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TEAM JAPAN DIARY

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2011年1月

2011/01/31

アジア冬季大会の開会式を終えた日本代表選手団からコメントをいただきました!

第7回アジア冬季競技大会(2011/アスタナ・アルマティ)の開会式を終えた日本代表選手団のみなさんからコメントをいただきました。

 

開会式を終えて

橋本聖子団長

過去の大会に比べてもかなり盛大な開会式だと思います。カザフスタンの発展に向けた勢いを感じました。この大会を機にアジア地域の国々が、冬季スポーツに関心を持ってもらえるように日本としても尽力していきたいです

小平奈緒旗手(スケート/スピードスケート

このように盛大な開会式に参加したのは初めてですが、緊張せずに行進できたと思います。レースに向けてパワーをもらえた感じがします。

近藤太郎選手(スケート/スピードスケート

このように盛大な開会式のある大会は初めてなので、びっくりしているし、驚いています。緊張はしていないので、とにかく頑張りたいと思います。

若林大季選手(スケート/スピードスケート

思っていたより観客が多く、盛大に迎え入れられてここに日本代表として来ていることを強く感じました。日の丸を掲げられるように頑張りたいです

石澤志穂選手(スケート/スピードスケート

初めてこんな盛大な開会式のある大会に参加しました。観客の方の声援の多さに、競技に向けてのパワーをもらいました。こんなに盛大とは思わなかったので感動しています。

坂爪亮介選手(スケート/ショートトラック

このような総合競技大会は初めての経験。鳥肌が立ち、アドレナリンが出ました。試合に向けてこの気持ちをより高めていきたいです

藤本貴大選手(スケート/ショートトラック
1年前のバンクーバーオリンピックを思い出させるようなわくわく感と程よい緊張感を感じました。この気持ちを維持して競技に臨み、より輝くメダルを持ち帰りたいです



Ceremony04_3
旗手の小平選手を先頭に日本代表選手団入場。
Olympicflame
式の終盤、国内をリレーされた聖火が聖火台にともされた。 
(フォート・キシモト)

2011/01/25

橋本聖子団長、船木和喜主将、村上佳菜子旗手代行らからコメントが届きました

第7回アジア冬季競技大会(2011/アスタナ・アルマティ)の日本代表選手団結団式終了後に、橋本聖子団長、船木和喜主将、村上佳菜子旗手代行、長島圭一郎選手、穂積雅子選手からコメントをいただきました。

橋本聖子団長
「バンクーバー冬季オリンピックから1年、すでに戦いはソチに向かっています。バンクーバーでの反省を踏まえてソチに向かうには、やはりバンクーバーで飛躍的に力を着けたアジア勢の動きが重要になります。1年経った今、新しい選手や各国の強化の取り組み方が違うと思うので、それを確認する大会にしたいです。大韓民国だけでなくカザフスタンも新しいスケートリンクを作るなど伸びていく要素があるので注目する必要があるでしょう。またカザフスタンとソチは同じ旧ソビエト圏ということもあり、その地を訪れることもいい経験になると思います。今回は雪上と氷上の競技が分かれて滞在しますが、なるべく多くの会場を回り、選手に声をかけていきます。役員と選手の距離を縮めて、家族的な中にも厳しさのあるチームジャパンになれればと思っています。メダル数は、これまでの最高数を上回ることが目標ですが、今大会の場合は勝ち方の内容が重要です。各国が選手をユニバーシアード冬季競技大会と振り分けて臨んでいますから、どのレベルの選手にどんな勝ち方をしたか、その中身を分析し、ソチに繋げていく大会にしたいです」
Aflo_sswa034352 橋本団長

船木和喜主将(スキー/ジャンプ)
「35歳のオヤジが主将ということなので、こういう経験はなかなか出来ることではないですし、若い人に光を入れていきたい。国際大会に出場して、チャレンジできる幸せを感じています。自分をアピールする場と考えて、他とは違う印象を持ってもらえるようなジャンプをしたいです。素直に飛ぶことが大事だと思います。メダルを獲らなければならない大会。緊張感を持って臨みたいです」
Aflo_sswa034362 船木選手

村上佳菜子旗手代行(スケート/フィギュアスケート)
「思ったより団旗が重くて腕がプルプルしました。日の丸を下につけちゃいけないと思って大変でした。大会では、金メダルは欲しいけれど、まずは自分の演技ができるように頑張りたいです。ショートプログラムとフリースケーティングの両方でノーミスの演技が出来るようにしたいです。まだシニアに追いつけていないと思うので、少しずつ経験を積んで上に上がっていくための大会にしたいです。皆で同じ服を着て、他の競技の選手もいく大会は嬉しいです。もしオリンピックに出れたら同じような感じだと思うので、いい経験にしたいです」
Aflo_sswa034363 村上旗手代行

長島圭一郎選手(スケート/スピードスケート)
「金メダルを獲ります。やはりオリンピックが終わった年ということで、精神的にも体力的にもピークの作り方が難しい年です。バンクーバーに向けたシーズンは、試合ごとに調子を上げていけたけれど、今年はその場でバタバタすることが続いていました。気力と身体を一致させるような大会にして、ここで結果を出していく大会にしたいです。必死になれることが大切で、それが自分が変わるきっかけになると思います。そういった意味で、内容よりも結果を求めて生きたいです」
Aflo_kdna026335 長島選手

穂積雅子選手(スケート/スピードスケート)
「アジア冬季大会の参加は2回目です。バンクーバーが終わってから1年目ですが、今は1年1年しっかりと成績を残していくことが、次のオリンピックの成績につながると思います。3年後のソチに自信を繋げて行くための大会にしたいです。今年は新しい4年間のスタートの年。もう一度基礎を固めていって、来年以降に成績を残していくためのスタートです。今回のアジア冬季大会は、自分が今アジアでどれくらいの位置にいるかを確認するための試合なので、しっかり勝ちに行って自信をつけたいと思います」
Aflo_plra028082 穂積選手
(写真提供:アフロスポーツ)

2011/01/19

JOCの就職支援「アスナビ」:上田春佳選手・竹下百合子選手がキッコーマンに内定

JOCが進めているトップアスリートの就職支援ナビゲーションシステム「アスナビ」を活用し、上田春佳選手(水泳・競泳)と竹下百合子選手(カヌー・スラローム)の採用内定を、キッコーマン株式会社が1月17日に発表しました。入社予定日は4月1日で、水泳・競泳の古賀淳也選手に続き、「アスナビ」による内定第2号となります。

Ueda 上田選手

Takeshita 竹下選手

 

キッコーマン株式会社では、「アスナビ」の趣旨である「企業がトップアスリートを雇用や活動の面で支援することで、アスリートの生活環境を安定させると同時に、企業の社会貢献や社内の連帯感創出につなげる」ことに共感し、昨年からアスリートの採用について検討してきました。

2人を採用した理由については、「上田選手は競泳・女子自由形の第一人者で、ロンドンオリンピックを含む国際競技大会での活躍が期待されています。竹下選手は、北京オリンピックで日本歴代最高位の4位入賞を果たし、ロンドンオリンピックではカヌー史上初のメダル獲得も期待されています。また両選手とも明るく真面目な性格で、当社に相応しいアスリートであり人材です」としています。

上田選手は「トップレベルでスポーツをしている学生は就活もままならない中で、本当に有難いです。スイミングスクールへの就職が一般的な状況で、キッコーマンのような企業に就職出来たので、社会人としても頑張りたいです。4月の日本選手権では優勝を、7月の世界水泳ではメダル獲得を目指し、来年のロンドンオリンピックでのメダル獲得が達成出来るように、キッコーマンの社員選手として頑張ります」とコメントを発表。

また竹下選手も「卒業直前にキッコーマンのような立派な会社に就職でき、引退後の仕事への不安を考えずに競技を続行出来るようになった事に加えて、カヌーのようなマイナー競技の選手を支援していただける事も含めて本当にうれしいです。後に続く選手のモデルになるように頑張ります。4月の日本代表選考大会で代表入りを果たし、6〜7月のワールドカップで決勝進出し、9月の世界選手権でロンドンオリンピックの出場権を獲得する事が今年度最大の目標です。社会人新人選手としても、競技と仕事の両立に積極的に取り組んでいきます」と喜びの声を発表しました。

「アスナビ」は、JOCゴールドプラン委員会/スポーツ将来構想プロジェクトの「指導者・選手の環境整備ワーキンググループ」を中心に進めてきた就職支援プロジェクト。JOCは今後も、企業と選手の架け橋となるよう「アスナビ」による支援を行っていきます。

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(写真提供:アフロスポーツ)

2011/01/18

【ナショナルトレーニングセンターセミナー】ジュニア選手の強化戦略をテーマに開催

JOCは12月3日、本年度第2回目となるナショナルトレーニングセンター(NTC)セミナーを、味の素ナショナルトレーニングセンターで行いました。NTCセミナーは、強化現場に役立つ情報を各競技団体や育成現場の担当者に提供するもので、今回のテーマは「ジュニア選手の強化戦略」です。JOCが支援している全国11ヵ所の「地域タレント発掘・育成事業」の担当者と、中央競技団体のジュニア強化担当者、スタッフなどが参加し、それぞれの取り組みについて情報交換や総合討論を行いました。

 

JOCの福井烈・選手強化本部担当理事は「北京オリンピックで中国は51個の金メダルを獲得し、世界一のスポーツ大国になりました。これは全国の体育技術学校を軸に優秀な選手を集め、外国人指導者の数を増やすなど強化への意気込みを強めてきた結果です。日本も立ち止まってはいられません。数々の人材を発掘して各タレント層を充実させることが大切です。ジュニアでの活躍をシニアへと繋げていくためにも、このセミナーを有益な情報交換の場としていただきたいです」とあいさつしました。

Ntc1 福井理事があいさつ

第一部は、「各競技団体におけるジュニア強化の取り組み」をテーマに、強化の現場から報告がありました。最初は、日本バドミントン協会の金善淑ジュニアコーチが報告。まず、小学校の時点では日本の選手が強くても、中学高校になると韓国や中国の選手が上回っていく現状を紹介。その上で、「日本は、基礎を覚える前の小学校2年生くらいから大会に参加しています。中国では、小さい頃はフットワークや無駄の無い動き、体力などの基礎を徹底的に作り、小学校の間は大会には出ません。韓国も同じく小学校のうちは基礎を練習させます」と報告。「基礎がしっかりしていると、世界を目指す年齢になったときに、結果として成長する」と金コーチは話しました。また今年度からの取り組みとして、ジュニア強化指定選手の選考基準を変えたことを紹介。これまでは試合成績を重視していましたが、昨年度から選考合宿で体力測定を行い、低年齢ほどその結果を重視するというような選考方法に変更。現時点の技術よりも将来性を見極める選考方法を模索しているそうです。

Ntc 金コーチから報告があった(右)

 

続いて、日本体操協会の新体操委員会強化部の曽我部美佳部長が登壇。2003年から始めている一貫指導システムによる競技者育成プログラムについて説明しました。プレジュニア、ジュニア、ナショナルと、年代が上がるにつれて選手数を絞り込み、年3〜4回の合宿で専門的なトレーニングを行う体制を紹介。その選考基準としては、スタイルや柔軟性など先天的なものだけでなく、手具を使いこなす器用さなど多様な動きも求められることから、識別の条件が重要だと話し、「身長が153cmでも得意技が光り、代表に選ばれた選手もいます。長所を評価するように考えています」と報告しました。また指導者育成の面では、ジュニアの強化合宿に各選手のコーチにも参加してもらい、日本体操協会側の強化方針を伝えるミーティングを行っていることを紹介。合宿を効率的に利用していると話しました。この育成プログラムをスタートさせてから、新体操は国際大会で着実に順位を上げ、「中でも団体は、2010年の世界選手権で6位。ロンドンオリンピックでメダルを狙えるところまで来ています」と曽我部部長は報告しました。

第2部は、「地域タレント発掘・育成事業の取り組み」をテーマに、全国11カ所で行われているタレント発掘の現場のうち2カ所からの報告がありました。まず、今年度から第一期生の育成が始まったばかりの「東京都ジュニアアスリート発掘育成事業」について、東京都体育協会の梅村実可・競技力担当部長が説明。同事業は、すぐれた運動能力を持つ中学2年生を対象に、高校生になってから競技を始めてもトップを目指せる可能性がある7競技(ボート、ボクシング、レスリング、ウエイトリフティング、自転車、カヌー、アーチェリー)に特化して、転向の機会を提供するものです。7競技の体験プログラムを通して、適性を見極め、また本人の意思や、高校進学後も継続できる環境なども考慮し、最終的な競技を決定しています。

続いて、「山形県スポーツタレント発掘事業・YAMAGATAドリームキッズ」について、山形県教育庁スポーツ保健課の長崎克己・スポーツ育成主査が話しました。小学校3、4年を対象に選考し、中学3年まで育成プログラムを実施。種目は特化せずに、短期合宿を行ってトレーニングや様々な種目体験をさせ、その練習成果を確認するための巡回指導を行っています。育成プログラムでは、指導者の育成も図ることや、スポーツだけでなく語学力・人間性・社会適応能力なども育てることが特徴になっています。今後の課題について、「中学までだけでなく、高校にうまく繋げていくパスウェイの部分が必要なので、考えていきたいです」と話しました。

最後に、5〜6人のグループに分かれて、各競技団体や地域で抱える課題と解決策について総合討論と発表が行われました。

各競技団体や地域が行う様々な取り組みが報告され、今後のジュニア選手の強化に向けて縦横のつながりを強化するセミナーとなりました。

Ntc_2 グループごとに討論と発表が行われた

2011/01/06

トップアスリートの支援システム「アスナビ」第一号、古賀淳也選手が第一三共(株)と雇用契約

JOCが新たに進めているトップアスリートの就職支援ナビゲーションシステム「アスナビ」のスキームを活用し、水泳・競泳の古賀淳也選手が第一三共株式会社と雇用契約を結ぶことで基本合意に至ったことを、JOCは1月5日に発表を行いました。経済情勢の悪化により日本を代表するトップアスリートですら、選手活動を継続することが厳しい状況にあるなか、JOCでは企業側のニーズと、世界の頂点を目指すべく安定した環境下において活動に打ち込みたいとする選手側のニーズをマッチングするシステム「アスナビ」を構築。10月14日に経済同友会の協力のもと第一回目となる説明会を開催し、企業と選手のマッチングを行ってきました。古賀選手は同スキームを通じて企業と雇用に関して正式に合意に至った「第一号」となります。

Photo_3 古賀選手

10月14日に行われた企業説明会では、古賀選手自らが登壇し、経済同友会に加盟する多くの企業関係者の前でアスリートの窮状を説明。また自身も、練習環境安定のために支援が必要だと訴えました。このプレゼンテーションを聞いた第一三共株式会社の関係者が、古賀選手の誠実な人柄を感じ取ったことで、最終的に雇用につながったそうです。

第一三共株式会社では「以前より、世界の頂点を目指す日本人アスリートを支援することで、社員の一人ひとりに刺激を与え、ともに切磋琢磨し、成長していけるような機会作りを模索していました。JOCが実施しているトップアスリートの就職支援ナビゲーション機能を活用し古賀選手の雇用を決定しました」と雇用の経緯を発表。

また雇用の理由として「古賀選手は日本のお家芸と言われる水泳の世界において、背泳ぎの選手として活躍しており、数多くの国際大会での優勝実績があります。古賀選手の常に世界の頂点を目指す志や情熱、挑戦意欲は、“Global Pharma Innovator”の実現を目指す当社グループのビジョンやスピリッツに合致していることから、アスリートとしての古賀選手の活動を全面的に支援することにしました」としています。

「アスナビ」は、JOCゴールドプラン委員会/スポーツ将来構想プロジェクトの「指導者・選手の環境整備ワーキンググループ」を中心に進めてきた就職支援プロジェクト。トップアスリートと企業が雇用関係を結ぶことで、選手にとっては安定した練習環境が確保され、企業にとってはアスリートを全社一丸となって応援することで社内の連帯感の強化が図れ、また、社会貢献の観点からも大きな実績を残すことができます。このことは、アスリートと企業の双方にとって利益をもたらす関係を構築することにつながります。JOCでは、今後とも“One Company, One Athlete”をテーマに掲げ、企業側の情報を選手に提供し、一人でも多くのアスリートが企業と新たな雇用契約を結べるよう、支援を行っていきます。

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2011/01/01

JOC/NF国際担当者フォーラム、今年度は「人材」に焦点を当てて開催

スポーツ界での日本の国際力を高めようと、JOCは12月20日、人材や組織強化のための具体策を話し合う「平成22年度JOC/NF国際担当者フォーラム」を、味の素ナショナルトレーニングセンターで開催しました。各競技団体(NF)の国際担当者約70名が参加。来年度から始まる「国際人養成事業」について説明したほか、さまざまな「国際戦略の事例」を担当者自身が話すなど、様々な国際力強化へ向けた取り組みが紹介され、有意義な情報共有の時間となりました。

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開会にあたりJOCの竹田恆和会長が「2011年はJOC創立100年、日本のスポーツが国際化してから100年の節目となります。2016年のオリンピック招致が残念な結果に終わったことの1つには国際的に活躍できる人材の不足があり、世界での発言力強化が必要だと痛感させられました。このフォーラムでの成果を各競技団体に持ち帰り、国際戦略をもう一度見直す機会にしていただきたいと思います」とあいさつ。続いて水野正人JOC副会長が「国際化のためには、人が重要です。人と人がいい関係を作らないと何も動きません。世界で日本の立場を強くするために何が必要か、考える機会にしましょう」と呼びかけました。

■2011年度から開始の「国際人養成事業」を紹介

初めに、前原正浩JOCゴールドプラン副委員長が、来年度から始まる「国際人養成事業」について説明しました。この事業は、JOCが策定したゴールドプランのひとつの目標である、競技力向上につながる「国際力の強化」が必要だとして計画されました。前原副委員長は「これまでスポーツ指導者らの海外派遣を行ってきましたが、来年度からは国際競技連盟(IF)、アジア競技連盟(AF)などの役員として活躍する国際人養成事業も実施するよう計画しています。人脈形成の拡大、情報の収集、発言力の強化、プレゼンスの確立、IF、AFでのポジションを獲得することなどは、すべて競技力向上に繋がっていきます」と説明しました。2011年度は、NFやJOCの推薦者でかつ、国際競技連盟の理事や委員の候補者などを対象に、7月から10月にかけて、1コマ75分の授業を80コマ行う予定です。カリキュラムは、スポーツ組織の基礎知識、国際戦略やスポーツ外交について学ぶほか、コミュニケーション実習としてビジネスメールの書き方、マナー・プロトコール講座など実践的な内容を行う予定です。

最初のプログラムでは、「国際人養成事業」の体験授業として、英会話学校「ベルリッツ・ジャパン」Alex De Vile氏によるコミュニケーション実習が行われました。「英語でのコミュニケーションに必要なものは、55%がVisual(態度、ジェスチャー、目線、表情)、38%がVocal(話し方やアクセント)、8%がWords(語彙力)です。単語はもちろん大切ですが、それ以上にVocalとVisualが大切になってきます」とVile氏。授業はすべて英語で行われ、センテンスに合わせてジェスチャーを考えて話すなど実践的な練習が行われました。またプレゼンテーションについて「冒頭の3分で話すことを覚えておく、鏡の前で練習する、録画して練習する」などのノウハウを紹介し、「プレゼンテーションにおいては、目に見えるコミュニケーションが非常に重要になります」と結論付けました。

■青年海外協力隊・スポーツ分野の派遣の実態

次に、「青年海外協力隊・スポーツ分野の派遣の実態」として、(独)国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊事務局の北野一人次長が説明。青年海外ボランティア(20〜39歳)とシニア海外ボランティア(40〜69歳)のうち、スポーツ分野での派遣は、柔道や空手の指導者などが中心で、国民の健康増進や競技レベルの向上などの面で貢献していると紹介。2007年〜2010年までに28職種、300名を超えるスポーツ分野への派遣が行われました。北野次長は、自身がモルディブへ水泳指導で派遣された経験を交えて「プールの無い国だったので、海にロープを張ってコースを作成。モルディブ初の競泳選手を育て国際大会に派遣することで、開発途上国の若者が海外の若者と交流する良い機会を作ることができました。スポーツを通じた国際交流の楽しさや意義を、若い競技者の方にも伝えてください」と話しました。また、卓球指導者の派遣前研修について(財)日本卓球協会の木村興治副会長(JOC常務理事/国際専門委員長)は、国際卓球連盟が作成した指導要領を用いた研修を行い、国際的レベルの指導者を派遣していることを説明しました。

■パネルディスカッション「国際戦略の事例」

続いて、パネルディスカッション「国際戦略の事例」が行われました。パネリストには、(財)日本バレーボール協会国際事業本部の下山隆志部長、ラグビーワールドカップ2019組織委員会の徳増浩司事務局長、国際スケート連盟の平松純子理事が登壇し、JOC国際専門委員長の木村常務理事が司会を務めました。

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下山氏は、多くの国際大会を日本で開催している経験から「大会の準備の段階で、IFの意向を理解することが重要で、そのためにIFに多くの役員を派遣し、日頃からメールするなどコミュニケーションを大切にしています。その上で、開催地のボランティアの方々にIFの意向を理解してもらって運営していくことが大切です」と話しました。

徳増氏は、ラグビーワールドカップ招致の成功事例をもとに「招致活動はコミュニケーションがすべて。3年がかりで、海外からの情報収集、海外への情報発信、コミュニケーションと、段階を踏みました。日本は海外では思っている以上に知られていないので、相手に飛びこんで日本を理解してもらうよう心がけました」と話しました。

平松氏は、国際スケート連盟の技術役員として長年にわたりルール改正を担ってきた経験から「選手時代の人脈から始まりコツコツと人脈を築いていきました。技術委員、理事となれたのも、海外の方々と頻繁にメールや会話をするうちにサポートしてくれる方が出来たお陰だと思います。ルールを改訂する技術委員の立場になれたことで、ルールが変更された背景などを日本の選手や役員に説明することが出来ました。採点競技においては、正しい情報が入らないと正しい強化の方向を向くことができないので、技術委員や理事としての立場が生きたと思います」と話しました。

また英語を母国語としない日本人にとってネックとなる国際会議については、下山氏は「事前に鏡の前で話すなど準備し、質問も予測して英語での答えを用意しておく」、徳増氏は「事務局内にも英会話教室を行って強化した」、平松氏は「発言するタイミングが難しいので、事前に自分の意見を周りに伝えておいてフォローしてもらえる体制をつくる」など、それぞれの工夫を紹介しました。

■スポーツ・ツーリズムの推進について

最後のプログラムでは、「スポーツ・ツーリズムの推進について」と題し、観光庁観光地域振興部の田端浩部長が、観光庁の活動を紹介。観光庁では、2020年までに訪日外国人を2500万人にすることを目標とした観光立国の推進を進めており、新しい観光分野の1つとして「スポーツ観光」を挙げていることを紹介。日本でのスポーツ観戦、日本に来てマラソンなどに参加するなどのスポーツ観光を活性化させるため、「スポーツ・ツーリズム推進連絡会議」を立ち上げ、情報提供を行うWEBサイト「スポ・ツー・ナビ」やスポーツ観光相談窓口の設置などを行っていると話しました。

また、観光庁によるMICE(Meeting,Incentive,Convention,Event/Exhibition)誘致活動事業実施支援事業についての説明もありました。NFが国際大会や国際会議を行う際に、観光庁が経費を一部負担するなどの支持スキームについて説明。積極的な活用を呼びかけました。

最後に、JOC国際専門委員会の村里敏彰副委員長が「笑顔と刺激のあるフォーラムとなりました。情熱のある方たちが道を切り開いていくことが大切です。国際人と呼べる、人間力の幅が広い人を築いていくことが私たちのテーマです」とあいさつし、実践的で充実したセミナーを締めくくりました。

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