日本水泳連盟がIOC「スポーツと環境賞」を受賞
環境に配慮したスポーツ団体などの取り組みに対して贈られるIOCの「スポーツと環境賞」に日本水泳連盟が選ばれ、4月30日から5月2日にドーハで行われた「第9回IOCスポーツと環境世界会議」で表彰されました。授賞式には、日本水泳連盟の佐野和夫会長、水野正人IOCスポーツと環境委員、板橋一太JOCスポーツ環境専門部会部会長が出席。ジャック・ロゲIOC会長は「我々は、スポーツが世界を元気付ける大きな力になり得ることをしっかりと受け止め、スポーツを地球の恩恵を高めていくツールにしていく義務があります。今回の受賞者はみな、このコンセプトを理解し、表彰にふさわしい方々です」と活動を賞賛しました。
同賞は、アジア、アフリカ、アメリカ、ヨーロッパ、オセアニアの各大陸ごとに1団体ずつ送られ、2009年以来二度目の表彰となります。今回は、各NOCが推薦した34カ国43の推薦団体から、5団体が選ばれました。受賞団体は次の通り。
■アフリカ:FIFAワールドカップ組織委員会
■アジア:日本水泳連盟
■アメリカ:第9回南米ゲームズ(コロンビア・メデリン)
■ヨーロッパ:デンマークオリンピック委員会・デンマーク体育協会
■オセアニア:マーシャル諸島オリンピック委員会
日本水泳連盟は、関係者やメディアに対して紙で配布していた大会の公式記録を、ホームページでリアルタイムに公開することで紙の使用量を削減。そのほか会議での配布資料をせずにスクリーンで表示するなどの取り組みで、年間約200万枚、植林木約150本分の紙の使用を削減するなどの持続的な活動が評価され、受賞にいたりました。
パル・シュミットIOCスポーツと環境委員会委員長(左)から表彰を受ける佐野会長
表彰を受けた各国の代表者とロゲ会長ら
■板橋一太JOCスポーツ環境専門部会部会長のインタビュー記事が掲載されました
(日本語訳)
板橋一太・日本オリンピック委員会スポーツ環境専門部会長インタビュー記事
「自然への揺ぎない愛」
日本人は自然を愛する国民として知られています。「日出ずる国」として紹介されることもあるその国名にさえも、その意味が込められています。近年、地震や津波を含む多くの自然災害に見舞われているにもかかわらず、彼らの地球への愛が揺るがない理由の一つはここにあるのかもしれません。
板橋一太・日本オリンピック委員会スポーツ環境専門部会長は、スポーツと環境世界会議(WCSE)のような会議は、自然について人々が学ぶ一助になると考えています。
「私達、日本人は、母なる自然を愛しています。それこそが、私達が度重なる災害から常にいち早く立ち直ることのできた理由の一つでもあるのかもしれません。世界中の人々が、地球に敬意を払い、大事に扱うことの重要性を理解しなければなりません。間接的だけれども、WCSEのような会議は、人々の自然についての意識を高めるのに役立ちます。スポーツとスポーツ関係者は、このような考えの普及に向けて力になれるでしょう」と話しました。
「地球温暖化や気候変動は、今日、世界が直面している2つの大きな問題です。もしこれらが見過ごされれば、未来の世代は深刻な脅威にさらされる可能性があります」と締めくくりました。