写真:代表撮影/ロイター/アフロ
スポーツクライミングには、同じ条件で設置された高さ15mの壁を2人の選手が同時に登り速さを競う「スピード」、高さ5メートル以下の壁に設定された複数のボルダー(コース)を、制限時間内にいくつ登れたかを競う「ボルダー」、制限時間内に高さ12m以上の壁のどの地点まで登れるかを競う「リード」の3種目があります。スポーツクライミングが初めて実施された東京2020大会では、スピード・ボルダー・リードの3つによる複合種目として男女2種目が実施されました。パリ2024大会でも引き続きスポーツクライミングが実施されますが、東京2020大会とは異なり、単独種目としての「スピード」と「ボルダー&リード」の複合種目がそれぞれ男女で行われます。
毎大会同じ条件で、高さ15mかつ95度に前傾した壁に設定された同一の2つのルートを、2人の選手が隣り合わせで登り、速さを競うスプリント種目です。勝ち抜き方式で行われ、2人の瞬発力がぶつかり合う様子が試合展開となります。フライングは即失格となります。世界記録は、男子では4.79、女子で6秒24(2024年7月時点)。想像以上の速さにきっと驚くことでしょう。
高さ5メートル以下の壁に設定された複数のボルダー(コース)を制限時間内にいくつ登れたかを競う競技です。課題のトップ(最上部)のホールドを両手で確実に保持すれば、その課題はクリア(完登)となります。各課題には制限時間があり、時間内であれば何度でもトライできます。ホールドの大きさは指先しかかからないものから、両手でも抱えきれないものまでさまざまです。そのため、選手は体だけでなく柔軟性も駆使し、頭脳と手足を巧みに使って驚きの姿勢で課題に挑みます。
高さ12m以上の壁に設定されたクライミングルートを6分以内にどこまで登るか競う競技です。選手は安全のために、ロープをクイックドロー(ロープを引っ掛ける器具)に取り付けながら登り、トップのクイックドローにロープを取り付けると「完登」となります。途中で落ちた場合はその地点が記録となり、再トライは認められません。なお、ボルダーとリードでは基本的に他の選手のトライを観戦することはできません。競技前の選手は隔離され、競技が始まる直前に「オブザベーション」を行い、課題やルートを確認することができます。オブザベーションでは、選手同士で相談することも可能です。
楢󠄀﨑 智亜(ならさき ともあ)
第32回オリンピック競技大会(2020/東京)4位。※スピード・ボルダー・リードの複合
リード・ボルダーともに競技力の高い選手で、国際大会で優勝・表彰台に乗る実力を持ちます。長きにわたり日本の競技力を牽引しています。
安楽 宙斗(あんらく そらと)
第19回アジア競技大会(2022/杭州)優勝。
昨年初出場のワールドカップにおいて、ボルダーとリードの2種目で年間ランキング1位を獲得。史上初の快挙を果たしました。
森 秋彩(もり あい)
第19回アジア競技大会(2022/杭州)優勝。
リードの競技力が非常に高く、リードジャパンカップでは5連覇中。
ボルダー&リードにおいても、国際大会・国内大会の優勝の実績があります。
野中 生萌(のなか みほう)
第32回オリンピック競技大会(2020/東京)銀メダル。※スピード・ボルダー・リードの複合
ボルダーでのダイナミックな登りが魅力。ボルダーの競技力はもちろん、近年はリードの競技力も上がり、リードワールドカップでも決勝に残っています。
競技初回実施大会 | 東京2020大会 |
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TEAM JAPAN初出場大会 | 東京2020大会 |
競技別累計メダル数 |
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2024年8月21日時点
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