写真:青木紘二/アフロスポーツ
カヌーは主に川や湖、またそれに似た屋外の人工コースで行われるため、大自然と一体となる爽快感がこの競技の最大の魅力です。ボートとは異なり、漕ぎ手は艇の進行方向に向いているのが特徴です。競技に使われるカヌーは、甲板が無く片端に水かきがあるパドル(櫂)を使う「カナディアン」と、こぎ手が座るコックピット以外は甲板で覆われ、両端に水かきのあるパドルを使う「カヤック」の2種類のタイプがあります。また、カヌーの種目には「スプリント」と「スラローム」があります。
スプリントは、以前はフラットウォーターレーシングと呼ばれていました。8つのレーンが整然と配置され、平坦で穏やかな水面上で行われるこのレースでは、参加者が一斉にスタートし、まっすぐなコースを疾走してゴールに向かいます。スタートダッシュの後、水しぶきを上げながら水上を滑り進むその様子は迫力満点で、見ているだけでも爽快な気分になります。スプリントはシングル(1人乗り)、ペア(2人乗り)、フォア(4人乗り)の区別があり、距離も200m、500m、1000mの3種類あります。ボートが2000mであるのに対し距離が短く、200mは30〜50秒ほどで終わってしまいます。パリ2024大会では、「カナディアンシングル」(男子1000m・女子200m)「カナディアンペア」(男女ともに500m)「カヤックシングル」(男子1000m・女子500m)「カヤックペア」(男女ともに500m)「カヤックフォア」(男女ともに500m)の5種目が行われます。
スラロームは変化に富んだ流れのある川に、2本のポールをぶら下げたゲートを20前後設け、これに触れずに上流から下流へとワイルドなタイムレースを行います。ゲートに触れたり通過しなかったりすると、ペナルティの点がタイムに加算されます。パリ2024大会では、「カナディアンシングル」「カヤックシングル」と、新種目として「エクストリームカヤック」が実施されます。エクストリームカヤックでは、4人の選手が同時にスタートし、ゲートを通過するなどの決められたイベントに挑戦し、最初にゴールした選手が優勝者となります。競り合いで誰が勝っているのかがはっきりしており、これまでのスラロームとは異なる魅力が生まれることでしょう。
■日本チームの有力選手
羽根田 卓也
リオデジャネイロ2016大会において日本カヌー連盟悲願となる初のメダル獲得を達成しました。日本カヌースラローム界の立役者としてメディアでもハネタクとして親しまれる存在です。パリ2024大会でオリンピックは5回目の出場となります。
矢澤 亜季
2018年アジア大会で女子カヤックにおいて初の金メダル獲得。今大会ではリオデジャネイロ、東京の経験を活かし決勝進出を目指します。パリ2024大会でオリンピックは3回目の出場となります。
田中 雄己
現在、日本チーム若手選手の筆頭として勢いに乗る選手。持ち前のスピード感覚を武器にパリ五輪会場を攻略し、上位入賞を狙います。羽根田のトレーニングパートナーとしての顔も持ちます。オリンピックはパリ2024大会が初出場となります。
■他国・地域の有力選手等
男子カナディアン
Matej Benus(スロバキア)リオデジャネイロ2016大会 銀メダル
Sideris Tasiadis(ドイツ)東京2020大会 銅メダル
女子カヤック
Ricarda Funk(ドイツ)東京2020大会 金メダル
Jessica Fox(オーストラリア)東京2020大会 銅メダル
男子カヤック
Peter Kauzer(スロベニア)リオデジャネイロ2016大会 銀メダル
Jiri Prskavec(チェコ)東京2020大会 金メダル
競技初回実施大会 | ベルリン1936大会 |
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TEAM JAPAN初出場大会 | 東京1964大会 |
競技別累計メダル数 |
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