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2026.09.03 Special Interview

【特別インタビュー&Special Video】対戦格闘ゲーム界の第一人者が目指す頂点。アグレッシブな攻めと情熱でeスポーツの未来を拓くパイオニア(eスポーツ・中山大地/NOBI)

中山 大地/NOBI(eスポーツ・東京都出身)

15歳で対戦格闘ゲーム『鉄拳』と出会い、21歳からゲーム一本で生計を立ててきたeスポーツ界のパイオニア・中山大地(NOBI)。世界大会優勝など輝かしい実績を重ね、まだ「eスポーツ」という言葉すら浸透していなかった不遇の時代から、プレイヤーとして業界の土台を築き上げてきた。相手を圧倒するアグレッシブなプレースタイルと会場を沸かせるトーク力で長年ファンを魅了する傍ら、現在は後進の育成やゲームのイメージ改革、子どもたちへの指導にも情熱を注ぐ。TEAM JAPANの一員として挑む「愛知・名古屋アジア大会」への決意、20年近く打ち込む『鉄拳』の奥深い魅力、そして未来へ繋ぐ想いを聞いた。

『鉄拳』との出会いと、プロゲーマーとしての歩み

――競技を始めたきっかけを教えてください。

 15歳の頃、あまり勉強しておらず、そろそろ勉強しないと高校に入れないとなったときに、親の意向で非常に厳しい塾に通うことになりました。そこで毎日10時間ほど勉強していましたが、我慢できなくなりゲームセンターに行ってしまいました。そこで『鉄拳』の大会をやっているのを見て、「このゲーム面白そうだな」と思い、大会が終わったあとにやってみたのがきっかけです。それからは、もちろん勉強はしましたが、親の目を盗み(笑)、ゲームセンターに行くこともありました。その後、目標の高校にも入ることができたので、「目標を達成したから、あとはたくさんゲームをやろう」と、それからずっとやっていました。

――その頃から大会にも積極的に出られていたのですか?

 高校でも、高校生活を楽しみながら『鉄拳』をやっていましたが、あまりにも鉄拳がやりたすぎて「お腹が痛い」と言って早退し、ゲームセンターに行くこともありました。そのときの『鉄拳』はただ単に遊び程度でゲームをやっている感覚でした。その後、色々あって高校を退学して、新しい高校に入りましたが、そこがかなり時間の空いている高校だったので、そのタイミングくらいから『鉄拳』に打ち込むようになりました。

――本格的に競技として意識し始めたのはいつ頃ですか?

 eスポーツ自体が世の中に知られるようになったのは、おそらくコロナ禍の少し前の5〜6年ほど前から徐々に浸透してきた印象です。ただ、私は今35歳ですが、21歳の頃からゲーム1本で生計を立ててきました。その頃からeスポーツと言われるようになるまでの期間は、非常に苦しかったです。当時、私たちは『鉄拳』というゲームにおいて第一人者ではあったものの、もちろんそれで生活していける人は全くいませんでした。「私たちが『鉄拳』を引退する頃には土台ができて、後輩たちがご飯を食べられるようになったらいいよね」と思ってやっていました。それが何かの拍子に急にeスポーツが知られるようになって、今やっと生活できるようになったかなと感じています。本当にありがたいです。

――年々注目度が増しているように感じます。

 そうですね。やはりコロナ禍で家にいる期間中に「ゲーム」をやる人が増え、そこでたくさんの人に見てもらえたのではないかなと思います。日本が緊急事態宣言を発令するまでは、休みがないくらいゲームの仕事をしていましたが、それを境に外に出られなくなり、ラジオ番組1本のみになってしまいました。そこからは活動内容を変え、家にいる人が多いので配信をやったり、いろいろな参加型の企画をやったりとできる範囲で工夫するようにしました。

競技の魅力と独自のプレースタイル

――『鉄拳』という競技の魅力を教えてください。

 『鉄拳』は15歳の頃から始め、約20年近くプレーしていますが、やはりなんと言ってもキャラクターがカッコいいです。それがすべてかなと思います。もちろんカンガルーやクマ、パンダが戦うといった変わった要素もありますが、技そのものが人間でも頑張れば出せそうなリアルなところが好きです。そういう面においては、やはり3D格闘ゲームの『鉄拳』というのはキャラクターがリアルなので、やっていて非常に爽快感はあるなと思います。

――同じコントローラーでも選手によってボタンの配置や色が異なっていますよね?

 そうですね。そもそもコントローラーだけで平均して5万円ほどかかっています。モニターも高額で、ちゃんと機材を揃えると30万円ほどかかります(笑)。しかしこれから始める子は、家庭用ゲーム機の本体と1万円くらいのモニターがあれば普通にプレーできるので安心していただければと思います。

――初めて観戦する人へ向けて、注目ポイントを教えてください。

 『鉄拳』は1回相手を浮かせたらとんでもない量のダメージが減ってしまうので、観戦する際は浮かせた側が優勢だと思ってもらえたら良いかなと思います。その浮く瞬間がこのゲームにおいて最も大事な部分で、私たちプロも浮かされたら試合が終わってしまうので、絶対浮かされないように頑張っています。お互いの隙の突き合いで、浮いた瞬間に試合が終わってしまうので、そこの一瞬が面白いところだと思います。

――ご自身のプレースタイルを教えてください。

 元々根っからの“攻める”『鉄拳』プレイヤーなので、非常にアグレッシブです。したがって、見たらすぐにわかると思いますが、基本的に私がずっと手を出して、相手側が受けているといった図になると思います。

――相手も同じように攻めるタイプだとしたら、どうなりますか?

 もちろん殴り合いになりますね。ただ、今の『鉄拳』のゲーム上、守りの方が強いと言われています。しかし、守っているのが私の性に合わず(笑)、昔からずっと攻めている方がカッコいいと思っていたので、今もそれを崩す方が好きです。

若手の台頭とプロとしての意識

――若手の台頭を第一人者としてどう感じていますか?

 やはり嬉しいですね。この業界はもちろん経験も大事ですが、反射神経が非常に大事であるため、年齢のことを考慮すると、いつまでも私がずっと引っ張っていけるわけではありません。若い世代の子たちが増えていってくれると、将来的に明るくなるので、大変嬉しいことだと思っています。

――焦りやプレッシャーを感じることはありませんか?

 そのような感覚は通り越しました(笑)。「あーもう俺ダメなのかな」と思った時代もありましたが、今はそのときよりずっと強くなっている自信もありますし、それよりも自分を見て強くなりたいと思ってくれたら嬉しいなと思えるようになりました。

――大会期間中や日々の練習後、張り詰めたメンタルをリセットするため何か行っていることはありますか?

 週に1回マッサージに行っています。オンシーズンだと月に3回ほど海外に行くことがあり、日本に戻ってきたら次の大会に向けて最短で休憩をして、そして練習をして、その後また海外に戻っての繰り返しなので、みんな温泉に行ったり、マッサージに行ったりすることが多いと思います。

プロeスポーツ選手が語る指導と情熱

――体験会に来られるお子さんに、意識してかけている言葉はありますか?

 指導するときは、人によってアプローチを変えるようにしています。褒めて伸ばせる子もいれば、少し厳しめに伝えた方が伸びる子もいると思います。ただ、子どもたちに関しては基本的にしっかり褒めることを意識しています。たとえボタンの連打であっても、プレー中に「技が決まって気持ちいい!」と感じる瞬間は絶対にあると思います。その成功体験の瞬間を一番褒めるように心がけています。家に帰ったときに「今日楽しかった!」とお母さんたちに笑顔で話してくれたら嬉しいですし、私自身、1歳半になる我が子を育てる中で、褒められると嬉しくて何度も挑戦する姿を間近で見ているので、子どもたちのやる気を引き出す指導法として確かな手応えを感じています。

――会場を沸かせる巧みなマイクパフォーマンスも披露されていますよね。

 それに関しては心がけていることがあります。今は「eスポーツ」と呼ばれていますが、やはりゲームをやっている人は、ずっと家に引きこもってやるといった根暗な人が多いというイメージがあると思います。さらに昔は「ゲームばかりやっていると頭が悪くなるぞ」と言われた方もいると思いますが、それが嫌で、「ゲームをやっていてもいろいろな人と交流できるし、楽しい人もいるんだよ」というのを見てほしいためイメージを変えるようにやっています。ですが、実は私も結構根暗です(笑)。

――今後挑戦してみたいことはありますか?

 人に教えるのが得意で、人に教えることを教えるのも得意です。なので、最終的に自分が引退したときには私が持っているすべてのスキルを他の人たちに教えていきたいなと思っています。ただまだ現役である以上は全力でやろうと思っています。

――愛知・名古屋アジア大会にかける思いを教えてください。

 日本で32年ぶりに開催される本大会において、私は初めて「TEAM JAPAN」の一員として出場します。当初は数ある大会の1つという認識でしたが、代表に選出されてその規模の大きさを実感し、こんな心構えじゃダメだと、気持ちを締め直しました。現在はオンシーズンということもあり、身体的にもプレー面でも絶好調のコンディションを保てています。これまでの経験から特別な緊張はなく、今はとにかくこの舞台を早く味わってみたい気持ちが強いです。

Special Video🎥

中山大地/NOBIインタビュー

■プロフィール

中山 大地/NOBI(なかやま だいち)
1991年生まれ、東京都出身。15歳の頃にゲームセンターで『鉄拳』と出会い、21歳からプロゲーマーとして活動を開始。「World Cyber Games 2011」や「EVO 2015」といった世界最高峰の大会で優勝を果たし、名実ともに世界の格闘ゲーム界を牽引する第一人者となる。eスポーツの概念が普及する以前の黎明期から業界の土台作りに貢献。常に攻め続けるアグレッシブなプレースタイルで魅了する一方、巧みなマイクパフォーマンスや体験会での子ども向け指導などを通してeスポーツの普及とイメージ向上にも尽力。追加種目に採用された「愛知・名古屋アジア大会」にTEAM JAPANの一員として挑み、金メダル獲得を目指す。

注記載
※本インタビューは2026年7月15日に行われたものです。

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