写真:AP/アフロ
ボクシングの試合は、様々な方法で勝敗がつきます。3分×3ラウンドの試合が終わった時点で、5人のジャッジの採点による判定、競技の続行が不可能と思われるほどの差がある場合や医師が試合の継続が困難とした場合などにレフェリーが試合を終了させ勝敗をつけるレフェリー・ストップ・コンテスト(RSC)、一方が3回の警告(減点)を受けて失格となったとき、そしてダウンして10秒以内に競技を続けることができないノックアウト(KO)などがあります。
オリンピックのボクシングは、アマチュア競技として採用されており、プロ競技とは異なるルールが適用されています。主な違いは競技時間で、通常のプロボクシングが3分12ラウンドで行われるのに対し、アマチュアボクシングは3分3ラウンドと短時間の戦いとなります。また、プロボクサーが年に2回から3回のペースで試合を行う一方で、アマチュアはトーナメント形式であり、連日試合が行われます。さらに、オリンピックのボクシングでは、試合時に自身のコーナーカラーのランニングシャツとトランクスを着用するという、プロボクシングには存在しない独自のルールが追加されています。
パリ2024大会では、男子は「51kg級」「57kg級」「63.5kg級」「71kg級」「80kg級」「92kg級」「92kg超級」の7つの階級、女子は「50kg級」「54kg級」「57kg級」「60kg級」「66kg級」「75kg級」の6つの階級で試合が行われます。東京2020大会と比較すると、男子は1階級減り、女子は1階級増えました。
1960年代には3人のメダリスト(金メダル1個、銅メダル2個)が誕生しましたが、その後長らく日本人選手がメダルを獲得することはありませんでした。転機となったのはロンドン2012大会。ミドル級に出場した村田諒太選手が日本人2人目、48年ぶりとなる金メダルを獲得し、清水聡選手も44年ぶりとなる銅メダルをバンタム級で獲得しました。前回の東京2020大会でも入江聖奈選手(フェザー級)が金メダル、並木月海選手(フライ級)と田中亮明選手(フライ級)が銅メダルを獲得するなど、パリ2024大会でも日本人選手の活躍が期待されます。
■日本チームの有力選手
57Kg級:原田 周大(専修大学)
大学進学とともに急成長し、21年22年と全日本選手権を連覇。国内代表決定戦も勝ち上がり、23年の杭州アジア大会ではダークホースながら強豪を撃破し、銀メダルを獲得するとともにパリ2024大会出場権を獲得しました。得意なパンチは左ジャブ。常に動き続け、主導権を握りながら有効打を当てていくボクサーファイターです。
71Kg級:岡澤 セオン(INSPA)
岡澤も高校時代は全国ベスト8止まり。大学で自信をつけ、鹿児島に拠点を移すことで、才能が開花しました。東京2020大会に出場し、期待されながら、2回戦でキューバの強豪に2-3で惜敗し、メダルを逃しました。その後は2021年の世界選手権で金メダルを獲得。昨年のアジア大会でも金メダルを獲得し、2大会連続のオリンピック出場を決めました。常に足を止めず動き回り、頭脳的なプレーで相手を翻弄するボクサーファイターです。
■他国・地域の有力選手等
男子は東京2020大会同様、アマチュアボクシング大国のキューバ、旧ソ連のウズベキスタン、カザフスタンに強豪選手が多いです。最激戦区であるアジアにおいては、フィリピン、モンゴル、タイ、中東にも力を持った選手がいます。ロンドン2012大会以降メダリストを輩出している英国、ロサンゼルス2028大会を控えるアメリカも強化を継続しています。
女子において、日本は出場権を獲得できませんでしたが、女子においてもアジアは台頭しており、中国、北朝鮮、インド、モンゴル、フィリピン、チャイニーズ・タイペイなど高い戦力を維持した強豪国が多数あります。
競技初回実施大会 | セントルイス1904大会 |
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TEAM JAPAN初出場大会 | アムステルダム1928大会 |
競技別累計メダル数 |
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2024年1月1日時点
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