写真:ロイター/アフロ
アルペンは、スキーの原型と言われるノルディックスキーから派生したスキー競技の種別で、雪の斜面に2本1組の旗やポールで作られたゲートに沿って滑降し、タイムを競うスポーツです。時速100kmを超えるスピードや0.01秒を争うシビアな競技性が魅力です。「スピード系」の2種目と「技術系」の2種目、そして両方を組み合わせた「複合」1種目、さらに平昌2018冬季大会から導入された「混合団体」の計6種目(男女計11種目)があります。
スピード系の種目には、「ダウンヒル(滑降)」と「スーパーG(スーパー大回転)」の2つの種目があります。
ダウンヒル(滑降)
アルペン競技のなかで最もコースが長く、ターン弧が広い特徴的な種目です。時折、時速100kmを超える高速で斜面を直線的に滑降し、20〜30mを超えるジャンプを行います。選手にとっては過酷な種目ですが、観客にとっては刺激的な瞬間が楽しめる種目となっています。各選手は1回の滑走が与えられますが、一つのクラッシュが致命的な影響を与える可能性があるため、通常は本番前に3回の公式トレーニングが行われます(最低でも1回)。
スーパーG(スーパー大回転)
ダウンヒルのスピードと、ジャイアントスラロームのターン技術の双方が要求される厳しい種目です。ターン弧の設定はダウンヒルよりも小さいため、ターン中にレーサーにかかる遠心力はより強力です。公式トレーニングはダウンヒルとは異なり行われず、各選手は1回の滑走で競技を行います。旗門の配置やコース取りを的確に読む経験も求められる種目となっています。
技術系の種目には、「ジャイアントスラローム(大回転)」と「スラローム(回転)」の2つの種目があります。
ジャイアントスラローム(大回転)
一般的なロングターンを基本としたターン設定が特徴で、スピードに対する強さ、卓越したターン技術、リカバリー能力、緻密なコース戦略やゲームマネージメントなど、アルペン競技で必要な要素が集約された種目です。2本の異なる旗門セッティングが行われ、その合計タイムで順位が決まります。
スラローム(回転)
細かなリズムのターンテクニックが要求される種目です。他の種目よりも滑走スピードは劣りますが、スラロームはポールだけで構成された旗門が特徴で、そのポールをハンドガードを使ってなぎ倒していくダイナミックな要素が魅力となっています。左右にリズムよくターンを刻むオープンゲートを基本に、旗門が縦に配置されたヘアピンやストレートなど、様々なリズム変化がコース上に組み込まれています。選手に求められるのは、わずか1回のインスペクション(コースの下見)でこれらの罠を見抜き、よりタイトなラインで速いタイムを目指すことです。そのためには俊敏なスキー操作とリカバリー能力が欠かせません。
1日でダウンヒル(またはスーパーG)とスラロームの両方を組み合わせて行う種目です。この種目は、高速系種目のスピード対応力と技術系種目のスキーテクニックの両方が求められるため、選手の総合力が真に試される種目と言えます。高速系種目が得意な選手と技術系種目が得意な選手が交錯するため、大逆転劇なども期待できる要素があります。
平昌2018冬季大会から導入された新しい種目で、各国・地域が男女混合のチームを編成し、トーナメント形式で対戦する国別対抗戦です。この競技では、ジャイアントスラロームのポールセットをより精密なリズムにした2つのコースを左右に配置し、同時にスタートして先着を競います。選手を入れ替えながら行われるため、滑走タイムが20秒程度の短いコースであり、観客も簡単に全体を見渡すことができます。これにより、抜きつ抜かれつのスリリングな戦いが会場を盛り上げます。なお、ミラノ・コルティナダンペッツォ2026冬季大会では混合団体の実施予定はなく、代わりに男女それぞれでアルペンコンバインド(複合)の団体が実施されます。
競技初回実施大会 | ガルミッシュ・パルテンキルヘン1936冬季大会 |
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TEAM JAPAN初出場大会 | ガルミッシュ・パルテンキルヘン1936冬季大会 |
競技別累計メダル数 |
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2024年1月1日時点
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