2010/07/29
古橋廣之進さんの記念碑除幕式・建立祝賀会が行われる
昨年8月にローマで逝去された古橋廣之進さんの記念碑が完成し、昨年のローマで行われた世界水泳選手権の晴天が思い出される暑い夏のさなかの7月26日、東京都北区の国立スポーツ科学センター(JISS)で除幕式と建立祝賀会が行われました。敗戦で打ちのめされた日本に夢と希望を与えると共に、戦後の日本スポーツの普及・発展に貢献した古橋さんの偉業を後世に永く伝えなければならないという思いから、この夏、一周忌を迎えるにあたり、記念碑を建立することになりました。
記念碑には、古橋さんの直筆による座右の銘「泳心一路」の文字と、古橋さんの胸像が埋め込まれています。また上部には、日の丸と泳ぐ人をイメージした御影石があしらわれました。高さ275cm、幅310cm、厚さ20cmの大きな記念碑で、499人の寄付をもとに約600万円かけて作成。日本スポーツ振興センターの配慮により、味の素ナショナルトレーニングセンターとJISSの敷地の入り口に建立され、両センターでトレーニングに励むトップアスリートたちが練習の行き帰りに目にすることになります。
建立実行委員長の森喜朗氏は、「古橋さんの活躍は、敗戦に打ちひしがれた日本国民に夢と希望と勇気を与えてくれました。選手達は、記念碑に刻まれた文言をかみしめて、スポーツへの情熱を受け継いでほしいです」、建立副実行委員長の佐野和夫・日本水泳連盟会長は「建立のためにご尽力いただいた方々に深く御礼を申し上げます。『魚になるまで泳げ』『泳進一路』の言葉を受け止め、選手の活躍につなげていきたいです」とあいさつしました。
川端達夫文部科学大臣は「古橋さんの活躍は戦後日本の明るい光でした。また引退後も日本スポーツの発展に寄与され、スポーツ競技者として初の文化勲章を授与されました」と古橋氏を振り返り、竹田恆和JOC会長は「選手の強化拠点である、味の素ナショナルトレーニングセンターと国立科学スポーツセンターでトレーニングを重ねる選手が、古橋さんの意思を引き継ぎ、さらなる活躍をすることを期待しております」とあいさつ。約150人が参加した建立祝賀会では壇上に古橋さんの遺影が飾られ、参加者らはその面影を偲びました。