2010/03/01
女子チームパシュート、悔しさと喜び溢れる銀メダル(ムービーメッセージ付)
オリンピック最終日となった28日(日本時間3月1日)、前日に行われたスピードスケート女子チームパシュートで銀メダルに輝いた3選手が、ジャパンハウスで会見を行いました。0.02秒の僅差で金メダルを逃し、レース直後は悔しさと嬉しさが入り混じっていた3選手。一夜明け、田畑真紀選手は「思い出すだけでドキドキして夢のよう」、小平奈緒選手は「将来オリンピックを目指す子供に夢を与えられた」、穂積雅子選手は「本当にみんなにお礼を言いたい」と、晴れ晴れとした表情で語りました。
27日のレースは劇的な展開でした。まず準決勝では、ポーランドに勝ち、銀メダル以上を確定。波にのった日本女子チームは、金メダルを目指す舞台に降り立ちます。
チームパシュートは、3人が集団になって滑り、両チームの最後にゴールした人のタイムで勝敗が決まります。風を受けて体力を奪われる先頭に誰を置き、どうスピードを調整していくかがポイント。日本の作戦は、中盤はスピードのある小平選手が先頭になって引っ張り、後半はスタミナのある穂積選手が支える、先行逃げ切り型です。
そして迎えたドイツとの決勝戦。中盤まで日本が1秒以上の差をつけるレース展開でしたが、終盤にドイツが追い上げ、わずか0.02秒差で逆転負け。ブレードの長さにも満たない半歩の差で、銀メダルとなりました。
オリンピックのスピードスケートで、女子は過去3回の銅メダルを獲得していますが、銀メダルは初めての快挙です! 悔しさは残るけれど、名誉ある銀メダル。3選手は、このオリンピックをそれぞれ振り返りました。
ベテランの田畑選手は「今回が集大成のオリンピックだと思っていた。1500mで思うタイムが出ず悔しく、その後、改めてスケートを滑れることの嬉しさを感じられたことが良かった」といい、精神面でのピーキングに成功。ベテランとしての役割をきっちりとこなしました。
■小平選手・田畑選手・穂積選手ムービーメッセージ 00:57
穂積選手は「今回は、3000m、5000m、そしてチームパシュートと3種目も滑らせていただいて誇りに思います。個人種目では世界との壁を感じ、どうやったら埋まるか考えさせられたし、チームパシュートで銀メダルを獲った経験も次につながると思います」と、次のオリンピックに目をむけました。
小平選手は「500mはメダルがちらついて心に隙が現れてしまいました。1500mでは、後一歩という自信も得ました。そしてチームパシュートではみんなの力を合わせて銀メダル。成長とともに駆け抜けたオリンピックでした」と、感慨深げに語りました。
穂積選手、小平選手ともにまだ23歳。この銀メダルの悔しさと喜びは、必ずソチオリンピックにつながります。チームジャパンがこの大会最後に獲得して銀メダルは、未来につながる意味深い輝きを放っていました。 (JOC広報チーム)