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アトランタ1996


金メダリストインタビュー

野村忠弘選手 男子柔道 60キロ級

プロフィール
野村忠弘(のむらただひろ)

774年12月10日、奈良県生まれ。天理大学4年。
父は現在、天 理高校柔道部部長、叔父の野村豊和氏は72年のミュンヘン大会で男子柔道中量 級の金メダリストという柔道一家だ。
野村選手自身、95年のドイツ国際で優 勝。96年にはチェコ国際優勝ハンガリー国際3位、全日本選抜体重別優勝な どの輝かしい成績を収めている。しかしアトランタ大会前の話題にはあまり上 がらず「空港でカメラマンに突き飛ばされて悔しかった」という金メダル後 の談話が印象的だった。

自分は金メダルを取るつもりだった!
金メダル獲得後の報道で、アトランタに出発する空港のロビーで「カメラマン に突き飛ばされた」という談話が紹介されてしまった野村選手。国際試合での 実績は十分なのに、スター選手の陰に隠れて野村選手への「期待」は、あまり 事前に報道されていなかったんですね。でも、本人はもちろん「出るからには金メダルを狙うつも り」だったのです。 「出場が決まったときは悔いの残らない試合をとも思っていたんですが、負 けたらどうせ悔いが残りますからね」と、自信をもって試合に臨んだのでし た。野村選手、改めておめでとうございます。

金メダルは部屋に隠してあります!
「自分の中でのオリンピック熱はさめました。もちろん貴重な体験だったんで すが、今はもう国際試合のひとつで勝ったんだと思うようにしています」と、 しばらく時間が経った現在の心境を話してくれた野村選手。オリンピックは素 晴らしい「思い出」ですが、野村選手のピークは年齢的にもまだまだこれか ら。金メダリストとして世界の強豪からの挑戦を受ける立場となって「勝負に慢心は禁物」です。
さて、その金メダル。現在は「寮の部屋の*****に放り込んである」らし い。盗まれるようなことがあるとまずいので場所はナイショですが、金メダル にはあまりにも似合わない日常的な場所。どうしてなの? 「しばらくは自宅の神棚に飾ってあったんですけど、いろいろ行事があるたび に持っていかなきゃいけないので、手近な場所に持ってきたんです」。 帰国後は「あいさつ回りとか、柔道以外のことで忙しくなりましたね」と、金メダルの誇りと価値を実感する毎日を過ごしているようです。

ケガが多いのが悩み
見事に世界一になった野村選手ですが、もちろん今後も活躍してもらわなく ちゃいけません。現在は、どんなテーマを自分に課して稽古しているのでしょ う。大学での日常的な稽古は「朝1時間ほどランニングやトレーニング、夕方は2 時間ほど柔道部の道場で稽古をします」とのこと。得意技は背負い投げ。練習 にも熱が入るのだろうと尋ねてみましたが「稽古で技そのもののキレは変えられない。
むしろ技にもっていくための相手の崩し方を研究する」んだそうです。一番の課題はとの質問には「ケガが多いのが悩み。今も鎖骨の下をケガしてて なかなか治らない。オレってひ弱なのかなあ(そんなご冗談を)」と野村選 手。ケガを防ぐためにも筋力トレーニングは大切です。

高校時代はあまり強くなかった?
「おじいちゃんが柔道の道場をやっていて、物心ついたときには道場が遊び場 だった」という野村選手。でも意外なことに「高校時代は強くなかった」と 言うのです。あまり目立った戦績もなく「高校3年生でやっとインターハイに 出場」(なんだ強いじゃないですか)したものの予選リーグで敗退。 ところが、高校の柔道部で現役を引退(高校の部活動は3年の大きな大会が終 わると「引退」する)してから、メキメキと実力急上昇。11月ごろに開催され た、20歳以下の日本選手権といえる全日本ジュニアという大会でいきなり2位 になったのです。「部活を引退してから、自分の好きなように練習できた。現役時代は、稽古を やらされているという意識があったんでしょうね」

シドニー大会に向けての目標は
ちょっと気が早いですが、2000年に開催さえるオリンピック・シドニー大会に向けての抱負をうかがってみました。
「今回だって、とくにアトランタを目標にして柔道をやってきたわけではありません。あまり先のことは考えず、出る試合をひとつひとつ頑張るだけで す」。
ベストを尽くしていれば「結果はあとから付いてくる」ってことですね。ケガに気を付けて、これからもますます頑張ってください。 連続金メダルを期待してます!

  • 柔道・今後のおもな大会日程
  • 12月7日〜8日 第14回福岡国際女子柔道選手権大会(福岡国際センター)
  • 12月21日〜22日 平成8年度講道館杯日本柔道体重別選手権大会(講道館)
  • 平成9年1月19日 ワールドカップ女子柔道団体対抗大会(会場未定)
  • 4月6日 全日本選抜柔道体重別選手権大会(福岡市民体育館)
  • 4月29日 平成9年全日本柔道選手権大会
  • 10月9日〜12日 第20回世界柔道選手権大会(フランス・パリ)
  • 10月9日〜12日 第20回世界女子柔道選手権大会(フランス・パリ)


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