シドニー2000
がんばれ!ニッポン!シドニー大会レポート
柔道男子100kg級の井上選手に金メダル「世界一の母を全世界に見せたかった」
5試合すべて1本勝ち、という見事な戦い振りでつかんだ金メダルだった。「死にもの狂いでいく、ということを心がけた」という井上康生選手は、決勝の相手カナダのニコラス・ギル選手に対してもその姿勢を崩さず、内股で豪快に一本を取り、念願の金メダルを獲得した。
井上選手は、昨年の6月に母のかず子さんを亡くし、「母が世界選手権とオリンピックを楽しみにしていた。世界一の母を世界に見せたいという気持ちで戦った。」という。
開会式では旗手もつとめ、かず子さんに最高のオリンピックをプレゼントした井上選手は、スタンドの父の明さんが見守る中、母の遺影を誇らしげに掲げて表彰台に登った。
山下泰裕男子監督も「もう何も教えることがない気がする」と満足げ。八木祐四郎日本代表選手団団長は「感無量です。彼は、本物のアスリートだと思う。」と、井上選手の健闘を称えた。