2010/09/02
シンクロ 選手主導の新チームで広州・アジア大会へ
シンクロナイズドスイミングの日本代表チームが、9月のワールドカップと11月の広州・アジア大会に向けた、チームのテクニカルルーティン(TR)やコンビネーションの演技を報道陣を前に披露しました。
■広州・アジア大会新種目 コンビネーションに注力
今年のアジア大会で注力しているひとつが、コンビネーション。2003年の世界選手権から導入された種目で、ソロ、デュエット、チーム、トリオなど編成を変えながら自由に演技するものです。将来的にオリンピック種目に導入する潮流のなか、今年のアジア大会で新種目に加わりました。日本代表チームは、ミュージカル『オペラ座の怪人』を選曲。クリスティーヌと怪人による愛の掛け合いのシーンを盛り込むなど、ストーリー性のある構成に仕上がっています。
また、チームのテクニカルルーティン(TR)は、三味線で奏でる和風ロックのプログラム『大和(やまと)』。選手がデザインを考えたという紫、緑、白の幾何学模様の衣装を作製しました。花牟礼雅美ヘッドコーチは「全編テンポよくいける曲を選びました。和風の雰囲気が入っているいい曲だと思います」と手ごたえを感じている様子です。チームのフリールーティン(FR)は映画『レッドクリフ』のテーマ曲で、こちらは「戦い」をテーマに、赤をイメージしたメイクと衣装で挑みます。
小林千紗主将は「イメージしやすいテーマにしたことで、気持ちも入っています。まだ高さが足りないのが課題ですが、頑張りたいです」と、気持ちを高めていました。
■選手主導の新チームで世界を目指す
北京オリンピックで逃したメダルの奪還を誓い、シンクロの日本代表チームは今年5月に世代交代を行いました。毎朝8時から1日12時間の練習をこなしている選手たち。乾友紀子選手は「どの国でもやっていることなので、強い気持ちで耐えていきます。試合で思い切りできるように練習して、本番に臨みたいです」と意欲的です。
新チームの特徴は、コーチが一方的に指導するのではなく、選手主導で進める練習スタイル。振り付けや衣装などのアイデアを選手が提案していきます。「『オペラ座の怪人』のプログラムでは、マスクをかぶるなどの振り付けを取り入れたり、VTRを見ながらこうしよう、ああしようと話し合いながら練習しています」と乾選手。花牟礼ヘッドコーチも「コンビネーションの『大和』では手を扇にする動作を選手が考案するなど、話し合いながら選手が作っていく感じにしています」と話します。
新チームは5月の日本選手権後に結成。2012年のロンドンオリンピックを見据え、世界の大型化の潮流に乗ろうと、身長165cm以上の選手を中心に集めました。水面から出る体積が技術点の評価に影響する傾向があるため、長身の選手によるダイナミックな演技が必要と判断したそうです。
実際、この日に公開された練習でも、長身の選手による迫力ある若々しい演技が見所となりました。花牟礼ヘッドコーチも「身体が大きくなった分、迫力はあります。ウエイトトレーニングも毎日練習前に行うようになりました。まだまだ鋭さや確実性、技術が足りないけれど、エネルギッシュな若さを失わないようにしていきたいですね」と評価。小林主将は「自分たちが考えた振り付けなので、思い入れも強いですね。チームを引っ張っていくと言う意識より、自分が世界のレベルに近づけば自然にみんなのレベルも上がると思います」と話し、ワールドカップそして広州・アジア大会での活躍を誓いました。
新しいマーメイド・ジャパンの活躍に注目です!
(写真:アフロスポーツ)