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TEAM JAPAN DIARY

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2010/02/25

女子フィギュアスケート最後の調整、隠れた火花を散らす

女子フィギュアスケートのショートプログラム(SP)とフリースケーティング(FS)のなか日となる24日、公開練習が、試合会場のパシフィックコロシアムで行われました。1枚30ドル、約1万枚のチケットは、当日券を含め完売。練習だというのに国旗や垂れ幕が会場の360度を埋め尽くし、注目度の高さが伝わってきます。

Mao コーチと話し合う浅田選手(提供:アフロスポーツ)

 公式練習は、試合と同じ6人ずつにグループ分けされ、40分間練習。本番どおり11回、曲がかかります。練習中のルールは、まず曲がかかっている選手が優先で、ほかの選手は気を使って避けます。次にスピン中の人が優先。スピン中の人はすぐに止まって避けることができないからです。そしてジャンプの助走が重なってしまった場合は先に助走に入った人が優先で、ステップやスパイラルは人の合間を見つけて行うのがマナー。そんな暗黙の了解のなかで、メダルを争う選手たちが、最後の調整を行うのです。お互いの場所を譲り合いながらも、静かにライバル心を燃やす——。公式練習には、そんな隠れた火花が散っています。

やはり一番の注目となったのは、上位6人のグループ。浅田真央、安藤美姫、キム・ヨナ、ジョアニー・ロシェット、レイチェル・フラット、長洲未来の6選手が同時に氷に降り立つと、会場に緊張感がピンと張り詰めます。翌日の試合に向けてチェックに来ているジャッジもいますから、練習でのアピールも大切です。

Yuna調整するキム選手(提供:アフロスポーツ)

6人同時に滑っていると、それぞれのスケーティングの違いが良く分かります。スピード感抜群のキム選手と、ジャンプの軸の細さで群を抜く浅田選手に、観客の視線は集中。キム選手が3回転+3回転ジャンプを決めて拍手を受けると、浅田選手もトリプルアクセル(3回転半)を披露。どちらも引けをとらない集中力で、練習をこなします。

Mao2ジャンプをこなす浅田選手(提供:アフロスポーツ)

安藤選手は、3回転+2回転や、ダブルアクセル+2回転+2回転など様々なジャンプを練習し、全体的な出来上がりを重視している様子。ロシェット選手も、すべての種類のジャンプを練習し、やはりノーミスの演技を目指していることが伺えます。このショートプログラムのトップ4人は、自分の曲かけでは、ジャンプを抜かしてスピンとスパイラル、ステップを確認。演技の流れや氷の感触を確かめた様子でした。

Miki 氷上でストレッチする安藤選手(提供:アフロスポーツ)

逆に、「調整」ではなく「挑戦」であるフラット選手と長洲選手は、練習といえども手を抜きません。曲かけでも、すべてのジャンプを実際に入れて本番どおりの演技を披露。特に長洲選手は本番用の衣装で練習し、その気合をジャッジにアピールしました。

およそ40分間におよぶ練習を終えると、氷から上がる前には、演技終了後と同じように、会場の4方向にバレエのようにひざを曲げてお辞儀をします。野球ではグラウンドに、柔道では道場に一礼をして去りますが、フィギュアスケートはあくまでも観客に“お見せする”競技。練習後も、観客にお辞儀をするのです! 美しさの中に戦いの炎が揺れるフィギュアスケート。決戦は25日(日本時間26日)です。 (JOC広報チーム)

Ro氷の感触を確かめるロシェット選手(提供:アフロスポーツ)

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