写真:ロイター/アフロ
サーフボードには、9フィート(約2.7m)以上のロングボードや、6フィート(約1.8m)前後で先端がとがっているショートボードなど、さまざまな種類があります。東京2020大会およびパリ2024大会では、細かいターンやダイナミックな技を可能にするショートボードで競技が行われます。競技の本質は、波に乗って様々なテクニックを駆使することであり、審査員がそのライディングテクニックを採点し、勝敗が決まります。いかに難易度が高く創造的な技を繰り出すか、スピードがあってダイナミックかなどが評価されます。
サーフィンの競技では、対戦の単位を「ヒート」と呼びます。各ヒートには2~5人の選手が参加し、通常の制限時間は20~30分です。東京2020大会では、第一試合・ラウンド1は4名(上位2名はラウンド3へ、下位2名はラウンド2へ進出)、ラウンド2は5名(上位3名は3回戦へ、下位2名は敗退)で行い、本戦となるラウンド3以降はマンオンマン(1対1)のトーナメント方式となる仕組みでした。選手は10~12本ほどの波に乗り、そのうち点数の高い2本の合計で順位を争います。各選手は競技時間内にできるだけ高得点の波に乗りたいと考えますが、1つの波には1人しか乗ることができないという制約があります。波の頂上に最も近い選手がその波を選び、これを「優先権」と呼びます。優先権を持つ選手を妨害すると減点対象となりますが、逆に優先権があるにもかかわらず波に乗らなかったり、選んだ波に乗ろうとしてパドリング(サーフボードに腹ばいになり両手で水をかいて前進すること)を開始したものの途中で波に乗ることをやめたりすると優先権を失ってしまいます。選手同士のかけひきも行われます。波に乗らないふりをして乗ったり、パドリングを開始するふりをして実際にはいかなかったりすることで、他の選手を翻弄することもあります。
サーフィンの評価は、選手が披露する技のタイプ、難易度、独自性にスピードやパワーなどの要素を組み合わせ、5〜7人の審判が行います。選手にとって重要なのは、波に多く乗ることだけでなく、1本の波で披露される技の数よりも、むしろ技の品質です。波の頂上に向かって上昇し、そこから回転して降りる「360(スリーシックスティ)」や、波を駆け上がって空中に跳び上がりながら安定した体勢で水に戻る「エアリアル」などの高度な技が、リスキーな大きな波でダイナミックに演じられ、成功すると自然に高得点に結びつきます。技ごとに固定の得点が与えられるのではなく、審判は総合的な印象を勘案して判断します。したがって、いくつかの技が滑らかに連続していると、その印象も向上し、得点が一層高くなります。どれだけ難易度が高く、創造的で質の高い技を披露できるか、ライディング全体がダイナミックでスピード感があるかなどに注目して、サーフィンの試合を観戦しましょう。
競技初回実施大会 | 東京2020大会 |
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TEAM JAPAN初出場大会 | 東京2020大会 |
競技別累計メダル数 |
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2024年1月1日時点
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