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アテネ2004


スペシャルコラム

オリンピックで戦うということ

青島健太さん

バルセロナで銀、アトランタで銅、オリンピックで2つのメダルを獲った有森裕子さんが言った。
「マラソンはスタートラインについた時に、もうすでに順位は決まっているんです」
また、アテネオリンピックサッカー日本代表を率いる山本昌邦監督は、ゲームの行方をこう表現する。
「すべては準備が決める」
2人の言っていることは同じことだろう。良い結果は良い準備が連れてくる。
オリンピックでの成績は、アテネでの頑張りはもちろんのこと、これまでにどんな準備をして、どんな取り組み方をしてきたのかによってもたらされるものだ、というわけである。

競泳日本代表の上野宏治監督は言った。「シドニーオリンピックでの男子の不振。その反省の上に立って、この4年間アテネへの準備を進めてきました。その中で答えを出してくれたのが北島康介なわけで、そのポイントゲッターの北島を中心に、我々は日本チームとして全員でこのアテネを戦おうと思っています」
個人競技である競泳をチームで戦うという考え方も、シドニーの教訓から生まれた準備だった。チームとして全員でコミュニケーションを取り合うことで、一人の体験をみんなで共有することができる。喜びも重圧もみんなで分かち合うことによって、喜びは増幅し、プレッシャーは軽減する。また、他の人の技術論や練習方法も良いものはどんどん取り入れることができる。
競泳陣の戦いも、この4年間の集大成が披露されることになるのだ。
アテネでの戦いは、その瞬間だけのものではない。それはむしろ準備対準備の戦い。ここまでのプロセスの充実が試される。
オリンピックの戦いで問われているのは、彼らがこの4年間どんな日々を送ってきたのかということなのだ。

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