2010/02/16
次につながるいいレース〜クロスカントリー 女子10km 決勝
文:松原孝臣
スキー・クロスカントリーの最初の種目、女子10kmの決勝が15日、行なわれた。場所はウィスラー・オリンピック・パーク。バンクーバー市内からはバスで3時間半ほど北に進んだ町である。
日本は石田正子、夏見円の主軸2人が欠場。
「それぞれの得意種目に向けて万全を期すため」(佐藤志郎監督)と、両選手を温存する格好となった。
雪不足を象徴するように、ウィスラーも例年からすれば信じられないほど雪の少なさが目立ち、茶色い山肌が見えている場所も少なくない。気温もマイナス2度程度と、雪山としては過ごしやすい気温の中、数千人の観客が拍手、歓声、思い思いに声援を送る中、午前10時を少しまわる頃、競技は始まった。
最初の走者、オルゲ(スペイン)がスタート。以降、30秒間隔で選手たちがスタートしていく。
日本からは、ソルトレークシティー、トリノに続き、3度目のオリンピックとなる29歳の福田修子と、今大会のスキー勢最年少の18歳、柏原理子が出場。
4×5kmリレーに向けて、前向きなレースを展開した福田選手(写真提供:共同通信)
上り、下りともに傾斜がきつく、難しいコースをいかに攻めるか、ペースをどのように配分するかが問われた。
そして、今後行なわれるスプリント、30km、4×5kmリレーなどの各種目に臨むにあたっての情報収集、自身のコンディションを確認するための意味合いを持つレースである。
福田は10時29分頃に58番でスタート、柏原はその後60番でスタートし、結果、福田が27分47秒7で52位、柏原は28分32秒0の61位にとどまった。
レースを振り返って、福田はこう語った。
「(25日の)4×5kmリレーにつながる今日の10kmは、速い選手といかに離れないで走るのかをテーマにしていました。結果は良くなかったですけど、最後まであきらめずに走りきれて満足しています。気持ちとコンディションをあげていきたいです」
柏原はこのように振り返った。
「オリンピックは楽しかったです。遅くても焦らないで自分の走りをするのが目標でした。知らずにテンションが上がっていました。中盤、いい動きが出来ませんでしたが、大きな大会で走れたことは次につながると思います」
18歳で初めてのオリンピックに挑んだ柏原選手(写真提供:共同通信)
福田、柏原ともに、決して心から納得のいくレースとはならなかったし、結果も伴わなかった。
だが、今日は、福田が語るように、大会後半のリレーなどにつなげる意味合いの強い試合。
これを機に、調子をさらに上げていくことが、これからのクロスカントリー各種目の成績を左右する。
レースを終えた福田選手(左)と柏原選手(写真提供:共同通信)