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がんばれ!ニッポン!シドニー大会レポート

シドニーオリンピックスペシャル

田村選手、悲願達成に涙。野村選手は2大会連続の金メダル

決勝戦開始からわずか38秒、田村亮子選手が内股で一本を決めた瞬間、会場は興奮の渦に飲み込まれた。対戦相手のリュボフ・ブロレトワ(ロシア)が技をかけにきたところを返しての、会心の一本勝ち。バルセロナ以来、心に抱き続けた悲願の達成に、田村選手は、大ガッツポーズを作り、喜びを爆発させた。

「絶対に金」と期待されていたアトランタで銀に終った経験が教えたように、勝負に"絶対"はない。この日の準決勝でも、チャ・ヒョニャン(朝鮮民主主義人民共和国)に序盤攻め込まれ、後半寝技に持ち込もうと攻めたおかげで優勢勝ちしたものの、一瞬ひやりとさせられる場面もあった。

しかし、ついに辿りついた決勝では、4年前と同じミスは犯さなかった。「8年間会いたくてしょうがなかった初恋の人にやっと巡り会えた感じ」感激の涙のあと、笑顔で金メダルを手にした田村選手は、望み続けていた金メダル獲得の喜びを、こう表現した。

その勝利の余韻も覚めやらない会場を再び沸かせたのは、男子60キロ級の野村忠宏選手だった。 「どういう技で決まったのか、自分でもわからなかった」という早業で鄭富競(韓国)を畳に倒した途端、審判の一本の声が上がり、野村はガッツポーズを作った。この勝利で、野村は、オリンピック2大会連続で金メダルを獲得した。

「アトランタでは田村さんが金を逃したあと、僕が金を取った。今回は先に田村さんが金を取ったので、前回の逆になったと言われないよう気を引き締めていった」という野村選手。今大会はアトランタと違い、金獲得の本命とされ、プレッシャーも大きかった。また、昨年の世界選手権には出られず、不振の時期を克服したあとだっただけに、野村選手は「アトランタと今回、同じように緊張し、同じように金を取りたいと思った」とした上で、「今回のメダルの方がより嬉しい」と笑顔を見せた。

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