのですが、氷の上に立っているだけで精いっぱいです。ストーンを投げても見当違いな方向に行ったり、すべって転んだりして。ほかの初心者たちも同じような調子なので、会場内は笑い声があふれていました。それでも、15分ほど教えてもらうと、基礎的な投げ方やルールがだいたいつかめます。自分の思い通りの場所にストーンが行くのは痛快です。取材班と一緒に教えてもらっていた萩原さん夫妻。「バランス取るのは難しいけど、やってみるとすごく楽しい。なかなかうまいから今度のオリンピックには出場しようかな」だって。
「カーリング体験コーナー」は、カーリング期間中の15日まで。軽井沢に行けるなら、ぜひ挑戦してみてください。
軽井沢で2回目のオリンピック
カーリングを観戦した取材班は、その足で中軽井沢の軽井沢資料館をのぞきに行ってきました。軽井沢資料館では2月22日までのオリンピック期間中、「軽井沢のオリンピック今昔」展をやっています。
実は、軽井沢町でオリンピックの競技が開催されるのは今回で2度目。1回目は東京オリンピックの馬術競技。会場は、カーリングが開催されている風越公園アリーナのすぐ横でした。軽井沢は世界で唯一、夏と冬のオリンピックを開催した町になったのです。
軽井沢資料館に展示されているのは、軽井沢プリンスホテルの旧名、晴山ホテルでの選手村分村式の様子、馬術用の馬が非常に高価だったため総檜で作られた厩舎の写真など、当時の世相をしのばせる写真や記念品など。長野オリンピックで大流行中のピンズの東京オリンピック版など、貴重なコレクションもありました。
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