北京2008
概要・説明
(1)競技方法
近代五種競技は、1人の選手が、射撃(エアーピストル20発)・フェンシング(エペ・総当たり1分間1本勝負)・水泳(200m自由形)・馬術(障害飛越)・ランニング(3,000m)の全く異なる運動要素を持つ5種目を1日で行い、その成績を全て得点換算して、その総合得点で順位を争うという、非常に過酷な複合スポーツである。
(2)競技(種目)の規則
オリンピックは男女とも個人種目のみで実施する。
種目 | 実施要領 | 採点方法 |
射撃 |
・射距離10mで20発を射撃する。 ・試射5分の後、本射を実施する。 ・射撃号令で統制され、40秒間に1発を射撃し、時間内に発射されなかったものは無効となる。 |
・1発毎に10点9点8点…0点で採点され、200点満点である。 ・射撃得点172点を1,000点とし、射撃得点1点毎に12点が増減される。 |
フェンシング |
・エペ種目で、総当たり1分間1本勝負を実施する。 ・同時突きの場合時間内であれば再度実施し、時間内に勝負が決しなかった場合両選手ともに負けとなる。 | ・勝率70%(35試合の場合25勝)を1,000点とし、1勝敗毎に24点が増減される。 |
水泳 |
・200m自由形のタイムレースで、100分の1秒まで計時する。 ・エントリータイムの遅い選手の組からスタートとなる。 | ・男子は2分30秒・女子は2分40秒を1,000点とし、1秒毎に12点が増減される。 |
馬術 |
・貸与馬競技であり、選手が抽選で引き当てた馬に、競技20分前から試乗して準備をする。 ・全長350m〜450mに配置された12個障害(ダブル障害・トリプル障害×各1を含むので、実質15個)を所定時間内に飛越する。 ・2回の落馬またはタイムオーバーの場合その時点で競技中止となり、残った障害の減点等をして、採点がなされる |
・1,200点からの減点方式である。 ・主な減点 - 所定時間オーバー1秒毎:- 4点 - 障害落下:- 28点 - 不従順:- 40点 - 拒止・逃避で障害落下:- 60点 - 1回目の落馬 :- 40点 - 2回目の落馬:- 300点 |
ランニング |
・全長3,000mのコースで実施する。 ・4種目までの得点差をタイム換算(4点=1秒)して、ハンディキャップ方式で上位の選手からスタートするので、ゴールでの順位が総合成績の順位である。 | ・男子は10分00秒・女子は11分20秒を1,000点とし、1秒毎に4点を増減する。 |
(3)競技用具
種目 | 競技用具 |
射撃 | ・単発式エアーピストル |
フェンシング |
・マスク(エペ用) ・フェンシングスーツ・グローブ・ソックス ・剣(エペ用) ・ボディコード |
水泳 |
・スイムウェア ・スイムキャップ ・スイムゴーグル |
馬術 |
・防護帽 ・乗馬用ブレザー ・乗馬ズボン ・拍車・鞭 |
ランニング |
・ランニングシャツ ・ランニングパンツ ・スパイク or シューズ |
(4)競技(種目)のポイント等
静と動が混同し、全く異なる種目の流れの中で、それぞれが得意・不得意とする種目があり、その一つ一つの種目、また一つ一つの勝負の中で順位が入れ替わるデッドヒートは、一瞬たりとも見逃せない。