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TEAM JAPAN DIARY

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2010/11/21

バドミントン、イケシオは課題が見つかるベスト16

文・折山淑美
 

 

バドミントン混合ダブルス1回戦で、インドペアを破って18日の2回戦へ進んだ池田信太郎選手・潮田玲子選手ペアの対戦相手は、中国の張楠選手・趙蕓蕾選手ペアだった。今大会の第8シードだが、9月のヨネックスオープン・ジャパンで優勝しているペア。苦戦が予想された。

 

だが第1ゲームは9対11とリードされた後、3点連取して12対11に。同点に追いつかれてからも6点を連取し、21対17で制する好スタート。序盤こそ相手のミスに助けられての接戦だったが、後半は潮田選手が課題だったネット前でも積極的に手を出して得点を重ねた。

 

「前回やった時も簡単に負けたわけではないので、相手も気合いが入って、多少はプレッシャーも感じてたようだから思い切っていけました。前の時はどこまで出来るのかと思って半信半疑だったけど、今回は絶対に勝つぞという気持ちでいけました」と潮田選手が言うように、気持ちで負けなかったことが幸いした。

 

しかし風下のコートになった第2ゲームは、アッサリと12対21で取り返されてタイに。出だしで先手を取ったファイナルも、62から連続ポイントを取られて逆転されると、競り合いこそすれ追いかけるだけの展開に。17対21で突き放され、大舞台での快挙はならなかった。

 

「ドイツでやった時は2ゲーム目は競ったけど、ラリーは押されていました。でも今回は互角にできたし、向こうが焦っているのもわかったから。ファイナルは2点くらいリードされて終盤に入ったけれど、そこで少しでも(得点を)取って追いついていれば結果も変わったかなと思いますね。ただ、17〜18点取って追いつかないという、同じ形で負けてることは反省しないといけませんね」と池田選手は話す。

 

混合ダブルス転向以来、どちらかが怪我をすることも多くなかなか足並みがそろわなかったイケシオだが、ここ2カ月くらいはいいプレーが続いて手ごたえも感じているという。「最近は簡単には負けなくなったし、良くなってきたことをすごく感じています。今回も、相手が落としてきた球を落とし返してラリーにした時は得点できたから。そういうのを繰り返して攻撃の形をもっと作れれば、勝てるようになると思います」と潮田選手は笑顔を見せる。そして池田選手も、「潮田もだいぶミックスの動きが分かって来て、僕も潮田が動いた後の穴を埋めるような動きができるようになってきたと思います。サーブ周りからやレシーブからのポイントも増えてきたと思いますね。後はふたりとも、ディフェンスからの攻めをもっと研究していかなければいけないと思います」と、これからの課題を口にする。

 

中国勢がスーパーシリーズを休んでアジア大会1本に狙いを絞っていたのに対し、ふたりは9月のジャパンオープンの後は日本リーグに出場し、10月19日から31日まではオランダオープンとデンマークオープンにも出場していた。疲労も溜まっている状態で臨んだこの大会だったが、2回戦(ベスト16)で敗退したとはいえ、結果以上の手応えを得たのだ。

 Tr2010111800696 混合ダブルスで戦う潮田選手(左)と池田選手(共同)

 

開会式では日本選手団の旗手を務めた潮田選手。前回のドーハ大会に続く、パートナーを変えての連続メダル獲得はならなかった。だが同じ日の夜、そのメダルへの思いを受け継いだのが、かつて所属した三洋電機でチームメイトだった女子シングルスの廣瀬英理子選手だった。準々決勝でワン・ミーチュー選手(マレーシア)を20で下して準決勝へ進出。銅メダル以上を確定したのだ。

 

「大会前に熱を出して調子が悪くて団体では申し訳ない結果になったが、第1ゲームの後半の競り合いの中でようやく自分の動きが出てきてそれが第2ゲームにつながった。アジア大会は自分の中でも4年に一度の大事な大会。そこでメダルが獲れてうれしい」と素直に喜んだ。

 

翌19日の準決勝は世界ランキング1位の汪鑫(ワン・シン)選手(中国)との対戦だった。過去2戦は負けているが、9月のジャパンオープンではファイナルゲームにもつれ込んだ相手だった。しかし1ゲーム目は調子が上がらないうちに相手の早い動きに翻弄され、7対21で落とす。2ゲーム目は36と先行された場面で、微妙なジャッジで相手に得点が入る不運もあったが、そこから気持ちが燃えて動きを取り戻し、87と逆転する底力も見せた。だが最後、15対21で敗退した。

 

「相手は攻めも守りもいいので、自分がつかまってしまうとプレーをしにくくなるから、上手く駆け引きをしたかったが出来なかった。途中からカットにも反応できるようなったけど、動ききれなかったのが悔しい」

 

広瀬選手は今季、世界女王の王淋選手(中国)や世界選手権時点では世界ランキング1位だった王(ワン・イーハン)選手(中国)を破るなど、中国の大物選手食いを複数回している。この大会ではそれを果たせなかったものの、「このメダルはロンドン(オリンピック)ヘ向けての大きな自信になる」と、表情を和らげた。

 Tr2010111800890 準々決勝で勝ち喜ぶ廣瀬選手(共同)

 


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