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2025.10.30 キャリア支援

JOCの就職支援「アスナビ」:8月27日企業説明会を実施

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登壇してプレゼンを行ったアスリートたち(写真:フォート・キシモト)

 公益財団法人日本オリンピック委員会(JOC)は8月27日、味の素ナショナルトレーニングセンターウエストで、トップアスリートの就職支援ナビゲーション「アスナビ」の説明会を行いました。

 アスナビは、アスリートの生活環境を安定させ、競技活動に専念できる環境を整えるために、アスリートと企業をマッチングする無料職業紹介事業です。年間を通じて「説明会」を複数回実施し、企業に対してトップアスリートの就職支援を呼びかけています。2010年から各地域の経済団体、教育関係機関に向けて本活動の説明会を行い、これまで238社/団体431名(2025年8月27日時点)の採用が決まりました。今回の説明会ではJOC主催のもと、11社15名が参加しました。

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星香里JOC常務理事(写真:フォート・キシモト)

 最初に主催者を代表して星香里JOC常務理事がアスナビ説明会に参加した企業に対する感謝の言葉を述べました。続いて、アスリートを取り巻く経済的な環境整備について触れ、「トップアスリートとして活躍するには、練習場や宿泊施設といったハード面だけでなく、社会人として経済的に安心して競技に打ち込める環境が不可欠です。アスリートは、誰かに応援されることで限界を超える力を発揮することがよくあります。応援されているアスリートはもちろんですが、応援している皆さんもすごく楽しそうで、幸せそうに見えます。ここにスポーツの価値があると考えています。企業の皆様もその姿から力をもらい、組織の一体感が高まるという好循環が生まれます。これからプレゼンを行うアスリートたちは、試合以上に緊張しているかもしれませんが、皆様とお会いできるのを楽しみに一生懸命準備してきましたので、最後までどうぞよろしくお願いいたします」と挨拶しました。

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柴真樹JOCキャリアアカデミー事業ディレクター(写真:フォート・キシモト)

 続いて、柴真樹JOCキャリアアカデミー事業ディレクターがアスナビの概要を、スライド資料をもとに紹介。アスナビが無料職業紹介事業であることや登録するトップアスリートの概略のほか、就職実績、雇用条件、採用のポイント、アスリート活用のポイント、カスタマーサポートなどを説明しました。

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株式会社市進ホールディングス統括本部副本部長兼人事部部長の和氣昌之氏(写真:フォート・キシモト)

 続いて、これまでにアスナビを通じて3名の採用を行った、株式会社市進ホールディングス統括本部副本部長兼人事部部長の和氣昌之氏による採用事例紹介が行われました。はじめに企業説明を行った後、昨年アスナビを通じて採用を行った佐藤姫夏選手(トライアスロン)の社内における業務内容や勤務状況などを紹介し、同じく過去に採用を行った岩原知美選手(アイスホッケー)、藤井桜子選手(ビーチバレー)についても紹介しました。さらに、アスリートコラボ企画の実施内容や今後の課題について触れ、最後に和氣氏は「今日ご参加の企業の皆様も、そして選手の皆様も一緒のチームだと思っていますので、一緒に応援し、ぜひ活躍していただきたいと思っております」とメッセージを送りました。

 その後、就職希望アスリート8名がプレゼンテーションを実施。映像での競技紹介やスピーチで、自身をアピールしました。

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笠村雷選手(写真:フォート・キシモト)

■笠村雷選手(スキー/フリースタイル)

「私はこれまでの競技人生から学んだことが3つあります。それは試練を乗り越える力、課題解決に向かう力、新しいことへのチャレンジ精神です。私は小学校3年の時にフリースタイルスキーに出会いましたが、9歳の時に初めてオリンピック種目になり、そこからオリンピックを目指すようになりました。10歳の時に当時最年少で大技であるダブルコーク1080を成功させ、11歳で初めて海外遠征も経験しました。その後、中学2年、高校1年の時に前十字靭帯断裂という怪我をしてしまいました。その後は順調に回復し、ニュージーランドの大会で2位になりました。その結果が認められ、世界選手権に出場することができ、さらにFISUユニバーシティゲームズにおいてスロープスタイルで金メダルを獲得することができました。大学2年の時に反対側の前十字靭帯も断裂しましたが、1年間のリハビリを経て、復帰後はハルビン冬季アジア大会でスロープスタイル、ビッグエア共に金メダルを獲得し、FISヨーロッパカップではビッグエアで3位に輝くことができました。このように、私は3度の大怪我をしていますが、これらを乗り越え、競技と向き合い続けた結果、苦難や試練を乗り越える力を身につけました。これからもこの経験を糧に様々な試練を乗り越えていきます。次に、課題解決に向かう力についてです。私が取り組んでいる競技は、技の習得をするうえで様々な課題が見つかります。私はこの課題を乗り越えていく中で、ただ反復練習をするのではなく、一番重要な課題は何かを考え、それを解決するための練習方法を組み立て、実行するという練習方法を実施しています。また、このような練習方法を応用した他の選手や下の世代へのアドバイスやコーチングでは、高い評価を得ています。最後にチャレンジする力についてです。私は大技であるダブルコークを当時最年少の10歳で成功させました。しかし、この時はチャレンジというよりは、やらされていた感じに近かったと思います。競技歴を重ねるにつれ、自分で考えながら練習することが増え、積極的に様々な技にチャレンジしたいという気持ちが強くなってきました。新しい技にチャレンジするために、大会で出た技をチェックし、それを練習に取り入れていきました。結果的に、日本人では私にしかできない技もあります。競技以外にももっと様々なことにチャレンジしていきたいと考えています。もしご採用頂けた際には、3つの力を存分に発揮し、どんな仕事にも真剣に取り組み、仕事に関する課題解決を図り、加えて新たな取り組みにも挑戦できるような人材となりますので、何卒よろしくお願いします」

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岩本鈴菜選手(写真:フォート・キシモト)

■岩本鈴菜選手(フェンシング)

「私が今までの競技人生の中で大切にし継続してきたことは、静寂の中でも自分を出すことです。フェンシングという競技は、想像する以上に静かな空間で行われます。試合中、会場には張り詰めたような緊張感が漂い、観客、選手、そして審判でさえも、一瞬の動きを見逃さないように集中しています。その静寂の中で、私はただ技術を出し尽くすだけでなく、覚悟を全力でぶつけています。そして、自分らしさをアピールするために、声を出すことにより自分自身を鼓舞しています。自分の剣にこれまで積み重ねてきた努力や挫折、挑戦への思いを乗せ、ここだけは絶対に譲れないと強く訴えながら戦っています。1点を取るために、自分のすべてをかける。その積み重ねこそが、私のフェンシングです。私はこれまで、勝つことだけでなく、どう戦うかについても向き合ってきました。以前の私は、自分のやりたいように戦うだけで、相手を感じることを忘れていました。フェンシングが静寂の中での対話であると気づいたとき、私の戦い方が変わりました。相手の動作や呼吸の仕方、変化を観察し、心理を読んだうえで瞬時に判断し、自らの動きを変化させていく柔軟さをもって戦うようになりました。静寂の中で自分を出すことは、変化の激しいビジネスの世界でも活きると確信しています。自分の軸を持ち、常に環境に対応しながら最善の選択を重ねていく。それはまさに、私がフェンシングで培った力です。また、私は国際大会を通じて世界中の選手たちと戦い、多様な価値観に触れてきました。言葉も文化も異なる相手と向き合う経験は、競技力だけでなく人間としての器を広げてくれました。コミュニケーション力、異文化理解、そしてどんな環境にも適応する力は、これから社会で働く上でも必ず活かせると確信しています。特に2023年と2025年に参加したFISUワールドユニバーシティゲームズにおいて、通訳として他競技の選手と関係者の関係を築くことができたのは自分の中でも特別な経験となっています。私は、この静寂の中でも自分を出すという姿勢を競技の中だけで終わらせず、ビジネスの世界においても、目に見えない努力を惜しまず力強く結果を掴みにいきたいと考えています。そして、私が1点にすべてを懸けてきたように、社会の中でも本当に大切な1つにこだわれる人間でありたいと思います」

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川又玲瑛選手(写真:フォート・キシモト)

■川又玲瑛選手(スポーツクライミング)

「私は小学2年生からクライミングを始め、小学6年生で初めて全国大会で優勝しました。それ以降、高校2年生まで多くの大会で優勝を重ねることが出来ました。しかし、高校3年生の世界ユース選手権直前に怪我をしてしまい、目標としていた3連覇を達成することができず挫折しました。しかし、そこで諦めたくないという強い気持ちで練習に励み、翌年のワールドカップで銅メダルを獲得することができました。私の強みは、スポーツクライミング競技を通して身につけた課題解決力と忍耐力です。クライミングは個人競技であるため、課題に対して自分で解決する術を考えなければなりません。様々な情報や他者との議論から解決へ導くための方法を考えていく過程の中で、綿密にトレーニング等を計画して課題解決能力を身につけることができました。その力を活かし、自分に足りない部分を冷静に分析しながら効率的にトレーニングを行い、その結果初めてワールドカップで表彰台に立つことができました。2つ目の忍耐力は、競技活動で妥協せずに取り組むことで磨くことができました。私は、ワールドカップに出場した翌年の選考会で、課題のトレンドが大きく変わり、パルクールのような大きな動きになったことに対応出来ず、失敗してしまいました。その後も指の怪我や不調が続き、思うような結果が出ない時期が長くありました。しかし、そこで諦めず自分のトレーニングや生活を見直し、大学で筋力トレーニングを行ったり、納得がいくまで何度も試行錯誤したりしながらトレーニングに取り組みました。今では大きな動きを求められる課題も得意と言えるほどに成長し、自信を持って大会に臨むことができるようになりました。その結果、今年日本代表に復帰することができました。現在はロサンゼルス2028大会での優勝を目指し、トレーニングに励んでいます。今年度のジャパンカップで学んだ本番への調子の合わせ方や優位な状態でのメンタルの保ち方などを改善し、来年度はさらに良い成績を取れるように努力し、ワールドカップや世界選手権へ繋げたいと考えています。このように、私は競技生活を通じて課題解決力と妥協せずに忍耐強く取り組む力を身につけることができました。入社した際にはこれらの能力を活かしながらより一層成長し、自身の競技で最善を尽くすと共に、企業に貢献したいと考えております。競技と仕事どちらも真摯に向き合い、これまで得た経験や強みを活かしながら両立を目指します」

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柳本幸之介選手(写真:フォート・キシモト)

■柳本幸之介選手(水泳/競泳)

「私は、幼稚園からのバスがあったことから5歳でスイミングに通い始め、中学生まで競泳競技を行いました。より高みを目指し、高校入学の際に競泳競技に集中して取り組める環境を求め、郷里の佐賀県を離れて上京しました。また、中学生まで通っていたスイミングの先輩が日大豊山高等学校で活躍されていたこともあって、同校への入学を決意しました。入学してからは、知らない土地に足を踏み入れ、初めて出会う人達に囲まれる環境に身を置くことになりました。その状況の中、積極的にコミュニケーション取り、多くの人たちとの関係を築けるようになり、すぐに環境に慣れることができました。そのため、毎日の厳しい練習も楽しく乗り越えることができました。中学生までに体験したことのない厳しい練習をハードスケジュールの中で行っていましたが、その練習を乗り越えたことで、高校3年生の時に800mフリーリレーで東京2020大会に日本代表として出場することができました。しかし、大会本番では予選落ちとなり、思うような結果を出すことができませんでした。大学進学後、最初の1年間は学校練習を行っていましたが、指導者が変わり競技力が伸び悩む時期がありました。その時、学校練習を諦め、スイミングクラブへの移籍を決意しました。再び新しい環境に身を置くことになりましたが、私の強みである適応力ですぐに環境にも慣れ、成果を出すことができました。2023年のFISUユニバーシティゲームズでは、800mフリーリレーの第1泳者を任せられました。レースでは高タイムの1着で泳ぐことができ、チームを優勝に導くことができました。その次の年には、もう一度800mフリーリレーでパリ2024大会に選出されました。パリ2024大会では、東京2020大会とは違って決勝に残ることができ、7位入賞という結果を残すことができました。水泳を通じて、継続する大切さを学びました。厳しい練習の日々でしたが、その練習を乗り越えてオリンピックに2回出場する事が出来ました。この経験は、私にとってどのようなことでも粘り強く努力する大切さ教えてくれました。私はここまでの競泳競技の結果には満足しておらず、オリンピックに個人種目で出場しメダルを獲得することを私の最大の目標としております。そのために、競技力をさらに向上させなければなりませんし、人間としても成長していかなければなりません。 私は社会に身を置いても持ち前の適応能力で、仕事と競技を両立していくことができると思っております」

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菊地原小弥汰選手(写真:フォート・キシモト)

■菊地原小弥汰選手(スキー/スノーボード)

「小学5年生の頃、母とゲレンデを訪れたことがきっかけにスノーボードを始めました。初めはレジャー感覚でしたが、そこで出会ったコーチが非常に人柄の良い方で、どんな小さな成長や努力も肯定的に受け止め丁寧に褒めてくれました。その温かく前向きな指導に惹かれ、次第に遊びから競技へと気持ちが変わっていきました。中学2年生でプロ資格を取得し、高校2年生ではSAJ全日本スキー連盟ポイントランキングで1位を獲得。高校3年生でジュニアワールドカップにて4位入賞を果たし、大学3年生のときには冬季アジア大会で準優勝を成し遂げました。また、高校2年生から大学3年生までの5年間、全日本選手権において毎年入賞を続けてきたことも、自信につながっています。一方で、順調に見える競技人生にも大きな壁がありました。高校1年生の冬、アメリカ遠征直前に鎖骨を骨折し、当初は折れていないと願いましたが痛みが増していく中で現実を受け止めざるを得ず、遠征を諦めかけました。それでもリハビリに励み、最終的に遠征の後半から復帰できたことは、強い意志と行動力を育む大きなきっかけとなりました。さらに大学1年生の時には代表選考会中に転倒して全身打撲と脳震盪を負い、ドクターヘリで搬送されるほどの大怪我を負いました。日本代表から外れ先の見えない不安と悔しさに涙しましたが、仲間やコーチからの温かい励ましに支えられ、もう一度挑戦する覚悟が決まりました。努力を重ねた結果、翌年に代表復帰を果たすことができました。こうした経験を通じて、私は柔軟な思考力と誠実な対応力、そして限られた時間の中で成果を出す実行力を培いました。新しい技の習得には、動画分析で改善点を洗い出し、仲間やコーチの意見を積極的に取り入れ、短期間で成果に繋げる工夫をしてきました。また、競技部のない大学で学業との両立を実現するため、授業と遠征が重なる時には先生方に事前相談を行い、代替対応を丁寧に協議するなど、計画性と信頼関係の構築を欠かしませんでした。さらに合宿や大会では、年齢や立場の異なる選手たちと意見を出し合い、最適な答えを導く経験も多く積んできました。現在は、社会人として企業で価値を創出することを第一に考えています。これまで培ってきた思考力、実行力、そして周囲と協働する力を活かし、社会に貢献できる人材として成長していきたいと考えています」

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村上碧海選手(写真:フォート・キシモト)

■村上碧海選手(陸上競技)

「私がやり投げに出会ったのは高校1年生の時です。高校の先生に『肩の強さを活かして日本一になろう』と声をかけていただいたことがきっかけで、やり投げを始めました。現在はロサンゼルス2028大会でのメダル獲得を目指して練習に取り組んでいます。私がこれまでの競技人生で培ってきた強みは3つあります。1つ目は、継続力です。高校時代には往復4時間かかる通学を3年間続けながら、小学校から高校までの12年間無遅刻・無欠席の皆勤賞です。これは家族の支えがあったからこそ成し遂げられたことですが、同時に自身の忍耐力・継続力も育まれたと実感しています。2つ目は、考え抜き、実践する力です。大学2年時に持ち味であった肩を負傷しました。怪我の治療のため手術という選択肢もありましたが、全身の筋力強化や食事の見直し、徹底的なリハビリに取り組み、手術を回避して競技に復帰することができました。思い通りにいかないこともありましたが、諦めず今の自分にできることをやり続けたことが、復帰への力になったと思います。怪我の回復による身体的な復活はもちろんのこと、自分を見つめ直す時間にもなり、この経験を通じて精神的にも大きく成長できたと感じています。3つ目は、パワフルな明るさです。大学では投擲ブロックの女子主任も務めており、チームを常に引っ張ってきました。言葉で伝えること、行動でみせることはもちろんですが、練習での雰囲気をチームとしても私個人としても大切にしており、きつくて辛い日々の練習もパワフルに明るく乗り越え、目標に向かって突き進んできました。それは試合でも同じです。誰よりもその試合、その瞬間を私らしく楽しむことで本来の自分自身が持つ力を発揮することができると考えています。ご採用いただけましたら、陸上競技に真摯に取り組む姿勢で社内を盛り上げるきっかけとなりたいです。そして、私の強みである継続力と考え抜き実践する力、パワフルな明るさを最大限に活かし、競技と仕事の両立を図りながら自分自身を成長させ、企業の一員として貢献できるよう努めてまいります」

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和田拓実選手(写真:フォート・キシモト)

■和田拓実選手(スケート/ショートトラック)

「私はこれまで、ショートトラックで世界の舞台を目指し、挑戦を積み重ねてきました。5歳で競技を始め、小学4年で全国大会を制し、小学生のうちに全国優勝を経験しました。その後も国内外の大会で実績を重ね、確実にステップアップしてきました。しかし高校時代、ワールドカップ代表を目指していた最中にレース中の転倒によって両足を骨折してしまいました。右足は開放骨折、左足は複雑骨折という重傷で義足になる可能性もあり、2か月の入院生活と神経障害によって選手復帰は難しいと言われました。自分のキャリアだけでなく、当たり前だった生活さえ脅かされる状況に、言葉を失ったことを今でも覚えています。さらに、この怪我の期間はコロナ禍と重なっており、面会も許されず、退院後もチーム練習がなく、復帰のためのトレーニングもすべて1人で行いました。孤独な環境の中で自分を律し、目標に向け努力し続ける力が鍛えられました。同時に、これまで当たり前のようにあった家族や仲間の存在の大切さに気づき、人とのつながりがどれだけ自分を支えてくれていたかに深く気づかされる機会でもありました。退院後は、支えてくれた人たちに結果で恩返ししたい、もう一度自分に期待したいという強い思いから、1年間の緻密な目標設定を立て、毎朝のトレーニングと自己管理、栄養や身体の理解を深めながら、身体の再構築に向き合いました。最短で復帰することを目指すのではなく、長期的に競技を続けるために、いかにして身体の基盤を整えるかという視点を持ち、着実に実行していきました。その結果、1年半後に世界ジュニア代表に選出され、大学ではFISUワールドユニバーシティゲームズで入賞し、ワールドカップ代表にも選ばれ、自身の目標を次々と形にすることができました。今後も引き続き、オリンピックでのメダル獲得を目指し尽力していきます。この経験から得たことは、目標から逆算し、成果に向けて行動し続ける力と、困難においても自分を律し続ける自己管理力です。そして何より、結果は自分ひとりでは成し得ないこと、周囲とともに挑戦する姿勢が未来を切り開くことを学びました。競技で培ったこの力を、今後は社会人として最大限に活かし、組織の一員、アスリートとして価値を発揮したいと思います。目標達成力・行動力・逆境対応力に加え、周囲への感謝を成果として返す意識を強みに、企業の発展に貢献します。ご採用いただいた際には、自身の努力と成果で周囲に好影響を与え、企業全体を活気づけたいと思います」

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佐藤悠雅選手(写真:フォート・キシモト)

■佐藤悠雅選手(フェンシング)

「本日は、競技を始めたきっかけと競技を通して得た強み、今後の展望の3つをお話します。まず、競技を始めたきっかけについてです。男子フルーレ団体が銀メダルを獲得したロンドン2012大会での俊敏な剣先、高鳴るセンサーの音、画面越しでも伝わるスピードと緊張感を目の当たりにし、その瞬間私は心を奪われました。最初は習い事としてフルーレ種目を始めましたが、本格的に競技に向き合いたいと考えるようになった中学3年生の時にサーブル種目に出会い、人生が一変しました。競技映像でもご説明した通りのダイナミックな動きにコンマの世界で勝負が決まるまさに電光石火の競技。私が求めていたのは、このスリルと俊敏さでした。次に、競技を通して得た強みについてです。私が競技で磨いてきたのは、分析力・目標設定力・行動力の3つです。大学2年生の時、U20日本代表を目標に掲げていた私は、最終選考となるジュニアオリンピックカップを前に、十分な結果を残せず、崖っぷちに立たされました。そこで冷静に課題を分析し、課題点が戦術の整理不足とメンタルの不安定さであると特定しました。その解決のため、持ち前の行動力を活かし、人脈を辿り、私は単身で強豪国である韓国へ渡りました。英語と韓国語を交え、現地選手やコーチと交流する中で戦術のバリエーションを増やし、プレースタイルを再構築しました。さらにメンタル面では、大学での自身の専攻でもある心理学の知見を活かし、マインドフルネスを取り入れ、心の揺れを抑えました。その結果、ジュニアオリンピックカップで優勝、U20日本代表に内定し、その後のU20アジア選手権では個人8位入賞を果たしました。それに限らず、大会に向けたトレーニング、大学の授業、遠征費捻出のためのアルバイトを自ら調整し、限られた時間を最大限に活かす工夫も続けてきました。こうした経験から、目標に向けて主体的に取り組む力を身につけてきました。最後に、今後の展望についてです。私の目標はロサンゼルス2028大会で金メダルを獲得することです。その夢の実現を通して、挑戦することの価値を自ら体現し、周囲に前向きな変化をもたらす人間になりたいと考えます。自身の挑戦する姿によって社内の挑戦意識や士気向上に寄与するだけでなく、フェンシング体験会を通じた社員の皆様の健康増進やリフレッシュ、社内コミュニケーションの活性化、大会の応援企画を通じた一体感や帰属意識の醸成にも貢献します。競技と社会をつなぐ橋渡し役として、アスリートだからこそできる社会貢献を実現していきたいと思っています」

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就職希望アスリートによる座談会を実施(写真:フォート・キシモト)

 佐藤選手のプレゼンテーション終了後、佐藤選手と岩本選手によるフェンシングの試技が行われました。その後、登壇した就職希望アスリートによる座談会を実施。柴JOCキャリアアカデミー事業ディレクターの進行のもと、参加企業の方々との対話形式で、競技の魅力を伝えるなど自らの考えを述べました。説明会終了後には、選手と企業関係者との名刺交換、情報交換会が行われ、企業と選手がそれぞれ交流を深めました。

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