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TEAM JAPAN DIARY

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2010/02/22

選手をあと押しする地元の応援

文:高樹ミナ

「ファンの皆さんの応援が力になる」。選手たちからよく聞く言葉です。あるオリンピアンはスキーのジャンプ台の上から、知っている人の姿が見えるといいます。にわかに信じがたい話ですが、どうやら自分を応援してくれる人のエネルギーは選手たちにしっかり届くようなのです。

バンクーバーオリンピック大会2日目に行われたスキー・フリースタイル 男子モーグルで、カナダのビロドー選手が、カナダ開催のオリンピックで初の金メダルをもたらしました。カナダでは1976年にモントリオール大会、1988年にカルガリー冬季大会が行われていますが、金メダルはひとつも獲得できず。それだけにビロドー選手の快挙はカナダ国民を沸かせました。

前日には女子モーグルでも、トリノ大会の金メダリストであるハイル選手が銀メダルを獲得しましたが、一方では隣国アメリカも男女あわせて3人がメダルを手にしました。女子ではカーニーが金、バーク選手が銅、男子ではウィルソン選手が銅と、6個のうち5個のメダルを北米大陸が占めたのです。

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ビロドー選手(金メダル)とハイル選手(銀メダル)をあと押しした地元の応援

この結果から、「地の利」という言葉を思い浮かべずにはいられません。実際、モーグルの競技会場はカナダの応援一色で、カナダ国旗の応援フラッグがあちこちに掲げられ、地鳴りのような歓声が会場を包みました。アメリカもカナダの次に盛大でした。

オリンピックは都市が開催するものですが、あえて開催国というならば、バンクーバーオリンピックに限らず、どの大会でも開催国は自国の誇りにかけて、メダルの大量獲得を目指します。国策として選手の強化に力を入れ、大会本番に備えるのです。

そうした取り組みの成果を発揮するのがオリンピックのひのき舞台であり、競技会場で選手たちの活躍を後押しするのが地元の応援といえるでしょう。

オリンピックが始まれば、自国のメダルの数は気になるものです。一番多くメダルを取っているのはどの国なのか、日本はいくつメダルを取っているのかと、メダルの動向に目がいきます。また、もともとオリンピックに興味のない人でも、オリンピックの話題は会話にのぼります。

ここバンクーバーでも、事前の調査ではオリンピックに関心がないという人が少なくなかったようですが、先日、市内の美容室で話をした女性スタッフなどは、「(オリンピックが)始まったらやっぱり見てみたくなって、競技の当日に会場へ行って、チケットを探すつもり」と話していました。

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バンクーバー市内でもオリンピックの興奮が収まりません

こんなふうに人々を動かす力がオリンピックにはあります。開催国カナダはいくつのメダルを獲得するのでしょうか。そしてチームジャパンは……。バンクーバーオリンピックは後半戦に入り、日本代表選手のメダル獲得が期待される競技が続きます。

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