写真:アフロスポーツ
競技は1ラウンドが18ホールで構成され、選手は4日間で4ラウンド合計72ホールをプレーします。上位は合計の打数が少ない順になります。各ホールには「3打」、「4打」、「5打」などの規定の打数があり、この打数でカップに入れることを「パー」と呼びます。1打少ない場合を「バーディー」、2打少ない場合を「イーグル」、逆に1打多い場合を「ボギー」、2打多い場合を「ダブルボギー」といいます。18ホールのゴルフコースのパーは一般的に72で、71で終わると「1アンダー」、74で終わると「2オーバー」と表現されます。
ゴルフは、各ホールが異なる距離や地形で構成されているため、競技場が多様性に富んでいるのが特徴です。ティーイングエリア(スタート地点)からパッティンググリーン(ホールまでの目標エリア)までのエリアには、「フェアウェイ」と呼ばれる芝が短く刈られたエリアがあり、その左右には芝が長く伸びた「ラフ」と呼ばれるエリアが広がっています。さらに、池やバンカー(砂地のくぼみ)などの障害物が存在し、地形はアップダウンがあったり曲線を描いたりして、コースごとに難易度が異なります。プレイヤーは最大で14本までのクラブを携行でき、さまざまな状況に対応するための戦略的なクラブの選択が求められます。広大な自然環境で打つドライバーショット(ボールを遠くに飛ばすためのクラブ)の迫力は、ゴルフの魅力の一部です。ウッド類(飛距離を重視するクラブ)、アイアン類(正確性を重視するクラブ)、パター(パッティンググリーンで使用するクラブ)など、クラブごとに異なる特性があります。プレーヤーは状況に応じて適切なクラブを選び、1打1打の判断力とテクニックを駆使してプレーします。
日本人選手が出場したのはリオデジャネイロ2016大会と東京2020大会の2大会です。その数少ない機会の中でも、東京2020大会では稲見萌寧選手がプレーオフを制して銀メダルを獲得しており、今後も日本人選手の活躍が期待される競技となっています。
【男子】
2021年にアジア勢初となるマスターズのタイトル獲得を果たし、名実ともに日本男子チームのエースといえる松山英樹が前回大会に続いて自身2度目のオリンピック出場を決めました。
松山は2024年シーズンもジェネシス招待でアジア勢最多となるアメリカツアー通算9勝目を飾るなど、世界トップレベルの選手として活躍を続けています。東京2020大会では、銅メダルをかけたプレーオフに臨んだものの惜敗しているだけに、今大会でのリベンジが期待されます。
2人目は、2023年にプロ転向した中島啓太。中学生時代に日本アマチュアゴルフ選手権で準優勝を果たすなど早くから注目を集めていた中島は、日本代表として数多くのアマチュア国際競技に出場。2018年のアジア競技大会で日本チーム20年ぶりの個人・団体金メダル獲得に貢献したほか、世界アマチュアゴルフランキング1位の選手に授与されるマコー・マックメダルを史上初めて2年連続で獲得するなど世界トップレベルの選手として知られ、プロとしても日本ツアールーキーイヤーの2023年に賞金王を獲得。今シーズンから参戦している欧州ツアーで早くも1勝をあげるなど、同世代を牽引する活躍を見せています。中島はJGAナショナルチーム在籍時の2022年に五輪ゴルフ競技会場のル・ナショナル・ゴルフクラブで開催された世界アマチュアゴルフチーム選手権に日本代表として出場し、同クラブでのプレー経験もあるだけに、初のオリンピックであっても活躍が期待されます。
【女子】
日本選手トップで日本代表を決めた笹生優花。東京2020大会ではフィリピン代表として出場した笹生は、今大会では日本代表として自身2度目のオリンピックに出場します。アマチュア時代から圧倒的な飛距離と正確なショットで国際競技やプロツアー競技で優秀な成績を残し注目を集めていた笹生は、2021年全米女子オープンゴルフ選手権で史上最年少優勝を果たしました。しかし、それ以降はパッティングに不調を抱え苦しいシーズンを送ってきましたが、本年の同選手権で2度目の優勝を果たして完全復活を印象付けています。
2番手で初のオリンピック日本代表を決めたのは山下美夢有。笹生、古江彩佳、畑岡奈紗に次ぐ日本選手4番手のランキングで全米女子プロゴルフ選手権を迎えた山下。世界の強豪が集うメジャータイトルがかかるこの試合で、2位入賞を果たした山下が一気に日本選手2番手に浮上し、悲願の日本代表の座を手にしました。5歳でゴルフを始めた山下は、アマチュア時代に関西女子アマチュアゴルフ選手権や全国高等学校ゴルフ選手権に優勝するなど輝かしい成績を残し、2019年にプロ転向。2021年にプロ初優勝を飾ると、2022年には国内メジャー競技を制するなど年間5勝を挙げて史上最年少でのランキング1位を獲得。さらに日本選手初となる年間平均ストローク60台となる69.9714ストロークを記録するなど大躍進を遂げました。続く2023年もツアー最終戦のメジャー競技で連覇を果たすなど年間5勝で2年連続のランキング1位を獲得。2024年6月時点で国内11勝(うち国内メジャー3勝)と、名実ともに国内女子ツアーを代表する選手として活躍しています。
■他国・地域の有力選手等
世界トップレベルの実力を持つ選手が日本代表に名を連ねたパリ2024大会ゴルフ競技。男子ではマスターズ2勝のスコッティ・シェフラーや前回大会金メダルのザンダー・シャウフェレ、女子も米国女子ツアー史上3人目の出場5試合連続優勝をあげ2大会連続の金メダル獲得を目指すネリー・コルダや2023年全英女子オープン優勝のリリア・ヴら男女世界ランキングで上位の選手各60名が出場する厳しいフィールドになりますが、男子はゴルフ競技史上初、女子は前回の稲見萌寧に続いて2大会連続のメダル獲得を目標に、丸山茂樹日本代表監督と服部道子同女子コーチの下で、チーム一丸となって大会に臨みます。
競技初回実施大会 | パリ1900大会 |
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TEAM JAPAN初出場大会 | リオデジャネイロ2016大会 |
競技別累計メダル数 |
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2024年8月21日時点
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