写真:森田直樹/アフロスポーツ
砂浜で競技を行うということ以外にも、ビーチバレーボールにはバレーボールと異なる特徴がいくつかあります。バレーボールは6人制が代表的ですが、ビーチバレーボールは2人制で前衛・後衛やレフト・ライトに分かれてボールを繋ぎます。この2人は自由に配置を入れ替えることも可能です。コートは16m×8mで、屋内のバレーボールよりひと回りほど狭めですが、ネットの高さはバレーボールと変わりません。その広さと高さを2人だけでカバーしなくてはならない上、砂浜や裸足という環境も相まって、非常にハードな競技だと言えます。また、試合形式も異なり、25点先取の5セットマッチが主流のバレーボールに対し、ビーチバレーボールは21点先取の3セットマッチで行われます。
ビーチバレーボールのルールの中にはバレーボールと異なるものがいくつかあります。1つ目は「フェイント」。バレーボールではよく使う戦術の1つですが、ビーチバレーボールでは反則になります。ただし、指の腹を使用したフェイントは反則ですが、揃えて伸ばした状態の指先やグーの状態、指を曲げた状態、手の甲を使ってのフェイントは認められています。
バレーボールと異なるルールの2つ目は「ブロック」です。バレーボール同様、ビーチバレーボールも相手のアタックをブロックすることは可能ですが、ブロックした後のボールに触れられる回数が異なります。バレーボールはブロックに触れた後から3回、ビーチバレーボールはブロックに触れたら1カウント。その後は2回しか触れることしかできません。
■日本チームの有力選手
石井美樹と長谷川暁子は昨年10月に開催された「FIVBビーチバレーボール世界選手権大会」終了後にペアを結成。パリ2024大会に向けて1年を切っているなか、積極的に海外ツアーを転戦しました。国際バレーボール団体「バレーボールワールド」が主催するビーチプロツアーの中で2番目に格付けの高い「チャレンジ大会」では予選から勝ち上がり、9位という成績を残しました。さらに同ツアーで最も格付けの高い「エリート16大会」にも出場するなど、世界トップレベルの試合を経験し、ペアとしての経験値を高めるとともに連携を強めました。
東京2020大会に続き2大会連続出場の石井と38歳にしてオリンピック初出場の長谷川。石井も長谷川も小学生からバレーボールをしており、強豪校を経てVリーグの実業団に入団しました。ビーチバレーボールへの転向はともに2015年。東京2020大会に向けて日本バレーボール協会による選手強化が始まった折、本格的にビーチバレーボールを始めました。2023年10月にペアを結成するまでのあいだ、2名は別の選手とペアを組んでいました。どちらも競技転向当初よりどのプレーにおいても質の高さが際立つオールラウンダーとして注目されました。特に石井はサーブ力、長谷川は攻撃力が秀でており、すぐに日本のビーチバレーボール界で頭角を現し、国内ツアーでも優勝争いの常連となりました。
ペア結成歴は短いものの、これまで2名がバレーボールとビーチバレーボールのコート上で培ってきた技術、判断能力の高さ、そしてベテラン選手としての経験値の高さを融合させ、国内最強のペアとしてパリ2024大会に臨みます。
■他国・地域の有力選手等
女子はブラジル、アメリカ、カナダ、オランダのチームが本大会のメダル有力候補。アジアでは東京2020大会銅メダルのオーストラリアが強豪です。
競技初回実施大会 | アトランタ1996大会 |
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TEAM JAPAN初出場大会 | アトランタ1996大会 |
競技別累計メダル数 |
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2024年1月1日時点
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