写真:西村尚己/アフロスポーツ
ライフル射撃は同心円が等間隔で描かれた標的の中心を狙って撃ち、中心に近いほど高い得点になります。ライフル銃を使う種目とピストルを使う種目があり、標的までの距離や使う銃の種類などによってそれぞれさらに種目が細分化されています。銃の種類は「50mライフル」「10mエアライフル」「25mピストル」「10mエアピストルの」4種類があり、距離は「50m」「25m」「10m」の3種類。撃つ時の姿勢も、片方の足を膝立て、膝の上に銃を置いて構える「膝射(しっしゃ)」、伏せて銃を構える「伏射(ふくしゃ)」、立った姿勢で銃を構える「立射(りっしゃ)」の3種類があり、それらを組み合わせた種目もあります。
50mライフル3姿勢
膝射、伏射、立射の3つのポジションで、それぞれ規定の弾数を撃つ競技です。この競技はライフルのマラソンとも呼ばれ、本選の制限時間は男女ともに1時間30分で、ファイナル進出者は追加の1時間のファイナル競技を経てメダルを争います。
10mエアライフル
空気銃を使用して、10m先の標的を立射で射撃します。標的の10点圏は直径0.5mmの点で、最も中心に近い着弾は10.9点とされます。小数点単位での記録が行われるため、安定して中心を射撃し続ける技術が試されるテクニカルな競技です。
10mエアピストル
圧縮空気を用いた単発ピストルで、片手で10m先の標的を狙って射撃します。標的の10点圏は直径11.5mm。銃を保持する手と引鉄を引く手が同じであり、引鉄を静かに引く技術が勝敗を左右する要素となります。
25mラピッドファイアピストル
男子選手のみが参加する競技で、立った姿勢で8秒、6秒、4秒という短時間に次々と連射します。8秒間で5発を5つの標的に連続して撃つ「8秒射」を2セット、「6秒射」を2セット、「4秒射」を2セット、合計6セットを1ステージとして、2ステージを2日間にわたって行います。
25mピストル
女子選手のみが参加する、立った状態で25m先の標的を片手で撃つ競技です。5分間に5発の「精密射撃」と、3秒間に1発の「速射射撃」の2つを合計60発行います。精密射撃と速射射撃の組み合わせで、得意な射撃でリードし、不得意な射撃で失点を抑えるかが試合の見どころです。
上記の個人種目以外に、東京2020大会から「混合10mエアピストル団体」「混合10mエアライフル団体」の2つの団体種目が実施されています。
日本はヘルシンキ1952大会から出場しており、これまでにロサンゼルス1984大会で蒲池猛夫選手(男子ラピッド・ファイア・ピストル)が獲得した1個の金メダルを含む5つのメダルを獲得しています。バルセロナ1992大会以降メダルからは遠ざかっておりますが、東京2020大会で吉岡大選手(男子25mラピッドファイアピストル個人)が8位入賞を果たし、7大会ぶりの日本人選手の入賞となりました。
■日本チームの有力選手
岡田直也(ALSOK):ライフル
リオデジャネイロ2016、東京2020大会に続き3回目連続出場。2023年はワールドカップファイナルでエアライフル本選1位通過という、まさに世界のトップ選手。50m三姿勢も2024アジア選手権で本選日本記録595点をマーク。世界のトップシューターです。
吉岡大(京都府警察):ピストル
2023世界選手権4位で出場権を獲得。ラピッドファイアピストルは、8秒射・6秒射・4秒射で5発×2回を撃つ種目。これを2セット行います。吉岡は早打ちのなかでもさらに4秒射が得意の選手。世界の中でもトップレベルの吉岡の早打ち射撃を楽しんでください。
野畑美咲(明治大学):ライフル
初出場選手。2024年ワールドカップではエアライフル本選日本記録でファイナル出場を2回経験。1時間15分の試合時間のなかで、約35分で60発を撃ち終わる早いルーティーンの選手。岡田選手とのエアライフルミックスチームイベントにも期待です。
競技初回実施大会 | アテネ1896大会 |
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TEAM JAPAN初出場大会 | ヘルシンキ1952大会 |
競技別累計メダル数 |
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2024年1月1日時点
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