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2010/02/21

鈴木、小林組が難コースに挑戦〜ボブスレー 男子2人乗り

文:折山淑美

リュージュとスケルトンが終了したウィスラー・スライディング・センター。2月20日からはボブスレーが開始された。

日本はこの大会、オリンピック出場が4回目となる鈴木寛がパイロット、トリノに続き2回目の出場となる小林竜一がブレーカーを務める男子2人乗りと、4人乗り。小林同様、トリノに続く出場となる桧野真奈美がパイロットの女子2人乗りに出場。初日は男子2人乗りで戦いの幕を開けた。

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ボブスレーチームの先陣を切って登場した、鈴木、小林選手組(写真提供:共同通信)

このウィスラーのコースは、男子2人乗りでも最高時速で150㎞台が出て、なおかつ技術的に難しいコースだ。それを証明するようにこの日の1回戦では、2002年ソルトレークシティーと2006年にトリノへ出場し、2人乗りでは7位、10位になっているシュタンパーがパイロットのオーストリアAと、2007年世界選手権で9位になっているジャクソンがパイロットの英国Aが転倒して失格。豪州Bも転倒してゴールできないなど、アクシデントが相次いだ。さらに23チームが滑った2回戦では、1回戦で3位につけていたメダル候補のカナダAが、転倒して大きくタイムを落としてゴールするアクシデントまで飛び出したのだ。

その中で日本チームは、なかなかタイムを伸ばせず、53秒24と53秒30の合計1分46秒54と、完走チーム中で下から2番目の22位につけた。

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勢いよくスタートする、小林選手(左)と鈴木選手(写真提供:アフロスポーツ)

「公式練習中に2回転んでしまったけど、そのカーブは攻略できたんです。でも1回戦は大きな7カーブでそりをコントロールできず、タイムをロスしてしまって。2回戦はそのカーブはうまくいったけど、その前の4カーブから5カーブへのつなぎがうまくいきませんでした。前半や中盤にミスが出るとタイムが出にくいコースだから、そのあたりを修正していきたいですね」

と鈴木は話す。大会前の目論見とすれば、もう少し上の順位でいる予定だったという。だがそりはソルトレークシティーで使用したのを改良したもので、なかなかタイムが出ないのも現実だ。

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ベテランの経験を活かしたい、パイロットの鈴木選手(写真提供:フォート・キシモト)

そんな中で狙っているのは、ラトビアからそりを借りて出場する4人乗りだ。男女2人乗りが第1補欠からの繰り上がりで出場権を獲ったのとは違い、4人乗りは2010年1月のワールドカップ第6戦ドイツ大会で27位、第7戦スイス大会で28位になり、ランキング30位以内に自力で出場権を獲得した。

そのレースではスイスのそりを借りて結果を出した。4人乗りでも一番後ろに乗って、ゴール後にブレーキをかける役割のブレーカーである小林竜一は「古くなったそりは剛性が失われ、微振動を吸収してくれないので安定性がなくなるんです。でもスイスのそりは微振動を抑えているので、乗っていても静かで乗りやすいそりでした」と説明する。

だが今回はラトビアのそりを使用してレースに挑む。スイスのそりをバンクーバーへ移動させるには、多大な費用な必要なため、日本チームはより費用のかからない、ラトビアのそりを北米で探し出したのだ。しかし、それがどこまで滑るものなのか。

ソルトレークシティーに出場した時は、1998年長野用に作ったそりを使用したが、その後は資金難もあってワールドカップでは4人乗りに出場しなくなっていた。そのためトリノも2人乗りに出場したのみで、4人乗りは出場していない。

そんなこともあって、今日本チームが所持している4人乗りのそりは長野用に作った古いそりのみ。新しいそりを作る資金もないために、他の国のもの借りて試合に出場している。

ただその4人乗りに勝負を懸ける前に、2人乗りでは少なくとも3本目で20位以内に入り、4本目の滑走をしたいものだ。

それができてこそ、4人乗りで勝負をかけられるはずだ。

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