2010/08/23
女子自転車競技、人材発掘の合宿がスタート!
2012年のロンドンオリンピックから新種目として加わった自転車競技女子ケイリンなどの有望選手を発掘しようと、日本自転車競技連盟とJKAは、人材発掘合宿「ガールズ・サマー・キャンプ」を伊豆・修善寺の日本競輪学校で実施しました。
左から橋本聖子JOC理事、田畑真紀選手、渡邉ゆかり選手、岡崎朋美選手
■自転車未経験者など92名が応募、63名が合宿参加
同連盟によると、トラック種目では女子選手の活躍の機会が少なく、選手層も薄い状態。ロンドンオリンピックで新種目が加わることを機会に、自転車競技未経験者も含め、2016年のリオオリンピックも視野に中学生まで選考枠を広げて公募を行い、逸材を見出すことになりました。
公募の結果、トライアスロン、一輪車、陸上競技など様々な経験の選手92名から応募があり、書類選考を通過した63名が合宿に参加。バンクーバー冬季オリンピックで銀メダルを獲得した、スピードスケートの田畑真紀選手の姿もありました。将来性が認められた選手は、連盟の強化選手に指定され、国際大会やオリンピックを目指すことになります。
■橋本聖子JOC理事「この合宿をステップに」
8月16日に行われた開講式では、JKAの下重暁子会長が「日本は競輪発祥の国。ロンドンオリンピックから加わる女子ケイリンでも活躍してほしいです。みなさんはこの合宿で少しでも記録を伸ばし、これから先に繋げていただきたいと思います」とあいさつ。橋本聖子JOC理事は「オリンピックの自転車競技に3回出させていただき、その時、練習のベースにしていたのがこの競輪学校でした。みなさんは強い希望と高い目標を抱いて、この合宿をステップにして下さい。応援しています」と激励しました。またスピードスケートの岡崎朋美選手も、妊娠5カ月の身体ながら駆けつけ、「自転車にチャレンジしたい時期もありましたがタイミングが合わず、私は挑戦できませんでした。ここに来られた皆さんは自分がラッキーだと思って、諦めない気持ちを持って頑張ってください」と話しました。
■田畑真紀選手「大きな変化を求めて」
合宿に参加したスピードスケートの田畑選手は、2014年のソチ冬季オリンピックを最終目標に据えながら、その過程として2012年のロンドンオリンピック自転車競技出場を目指します。田畑選手は「バンクーバー(大会)が終わってから、もうスケートで試せる変化はすべて試してきたので、さらに伸ばして世界のトップに行くには、もう大きく変えるしかないと感じました。自転車を本格的にやることでスケートに繋がればと思っています」と、新たな改革に挑戦していることを話しました。
■世界最新の測定器で、潜在能力を計測
63名の選手は、トラックでの練習のほか、フォームや筋肉量をチェックする計測、ウエイト理論の座学など、充実したプログラムを6日間に渡って体験しました。
なかでも体力測定を行う「自転車シュミレーター」は、世界最先端の測定器です。このシュミレーターは、屋外のバンクを走る時と同じように、体重による加速や空気抵抗などが計算され、ペダルへの負荷が調整される仕組みになっています。そしてトップスピードに達する時間や、速度低減率、平均速度などを図ることで、フォームの安定しない初心者でも、体力面の潜在能力を測ることが可能となっています。
参加した63名の選手は、将来のオリンピック出場を目指し、目を輝かせながらプログラムに取り組んでいました。憧れの存在である橋本さんや岡崎選手の激励も、パワーを倍増させた様子。一人でも多くのオリンピック選手、そしてメダリストがこの中から生まれることを期待したいですね。