2010/11/26
非オリンピック競技にとって最高の舞台で、メダル獲得の活躍
非オリンピック競技にとっては最大の国際総合競技大会となるのがアジア大会。4年に一度行われるアジアのオリンピックとして、非オリンピック競技の選手たちは最高の成績を目指します。今回の広州アジア大会でも、ビリヤードやダンススポーツなど多くの競技でメダルを獲得。素晴らしい戦いぶりを見せています。
■決勝で日本が対決、ビリヤード
ビリヤードの男子カラム3クッションシングルスは、準決勝で、鈴木剛選手がモンゴル選手を、甲斐譲二選手が韓国選手を破り、ともに決勝進出を果たしました。日本人対決となった決勝では、鈴木選手が40-37で、今大会参加選手の日本最年長である54歳の甲斐選手に勝ち優勝。鈴木選手が金メダル、甲斐選手が銀メダルを獲得しました。
■ダンススポーツ、5組が7つのメダルを獲得
広州アジア大会で新競技となったダンススポーツ。社交ダンスを競技化したもので、将来のオリンピック実施競技を目指して客観的な採点基準を取り入れようと、今大会から2人の動きのバランスや音楽性、振り付けなどの項目ごとに得点をつける新採点方式が導入されました。種目は、スタンダード(5ダンス、ワルツ、タンゴ、スローフォックストロット、クイックステップ)とラテン(5ダンス、サンバ、チャチャチャ、パソドブレ、ジャイブ)に分かれます。
ダンススポーツのオリンピック実施競技を目指している国際ダンススポーツ連盟は、1997年にIOCに承認され、約90カ国・地域が加盟。日本の競技人口は約5万人と、裾野が広い競技となっています。
スタンダードでは石原正幸選手・久保斐美選手組が活躍。ワルツとクイックステップで銀メダルを獲得しました。またタンゴでは小嶋みなと選手・盛田めぐみ選手組が銅メダル、スローフォックストロットでは貫名強選手・柴原まりこ選手組が銅メダルとなりました。
ラテンでは、久保田弓椰選手・久保田蘭羅選手組が、5ダンスで銀メダル、ジャイブで銅メダルを獲得。またサンバで正谷恒樹選手・齋藤愛選手組が銅メダルに輝きました。
■カバディ男子、クリケット女子、セパタクロー男子、力を合わせ銅メダル
広州アジア大会の新競技になったクリケット。イギリスで発祥したスポーツで、英国文化圏であるインドパキスタンなどでも人気のあるスポーツです。野球に似た球技で、試合の間にティータイムがあるなど優雅な紳士・淑女のスポーツといった雰囲気。日本クリケット女子は、3位決定戦で中国に66-65で競り勝ち、銅メダルを獲得しました。
カバディは、南アジアを中心に盛んな競技で、1990年の北京アジア大会から採用されました。日本では仏教系の大正大学が力を入れており、選手の多くを僧侶が占めています。男子のみの派遣となった日本は、準決勝で、6連覇を目指すインドに17-52で敗れたものの、銅メダルを獲得しました。
マレーシアやタイなどの伝統スポーツが原形になったとされているセパタクロー。日本の競技人口は約2000人とまだ少ない。日本からは男女各9人の選手が参加。男子チームでは大会4連覇を果たしたタイに準決勝で0-2で敗れたものの、見事銅メダルを獲得しました。セパタクローは2020年のオリンピック実施競技を目指し、国際セパタクロー連盟(ISTAF)は2011年から、アジア各国を転戦するスーパーシリーズと、2年に一度のワールドカップを開催。競技の国際化を図っています。
■新種目に注目集まる ドラゴンボート、チェス・ウェイキ(囲碁)
広州アジア大会で新種目となったドラゴンボート、チェス・ウェイキ(囲碁)などにも注目が集まりました。
ドラゴンボートは、竜の頭と尾のデザインをした全長12mのボートに、こぎ手20人と太鼓手、かじ取りの計22人が乗りパドルをこぐ競技。兵庫県相生市の看護専門学校卒業生らで作る「磯風漕友会」のメンバーが、病院勤務の合間に練習を重ねてきました。男子1000mでは、7〜10位決定戦で3分51秒588で8位、500mは7〜11位決定戦で1分51秒611をマークし7位となりました。そして250mは決勝に進出し、52秒947で6位の成績を残しました。
また頭脳スポーツとして今大会で採用されたチェス・ウェイキは、日本の伝統文化である囲碁と共通することから、その活躍が期待されました。本因坊のような国内のタイトル戦とは異なり個人戦はなく、男子団体(5人)、女子団体(3人)、男女が交互に打つ混合の3種目が実施される。文化人ではなくスポーツ選手として扱われることの戸惑いやルールの違いなどもありましたが、混合では、結城聡選手・鈴木歩選手組が9位、髙尾紳路選手・向井千瑛選手組が10位となりました。