2010/02/23
ジャンプ団体、アンカー葛西が140mの大飛躍で5位入賞
ジャンプの最終種目となるラージヒル団体が22日、ウィスラーのオリンピックパークで開かれました。日本は、伊東大貴、竹内択、栃本翔平、葛西紀明の4選手が出場。全選手が、1本目よりも2本目で飛距離を伸ばすチームワークで、5位入賞となりました。
ジャンプ競技は、着地地点を囲むように観客が下から選手を見守ります。山の上から飛び立った選手が、だんだん自分のほうに近づいてきて、目の前でバーンッと音を立てて着地! 着地した時のスピードは時速93〜95kmですから、ものすごい勢いで走り去っていきます。ジャンプという名の通り“飛ぶ”競技ですが、見た目は、猛スピードで落下してくるといった感じです。選手と山が一体化する雄大さが見所でしょう。
試合会場となったオリンピックパークは、バンクーバーからバスを乗り継ぎ約4時間。決して気軽に応援に来られる場所ではありませんが、なんとたくさんの日の丸が会場のあちこちで揺れています。ジャンプ台の上から観客を見渡す選手からも、きっとその日の丸は白い雪山に映えていたはずです。
日本は、1本目で伊東、竹内、栃本の3選手とも120m台と振るわず、葛西選手のみが133.5mでアンカーの役目を果たします。オーストリア、ドイツが一歩リードし、ノルウェー、フィンランドに続き日本は5位。3位争いに加わっての折り返し。葛西選手の130m超のジャンプには、海外のファンからも「ヒュー」と口笛が鳴りました。
2本目は、4人それぞれの男気を見せました。伊東選手は133.5m、竹内選手は129.5m、栃本選手は132mと、1本目より距離を伸ばし、アンカーの葛西選手につなぎます。09年2月のノルディックスキー世界選手権ジャンプ団体で3位となった結束力がよみがえります。最終ジャンパーの葛西選手が飛ぶ時点で、3位に20.7点差の864.2点で、5位。葛西選手が140m台、3、4位の国が130m程度に留まれば、逆転の3位もありうるという状況でした。
そして37歳、葛西選手が見せたのは、140mの大ジャンプ。総合1007.7点と1000点台に乗せ、メダルへの夢をつなぎます。しかし、3、4位のフィンランドとノルウェーも健闘し、日本は5位に留まりました。葛西選手の140mはこの日、全選手のなかで3位となる大ジャンプ。「カミカゼ・カサイ」の意地を見せました。
惜しくも5位となった日本。しかし大きなミスなく4人がまとまった結果ともいえるでしょう。24歳の伊東、22歳の竹内、20歳の栃本の若手3選手は、いまなお世界と肩を並べる37歳の葛西選手の活躍に、何かを感じ取りソチオリンピックへとつなげてほしいと願ってやみません。(JOC広報チーム)