写真:ロイター/アフロ
雪国の人々にとって、「そり」はかつては重い荷物を運ぶための重要な道具でしたが、これが遊びとなり、やがて競技として進化してきました。リュージュは1/1000秒を争う激しい競技です。滑走タイムは1/1000秒まで計測されます。1/1000秒を距離に換算すると、たった3cmほどです。壁をわずかにこすったり、カーブの出口でわずかに横滑りしただけでも、タイムは大きく減少し、勝利を逃してしまいます。
スタート時には、選手はそりに乗り、コース横にある金属製のグリップを握ります。そりごと前後に動き、反動を利用して飛び出します。この時、特殊なグローブに付いたスパイクを使って、両横の氷をかき、スピードをつけてダッシュします。選手がそりの加速を得るために行うのはこれらの2つの動作だけです。スタート後は仰向けにそりに寝、足で「クーヘ(滑走面の先端部)」を抑え、空気抵抗を最小限に抑えた姿勢で滑走します。頭が上がると空気抵抗が増え、タイムロスに繋がるため、選手はローデルシューズと呼ばれるつま先を伸ばす形状の競技専用の靴を履いています。カーブでは、巧みなコース取りを行い、減速を最小限に抑えることが求められます。2人乗りでは、体の大きい選手が前に座り、小さい選手が後ろに座ります。前の選手の動きを感じ取りながら、2人はまるで一体のように滑ることが求められます。重心が高い状態で、2人の息が合った滑走がポイントとなります。
オリンピックの競技種目としては「男子1人乗り」「女子1人乗り」「男子2人乗り」「女子2人乗り」「チームリレー」の5種目が存在します。1人乗り競技では2日間で4回滑走、2人乗りでは1日で2回滑走し、その合計タイムで順位が決まります。そりの重量は、1人乗りが男女とも21〜25kg、2人乗りが25〜30kgの範囲に制限されていますが、選手の体重には制限がありません。また、選手は規則に従って重り(男子13kg以下、女子及び2人乗り10kg以下)をつけることが許されています。ソチ2014冬季大会から採用されたチームリレーは、1チームが女子1人乗り、男子1人乗り、2人乗りの選手で構成され、リレー形式で各選手が滑り、最終的なタイムで競い合います。最初に滑走した女子選手がフィニッシュ地点のタッチパッドに触れるとスタートゲートが開き、次に男子選手がスタートします。この間も計時が続けられるため、男子選手がスタートするスピードも重要です。同様に、男子選手がフィニッシュ地点でタッチパッドに触れることで、2人乗りの選手がスタートします。最初の選手がスタートして光電管を通過してから最後の選手がタッチパッドに触れるまでの計測時間が、そのチームの最終タイムとなります。もしも、フィニッシュ地点のタッチパッドに触れられなかった場合、次の選手のスタートゲートが開かないため、失格となります。
競技初回実施大会 | インスブルック1964冬季大会 |
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TEAM JAPAN初出場大会 | 札幌1972冬季大会 |
競技別累計メダル数 |
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2024年1月1日時点
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