日本オリンピック委員会(JOC)は4月4日、「令和3年度JOCエリートアカデミー入校式」を味の素ナショナルトレーニングセンターで開催しました。
JOCエリートアカデミーは、将来オリンピックをはじめとする国際競技大会で活躍できる選手を育成するための事業。味の素トレセンを生活拠点に「競技力」の向上はもちろん、コミュニケーションスキルや語学力などの「知的能力」、共同生活をおくることでの「生活力」を身に付け、スポーツを通して社会の発展に貢献できる人材を育成することを目的としています。
今年度新たに加わった14期生は5競技7名で、JOCエリートアカデミー生の合計は6競技26名になりました。はじめに、出席者全員で国歌斉唱を行うと、渡部一JOCエリートアカデミーディレクターから14期生7名が紹介されました。
次に福井烈JOC専務理事が登壇し、歓迎の挨拶。そして、JOCエリートアカデミーの理念を説明すると「皆さんには、強いだけじゃなく、多くの方々に愛され、応援していただける魅力あるアスリートになっていただきたいと思います」と期待の言葉をかけました。また、JOC強化部のスローガンである『人間力なくして競技力向上なし』を紹介したうえで人間力の重要性を強調すると、「リバウンドメンタリティ、挑戦し続ける強い心を持ってください。最初は慣れないことも多いかもしれませんが、先輩たちや指導者、JOC関係者の皆さんと積極的にコミュニケーションをとって、同じ志を持つ仲間たちと一緒に、自分たちを支えてくださっている方々への感謝の気持ちも忘れずに、1日1日を大切に過ごしてください」とエールを送りました。
続いて、日本スポーツ振興センターの勝田隆ハイパフォーマンススポーツセンター長が登壇。「ハイパフォーマンススポーツセンターには世界の頂点を目標にしている人が集まっています。皆さんも今日からその一員です。皆さんの成長を心から楽しみにしています。そして、私たちが皆さんの成長を応援できたり、サポートできることを心から光栄に思い、楽しみにしています。もし自分の心にちょっとした変化があれば、迷わずシンプルに相談してください。私たちは皆さんを全力で支えます」と、14期生に向けて全面的なサポートを約束しました。
次に、今年度エリートアカデミーの在校生を代表して伊藤魁晟くん(アーチェリー)が登壇し、「14期生の皆さん、ご入校おめでとうございます。在校生一同、楽しみにしていました。私たちがここで安心して競技、生活をすることができるのは、多くの方の支えがあるからこそです。日々感謝の気持ちを忘れずに生活をしてほしいと思います。新しい環境での生活で分からないことばかりだと思いますが、分からないこと、困ったことは後ろに座っている先輩方など身近な人に相談してください。全員が快く相談に乗ってくれます。楽しいこと、つらいことがあると思いますが、一緒に頑張っていきましょう」と歓迎の言葉を述べました。
最後に、7人の入校生が自己紹介と決意表明を行いました。名前を呼ばれた入校生は将来の目標やアカデミーで学びたいことを力強く発表。出席者からは温かい拍手が送られました。
【14期生一覧】
■吉川 華奈(よしかわ はな)
競技:レスリング
出身:奈良県
学校:稲付中学校
学年:2年
「私の目標はレスリングで日の丸を背負い、世界の舞台で活躍し、オリンピックで金メダルをとり、一番高い表彰台で日の丸を見上げ、君が代を歌うことです。また、レスリング以外でも、礼儀正しい人として成長することです。そのためには日々感謝の気持ちを忘れず、今まで以上に練習に励み、レスリングだけでなく人に対する気持ちをしっかりと学び、多くの方々から感謝され、人としても憧れてもらえるようなトップアスリートに成長したいと思っています。憧れの先輩たちについていけるよう、日々努力、日々忍耐、日々感謝を胸に踏ん張っていきますので、これからよろしくお願いします」
■渡部 民人(わたなべ たみと)
競技:卓球
出身:東京都
学校:星槎中学校
学年:1年
「僕がJOCエリートアカデミーを目指した理由は、卓球が強くなれる環境だということと、スポーツ以外の生活面でも自立が必要であり、自分から挨拶をするなど積極的な自分に成長すると思ったからです。ここで学び、世界で戦って、応援される強い選手になりたいです。そして、オリンピックで金メダルをとりたいです。そのために毎日努力し、人に対する姿勢を常に意識し、『人間力なくして競技力向上なし』という言葉を大切にしていきたいです」
■小塩 悠菜(おじお ゆうな)
競技:卓球
出身:愛知県
学校:星槎中学校
学年:1年
「私はオリンピックで金メダルをとるためにJOCエリートアカデミーに入校しました。日本で一番の環境の中で日々努力し、日々感謝して、オリンピックの金メダルに近づくために技術力や戦術力を最大限に高めていきたいと思います。卓球以外の生活面でも、睡眠や栄養をしっかりととって、何事にも積極的に取り組み、人間としての器を大きくしていきたいと思います。そして、JOCのスローガンを大切にして頑張っていきます。たくさんの人に応援される選手になります。これからよろしくお願いします」
■山田 咲来(やまだ さら)
競技:ライフル射撃
出身:高知県
学校:成立学園高等学校
学年:1年
「私には目標が二つあります。一つ目はオリンピックに出場し、活躍することです。そのために1日1日の時間を大切にし、トップアスリートと練習できるという環境を活用して、競技力を向上させていきたいです。そして、国内大会や国際大会で優勝するなどの一つひとつの目標を積み重ね、計画的にレベルアップしていきたいです。二つ目はみんなから憧れられるようなアスリートになることです。私は小学校6年の冬、合宿に参加したときにJOCエリートアカデミー生を見て憧れを持ちました。だから私も先輩方のような、先を考えて周りを見て、人を思いやることができるアスリートになりたいです。そのために先輩の行動をよく見て、学び、吸収し、身につけていきたいです。よろしくお願いします」
■若林 はる帆(わかばやし はるほ)
競技:ボート
出身:岩手県
学校:成立学園高等学校
学年:1年
「私は幼いころから、世界のトップで戦うことを夢見ていました。しかし、これまで取り組んできた新体操、陸上、テニスでは世界どころか、県内でも勝つことができませんでした。そんな中、つい1年半前に出会ったのがボート競技です。私の目標は2032年のオリンピックで金メダルをとることです。そのためにこれからの3年間では、今の目標を持ち続けて努力します。また、めぐってきたチャンスを自分の実力で必ずものにして、結果を残します。さらに、自分の意思、思いを自分の言葉で伝えられるアスリートを目指します。そして3年後、競技の面でも人としても成長し、オリンピックで金メダルをとると自信を持って言えるよう努力していきます」
■古庄 日和子(ふるしょう ひわこ)
競技:アーチェリー
出身:福岡県
学校:稲付中学校
学年:3年
「私は、以前参加した合宿でJOCエリートアカデミーというものを知り、私もその環境の中で強くなりたいと思いました。入寮して数日が経ち、改めてこの練習や生活の環境に感動しています。このような環境の中でトレーニングできることに感謝していきたいです。また、競技のほかにも、思いやりの心や周りを見て行動するなど、人間として大切なことも先輩方や色々な方々から学んでいき、競技力とともに高めていきたいです。そして、1日でも早く人から信頼される強い選手になるために、1日1日を大切に、全力で過ごしていきたいです」
■大井 梨世(おおい りよ)
競技:アーチェリー
出身:岐阜県
学校:稲付中学校
学年:1年
「私はオリンピックでメダルを獲得するという目標を持って、JOCエリートアカデミーに入校しました。私の好きなアーチェリーという常に的の真ん中だけを狙い、勝利のために粘り強く努力するという、とてもかっこいい競技をもっと周りの人に知ってほしいと思っています。そのために私は、誰からも応援され、尊敬され、憧れられるような選手になります。そして、十分な成績を残し、メディアなどを通じて知ってもらえるよう、競技、生活ともに日々努力し、自分の理想像を常に心に置いて、頑張っていきたいと思います。アーチェリーという、とても魅力のある競技を私がメジャーにします。よろしくお願いします」
最後に、星野一朗JOC理事が閉式の挨拶に立ち、「皆さんにとって、今日がまた新たな一歩になると思います。スポーツをする環境もとても大事ですが、それと同時に自分の心をどう持つか、これはとても大切なことです。ぜひ自分の可能性を信じて、それぞれの道にこれから取り組んでほしいと思っています。そして、ぜひ憧れられる選手、皆さんが思っているような強くて、頼もしくて、できる選手を目指してください。みんなでワンチームとなって進んでいきましょう」と激励の言葉を送りました。
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