写真:AP/アフロ
男子は「ゆか」「あん馬」「つり輪」「跳馬」「平行棒」「鉄棒」の6種目から構成されています。これらの「種目別」に加え、個人総合と団体総合が行われます。
ゆか
広さ12m四方のゆかで、ルールで決められた多くの技を組み合わせて演技し、技の完成度や着地の姿勢で得点を競います。
あん馬
高さ105cmの台の上で、2本の腕のみで体を支え、途中で静止せずに振動・回旋する、男子のみの種目です。
つり輪
床面から280cmの高さの2本のつり輪を握り、上半身の力強さを表現して行う男子のみの種目です。
跳馬
跳躍技の難しさと空中姿勢や着地の安定度で得点を競います。男子の器具の高さは135cmです。
平行棒
2mの高さに平行かつ水平に配置された2本の棒を利用し、棒上や棒下で多彩な演技を行う男子のみの種目です。
鉄棒
280cmの高さに設置された水平な鉄棒を使って、静止をせず、豪快で流れのある技を組み込む男子のみの種目です。
女子は「跳馬」「段違い平行棒」「平均台」「ゆか」の4種目から構成されています。これらの「種目別」に加え、個人総合と団体総合が行われます。
跳馬
基本ルールは男女共に同じで、女子の器具の高さは、男子より10cm低い125cmです。
段違い平行棒
高さの異なる2本の棒を並行に設置して実施される女子のみの種目で、男子の鉄棒に似ていますが、高低棒の移動に特徴があります。
平均台
幅10cm、長さ5m、高さ125cmの平均台で、リズムに緩急をつけて演技する女子のみの種目です。
ゆか
広さ12m四方のゆかで、流れる伴奏に合わせる形で技を組み合わせて演技し、得点を競います。
採点方法は長年にわたって10点満点制が採用され、モントリオール1976大会において「白い妖精」と呼ばれたナディア・コマネチ選手(ルーマニア)が史上初めて10点満点を出した選手として有名です。しかし選手の得点が極めてわずかな範囲に集まってしまい明確な差がつけられず、些細な誤審でメダルの色が変わる事件が起きたことを発端に10点満点廃止が議論されるようになりました。そして2006年から、技がどれだけ難しいのかを得点化したDスコア(技の内容など演技価値点)と、演技の完成度を得点化したEスコア(演技の美しさや出来栄え点)の合計得点を争う上限のない採点方式となり、現在に至っています。
男子はこれまでに33個の金メダルを含む101個のメダルを獲得するなど、世界でも屈指の強豪となっています。オリンピックでも14個のメダルを獲得している団体総合は、1960〜70年代にかけてオリンピック・世界選手権にて団体総合で10連勝するなどの活躍を見せ、「体操ニッポン」「お家芸」と謳われるまでに至りました。
女子は東京1964大会の団体総合の銅メダルが唯一のメダルという状況が長年続いていましたが、東京2020大会にて村上茉愛選手が種目別ゆかで57年ぶりとなる銅メダルを獲得しました。
■日本チームの有力選手
東京2020オリンピックでは、わずか0.103点差で団体金メダルを逃しました。東京2020オリンピックでの団体総合は4名で行われましたが、そのうちの3名(橋本、萱和磨、谷川航)が代表入りを果たし、その雪辱に燃えています。そしてその3名に加え、膝のけがから復帰した世界ジュニアチャンピオンの岡慎之助選手、あん馬と鉄棒でユニークな高難度技を持つ杉野正尭選手がチームの弱点を補うバランスの取れた編成となっています。2023年の世界選手権団体金メダルの勢いをそのままに、頂点を目指します。
橋本 大輝(はしもとだいき)
団体、個人、種目別(鉄棒)では金メダル獲得が期待される日本のエース。
萱 和磨(かやかずま)
普段の練習と本番での心持ちが強く本番でほとんどミスをしない頼れるリーダー。
岡 慎之助(おかしんのすけ)
2019年世界ジュニアチャンピオン。けがを乗り越え次世代エースとしての活躍が期待されます。
■他国・地域の有力選手等
団体では、2023年世界選手権の同時期に開催されたアジア競技大会のため主力選手を派遣しなかった中国が日本の対抗国の筆頭。アメリカ、イギリスにも爆発力のある選手がメダル争いに絡むと想定されます。また、個人総合では2021年世界選手権チャンピオンの張博恒(ZHANG Boheng)選手が日本選手とメダルを争うことになることが予想されます。
■日本チームの有力選手
全員がオリンピック初出場になります。跳躍系、芸術性の表現が得意な岸里奈選手、2023年世界ジュニアチャンピオンの中村遥香選手、アジア競技大会で中国選手を抑えて平均台で金メダルを獲得した岡村真選手、跳馬でのチーム貢献度の高い牛奥小羽選手らの力を出し切れば、拮抗している団体メダル争いに絡んでくる可能性があります。
中村 遥香(なかむらはるか)
2023年世界ジュニアチャンピオン。段違い平行棒では自身の名を冠する「ナカムラ(前振り半ひねり前方屈身宙返り高棒懸垂)」を持ちます。
■他国・地域の有力選手等
団体総合は、アメリカがとびぬけた強さを持っています。特にエースのバイルス(BILES Simone)選手は全種目において他を寄せ付けない圧倒的な難しい演技構成と完成度を誇り、個人総合、さらには種目別においても金メダルを狙える状況です。一方、団体の2位以下は団体決勝に進出(8か国)すればどの国にもメダルのチャンスが出るほど力が拮抗しています。個人総合では、バイルス選手とともに出場するアメリカ選手に加え、ブラジルのアンドラーデ(ANDRADE Rebeca)選手に注目です。
競技初回実施大会 | アテネ1896大会 |
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TEAM JAPAN初出場大会 | ロサンゼルス1932大会 |
競技別累計メダル数 |
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