写真:三船貴光/フォート・キシモト
水球は試合は8分間×4ピリオドで行われます。水深2メートル以上のプール内につくられた縦30メートル横20メートルのコートで、2チームがボールをゴールに投げ入れ合って得点を競い合います。ゴールキーパーを含めた1チーム7人の選手たちは、試合中一度も底に脚をつけずにプレーします。攻撃開始から30秒以内にシュートまで持ち込まなければならないというルールがあり、それを過ぎると攻撃権は相手に移ります。
鍛え上げられた大きな体がプール内を縦横無尽に行き交い、激しくぶつかり合う水球。審判から見えにくい水中では、相手をつかみ、蹴り上げるといったプレーが少なくありません。ボールを持っていない選手に対してこれを行うとファウルになりますが、ボールを持っている選手に対しては、荒々しいコンタクトが許されています。これらのことから、水球はファウルが多いことも特徴の一つで、それが得点を左右する重要なポイントにもなります。ファウルは、オーディナリーファウルとパーソナルファウルの2種類があり、前者は軽微な反則と見なされ攻撃権は移りません。一方、パーソナルファウルをした選手は自軍ゴール横にある「退水ゾーン」で20秒間の待機が命じられます。その場合は相手チームよりも1人少ない状態でのディフェンスを強いられるため、失点につながりやすくなります。
水球では、選手はプールの底に足をつけず、身体を水中で垂直に維持しながらプレーします。それを可能にするのが、巻き足と手の平の動作で生まれる「揚力」です。相手のディフェンスを超えてシュートを打つときは、体をコントロールし、浮力をつくる「スカーリング技術」を合わせることで、瞬間的に上半身を思い切り高く水上に持ち上げます。片手でボールをつかんだ状態でジャンプし、全身の力を利用して打つシュートは、男子では時速70キロメートル程度、女子は時速50キロメートルを超えるスピードです。この豪快なシーンも、水球の大きな見どころのひとつです。
日本チームは男子がロサンゼルス1932大会以降9回、女子は東京2020大会の1回のみ参加しており、ロサンゼルス1932大会における男子の4位入賞が最高記録となっています。これまでにオリンピックでメダル獲得はしていないものの、2023年に開催された杭州アジア大会では男子チームが6戦全勝で53年ぶりの優勝を果たし、優勝チームに与えられるパリ2024大会への出場権を獲得。国際的には『ジャパンシステム』と呼ばれる、日本独自の戦略である『パスラインディフェンス』。オールコートでマンツーマンディフェンスをしながら、ボールを奪った瞬間からカウンターを仕掛ける機動力、スピードを生かしたシステムを武器に戦う日本チームの、パリ2024大会での躍進が期待されます。
競技初回実施大会 | パリ1900大会 |
---|---|
TEAM JAPAN初出場大会 | ロサンゼルス1932大会 |
競技別累計メダル数 |
|
2024年1月1日時点
TEAM JAPAN記録を見る