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TEAM JAPAN DIARY

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2011年3月

2011/03/28

東日本大震災:被災地支援のJOC医療チームが出発

東日本大震災の被災地支援に向けて編成したJOCの医療チームが28日、岩手県大船渡市に向けて出発しました。医療チームは、岩手県大船渡市を拠点に、同市や陸前高田市の病院や避難所への往診を行う予定です。

Pkg113280017 ワゴン車で出発する医療チーム

 

第一陣となる医療チームは、JOC情報・医・科学専門委員会委員の増島篤氏(整形外科)、医学サポート部会長の赤間高雄氏(内科)、同部会員の難波聡氏(産婦人科)の3名のドクター、理学療法士の菅原一博氏、JOCの事務職員2名の計6名で結成。まずは4日間の行程で医療支援を行うとともに、現地で必要な医療や物資の調査を行い、JOCからの医療支援内容を明確にする。今後、約1ヶ月間にわたり約4日間の交代により、第二陣以降の医療チームを派遣する予定で準備を進めています。

 

第一陣の医療チームは28日の早朝、出発。味の素ナショナルトレーニングセンターでトレーニングしている約100名の選手、スタッフらが見送りました。増島氏は、「オリンピックやアジア大会で培った医学サポートを生かし、被災した方々に少しでも役立つよう全力で支援したいと思います」とあいさつ。市原則之JOC専務理事は「どういうニーズが現地にあるのか把握してきていただきたいと思います。行政の届かない所をサポートできるよう頑張って下さい」と話し、医療チームを送り出しました。

Pkg113280039 見送りに駆けつけた選手ら

Pkg113280091 医療チームを市原専務理事が激励

(写真提供:フォート・キシモト)

2011/03/23

第1回NFキャリア担当者会議:「JOCキャリアアカデミー」と「アスナビ」の活動を報告

JOCのキャリア事業のさらなる活性化に向けて各競技団体(NF)のキャリア担当者と情報共有を図ろうと、JOCは3月11日、「平成22年度 第1回NFキャリア担当者会議」を約40名の担当者が出席し開催し、今後NF担当者が担う業務の確認などを行いました。

Img_7135 「JOCキャリアアカデミー」と「アスナビ」の担当者ら

 

JOCでは、2008年より味の素ナショナルトレーニングセンターを拠点に行っている「JOCキャリアアカデミー」事業と、2010年に開始したトップアスリートの就職支援ナビゲーションシステム「アスナビ」の2事業を、キャリア関連事業として進めています。今回は、それらの活動状況を各NFのキャリア担当者と共有し、事業を有効活用するための業務を確認するのが目的です。

「JOCキャリアアカデミー」については、八田茂ディレクターが説明しました。現役時代から先々のキャリアについて考える機会を持たせる「キャリアアカデミーガイダンス」や、インタビュー対応力などの人間力を磨く「スキルアップセミナー」、自ら考え行動する力を付けさせる「ジュニア向けセミナー」などの事業を報告。さらにキャリアカウンセラーによる個別カウンセリングも実施していることを話し、各NFからの積極的な利用を呼びかけました。

また「アスナビ」については、JOCゴールドプラン委員会/スポーツ将来構想プロジェクトの指導者・選手環境整備ワーキンググループの荒木田裕子チーフ(JOC理事)が報告。トップアスリートと企業が雇用関係を結ぶことで、選手にとっては安定した練習環境が確保でき、企業にとっては社員の一体感醸成や社会貢献活動に繋がるなど、双方にとってメリットがある関係を目指している事業内容を説明しました。その上で、2010年10月には経済同友会で、2011年2月には東京商工会議所で、それぞれ説明会を実施し、すでに4名が企業と雇用契約を結んだことを紹介しました。

荒木田チーフは、「今後ものこのような活動を続けて全国展開をし、オリンピックを目指すアスリートが競技に集中できるような環境を作りたいと思います。この事業を進めていくうえで、選手の成績も大切ですが、人間力のある社会人としてしっかりした考えを持てる選手を巣立たせていくことは、競技団体の皆さんのご協力がないと出来ません。ぜひ共に事業を進めていきましょう」と呼びかけました。

 Img_7136 NFのキャリア担当者ら

2011/03/15

ロンドンオリンピックまであと500日、市内には巨大カウントダウン時計が登場

来年7月27日に開幕するロンドンオリンピックまであと500日を3月15日に迎え、開会式までの時間を示す巨大なカウントダウン時計が、ロンドン中心部のトラファルガー広場に設置されました。
Aflo_owdc521807 カウントダウンクロックが登場(アフロスポーツ)

時計は、ロンドンオリンピックのオフィシャルタイムキーパーを担うオメガ社が製作。デジタル表示で、高さ6.5m、幅5m、重さ約4tの巨大な時計です。式典にはロンドン市のジョンソン市長や英国のトップアスリートらが出席し、ジョンソン市長は「カウントダウンがたった今始まった」と話しました。

いよいよチームジャパンの戦いも、500日のカウントダウンが始まりました。応援よろしくお願いいたします。

2011/03/01

JOCの就職支援「アスナビ」:東京商工会議所で114社に対し、6名の選手が実情を説明

2月25日、JOCが進めているトップアスリートの就職支援ナビゲーション「アスナビ」の事業として、ロンドンオリンピック・ソチ冬季オリンピックを目指す選手6名が、114社146名の企業役員等の前で、就職先を見つけられない状況を説明し、それぞれが企業のために貢献できることを話した上で、支援を求めました。

市原則之JOC専務理事は「トップアスリートの活躍は国民、特に子どもたちに大きな夢や希望を与えてくれます。一方で、トップアスリートでもなかなか就職できず将来の生活に対する不安を抱えているのが現状です。JOCとしては、選手たちの雇用をサポートしていかなければならないと考えております」と、アスナビを始めた経緯を説明。荒木田裕子JOC理事は「日本のトップスポーツは企業に支えられてきましたが、バブル経済の崩壊後、企業のスポーツに対するニーズが変化し、スポーツを企業理念と結びつけ強化に取組む企業と、休廃部により撤退に向かう企業の二極化が進んでいます。結果、多くの選手が職や支援を失い、競技生活を断念、または就職活動との同時進行を余儀なくされ十分な練習時間の確保に苦労しています。今日は、『アスナビ』で雇用が決定した選手1名と、就職先を探している選手5名が集まっており、アスリートの生の声を聞いていただきたいと思います。また就職支援を希望する18競技団体33名の選手の資料も配布しました」と、支援を求めました。

Aflo1035_110225_0007 Aflo1035_110225_0085 あいさつする市原専務理事(左)と荒木田理事

登壇した選手は6名。キッコーマン株式会社に内定している竹下百合子選手(カヌー/スラローム)は「就職が不安で練習に集中できない時期もありましたが、今回キッコーマンに内定したことで、競技に打ち込めるようになりました。結果を残すことが恩返しになると思って頑張ります。たくさんの選手が支援を待っているので、そのモデルになれるよう頑張りたいと思います。ご支援ありがとうございます」と、感謝の気持ちを述べました。

Aflo1035_110225_0028 竹下百合子選手

残る5名は、就職先を求めての自己紹介。114社の企業役員等を前に緊張しながらも、それぞれの思いを語りました。

■家根谷依里選手(スキー/スノーボード・アルペン)
「冬の競技は海外での練習など資金繰りが難しく、私自身は配膳のアルバイトをしながら競技を続けてきました。次のオリンピックでメダルを獲得するためには集中して練習する環境が必要だと考えています。もしご支援いただければ、企業の方にメリットを感じていただけるよう、責任と自覚を持って目標達成に向けて頑張ります」

Aflo1035_110225_0030 家根谷依里選手

■上山容弘選手(体操/トランポリン)
「競技を通して、自分自身と向き合い、目標を達成するためのプロセスを学びました。それが北京オリンピック出場や世界選手権個人総合男子で4回連続メダルを獲得し世界新記録樹立に繋がったと思います。これまで、子どもたちを対象にしたトランポリン教室や小学校での講演会などスポーツの振興やトランポリンの普及に関わってきました。支援いただいた企業でも社会貢献活動に協力していきたいと思います」

Aflo1035_110225_0034 上山容弘選手

■朝日健太郎選手(バレーボール/ビーチバレー)
「6人制バレーの時はサントリーにお世話になりました。この経済状況が悪い時代に私たちが企業のために出来ることは、社会を元気にさせることです。皆様方は『企業活動が社会を豊にする』という理念で活動されていると思いますが、スポーツを通じて社会を元気にする気持ちで、選手を応援していただければと思います」

Aflo1035_110225_0042 朝日健太郎選手

■森ゆかり選手(ライフル射撃/ピストル)
「ピストル競技には自衛官の時代に出会いました。結婚して主婦に専念しようと考えましたが競技熱を冷ますことが出来ず、就職しないまま復帰しました。2010年の世界選手権で4位となりロンドンオリンピックに内定しています。メダル獲得のために、不安要素のない環境で競技に専念できればあり難いです」

Aflo1035_110225_0067_2 森ゆかり選手

■武田奈也選手(スケート/フィギュアスケート) 
「いまフィギュアスケートは人気があり、スケート場を個人貸切するか海外に行かないと練習ができないのが現状です。早稲田大学卒業後も、ソチ冬季オリンピックや世界選手権出場を目指し競技を続けたいと思っているので、ご支援よろしくお願いいたします」

Aflo1035_110225_0072 武田奈也選手

東京商工会議所の岡村正会頭からは「詳細な契約形態などは、どのようなものを希望されていますか」と質問があり、荒木田理事が「オリンピックまでは毎日の出勤は難しく、練習に集中できればと思います。またスポーンサードではなく、引退後も雇用を継続し、選手が企業に貢献していく雇用関係を望んでおります」と説明しました。

この「アスナビ」では昨年10月14日に経済同友会に協力を仰ぎ、43社に対する説明会を開催。それを受けて、水泳/競泳の古賀淳也選手が「第一三共株式会社」と雇用契約を締結、水泳/競泳の上田春佳選手とカヌーの竹下百合子選手が「キッコーマン株式会社」に、フェンシグの下大川綾華選手が「テクマトリックス株式会社」にそれぞれ内定をいただいています。

「アスナビ」は、JOCゴールドプラン委員会/スポーツ将来構想プロジェクトの「指導者・選手の環境整備ワーキンググループ」を中心に進めてきた就職支援プロジェクト。JOCは今後も、企業と選手のマッチングを行うべく「アスナビ」による支援を行っていきます。

(写真提供:アフロスポーツ)