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2010/02/22

劇的勝利と惜敗。気持ちを切り替え、残り3戦へ〜カーリング 女子 予選

文:松原孝臣

激しい1日だった。

2月21日、カーリング日本代表は、ロシア、ドイツと対戦。競り合う中で、1勝1敗の結果を残した。

まず最初に行なわれたのは、午前9時からのロシア戦。第4、第5エンドに3点ずつ奪われ、6点のリードを奪われる。

「ここから勝てるとは思いませんでした」と、阿部晋也監督が振り返ったように、通常ならこのまま敗れていておかしくない点差だ。

第6エンドに3点を返すと、続く第7エンドには、リードの石崎琴美に代えて山浦麻葉を投入し、セカンドの本橋麻里、サードの近江谷杏菜のポジションを入れ替える。試合中にメンバーを変えるなど、極めて異例のことだ。山浦自身の、「準備も何もしていなくて着替えるのに精一杯でした」という言葉が、それを物語る。

その異例な手を打ったことが、チームの雰囲気を変えた。

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メンバーチェンジが功を奏したロシア戦。
(左から)山浦選手、本橋選手、近江谷選手、目黒選手(写真提供:共同通信)

このエンドに3点を取って同点。その後は点の取り合いで、9対9の同点となり延長戦に突入する。

第11エンド、後攻は日本。

スキップ目黒の最後の一投を迎えるとき、ハウスには、ナンバー1と4はロシア、2と3が日本と、2つずつストーンのある状態。ここで目黒は、ロシアのガードをかわし、ナンバー1のストーンを弾き出す見事なショット。3点を奪い、12対9で勝利を収めた。

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試合を決めた目黒選手(中央)のショット(共同通信)

「後半は開き直った強さがあったと思います」と目黒が言えば、本橋は手ごたえをこう口にした。「あきらめずに勝てたということは、次につながります」

勢いに乗って、午後7時からのドイツ戦に臨みたかった日本。だが、立ち上がりから、ロシア戦の後半とは様相が違った。

ショットの正確性を欠き、意外なミスが出る。思うように展開できない。序盤に3点をリードされ、その後も常にドイツにリードされる苦しい展開に持ち込まれると、第10エンドに2点を返したものの、6対7で惜敗に終わった。

チーム全体に出来が良くなかったのは、「2試合分戦った感じです」(本橋)というロシア戦の激闘が影響したかもしれない。

これで日本は3勝3敗と五分の星になった。スイスと並び4位である。21日が終わって、カナダとスウェーデンが5勝1敗で首位に並び、中国が5勝2敗で追う状況を考えれば、準決勝に進出するには、最低限5勝は残さなければならない。そうすれば、タイブレークに持ち込める可能性も出てくる。

近江谷は言う。
「負けられない試合がずっと続いていくので、全部勝っていきたいです」

明日22日はトリノで銀メダルのスイス、23日にはトリノで金メダルのスウェーデン、それにデンマーク戦が控える。

残り3戦中、2つは強豪国が相手だ。厳しい戦いになるだろう。

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ロシア戦で勝利し、喜ぶ目黒選手(左)と本橋選手(右)。
明日以降も、この笑顔が見れることを期待したい(写真提供:AP/アフロ)

まずは気持ちを切り替えることが大切だ。そしてこの大会全般に、どこか安定性を欠くショットの正確性を心がけること。

石崎は、気持ちを引き締めるように言った。
「明日のスイス戦に勝てば、準決勝進出も見えてきます。1試合に集中したいです」

そう、目の前の試合に全力を。
そこから可能性が見えてくる。

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