日本オリンピック委員会(JOC)は2月18日、日本オリンピックミュージアム(JOM)で、日本オリンピックミュージアム+(プラス)社会人セミナー特別企画「ととのう」を開催しました。JOMにて社会人向けのセミナーを実施するのは2回目で、今回は多くのアスリートが疲労回復やリラクゼーションのために自主的に取り入れている「サウナ」に焦点を当てたセミナーを開催しました。
当日は講師として、これまでに50カ国以上を旅し、入ったサウナは1,000を超える”サウナ師匠”と呼ばれる秋山大輔氏(プロサウナー)が登壇。また、ゲストとして藤澤五月選手(カーリング)と岡澤セオン選手(ボクシング)のサウナ好きのアスリート2名が参加しました。
まずは秋山氏が講義として、サウナの歴史や効能について説明。また、オリンピックとサウナの関係として、メルボルン1956大会でフィンランド選手団が持ち込んだサウナを見た日本人選手が東京に開いたのが日本で最初のサウナ店と言われており、その後東京1964大会で選手村に設置されたフィンランド式のサウナがマスコミに取り上げられて日本中に広まったというようなエピソードも紹介されました。さらに当時のフィンランド選手団の様子がわかる資料として、ベルリン1936大会やヘルシンキ1952大会の貴重な記録映像も投影されました。その映像を見た岡澤選手は「パリ2024大会では村外のサポート拠点にサウナがありました。いつ行っても体操競技の選手たちが入っていましたね」と、藤澤選手は「北京2022冬季大会のときには選手村から少し離れたところに温浴施設があったらしいのですが、カーリング競技の宿泊施設からは遠くて行けませんでした。スキーなどの”山”の方が寒いのですが、ミラノ・コルティナ2026冬季大会のときにはカーリングが行われる”氷”の方にもサウナなどがあったら嬉しいです」と、分村で実施される冬季オリンピックの現状や想いを語りました。
また講義後のトークコーナーでは、参加者から講師やゲストへ質問するだけではなく、ゲストから講師への質問も飛び交うなど大盛り上がり。また、ゲストアスリートもサウナエピソードを披露。2年前に減量に取り組んだときからサウナにはまったという藤澤選手は「ぬらしたタオルを顔に巻いて瞑想しています。中に自分だけのときはストレッチをしているのですが、他にお客さんがいたらじっとしながら時々その会話に耳を傾けたりします」と、現在の楽しみ方を紹介してくれました。岡澤選手は参加者からの「最高の一杯は?」という質問に対し、「普段はスポーツドリンクです。ただ、自分は趣味であるサウナと仕事であるボクシングは切り離したいので減量中にサウナに入ることはないのですが、そのような中で禁酒して減量し、試合が終わった後のサウナ後に飲む最初のビールは涙が出るぐらい美味しいです」と語りました。
参加者からの質問や、講師やゲストから披露されるエピソードは尽きることなく、トークコーナーは大盛況のうちにあっという間に終了。最後に藤澤選手が「2年前からサウナにはまったばかりでまだまだ初心者なので非常に勉強になりました。サウナ師匠の弟子になったということでよろしくお願いします」と、岡澤選手が「仕事とサウナは結びつけたくないと言いましたが、今日はこういった場でサウナの話ができて非常に楽しかったです。自分も師匠の2番目の弟子にしていただけたら嬉しいです」と、そして秋山氏が「初対面の、しかもトップアスリートの弟子が2人もできるなんてサウナしかないかもしれませんね。本日はお二人とサウナの話ができ、非常に光栄でした。トップアスリートの方々がサウナをどのように活用しているか、どのように楽しんでいるかが伝わることがきっかけでサウナがまた広がっていくと思います。オリンピックもそのきっかけの一つかと思いますので、我々でオリンピックもサウナも盛り上げていけたらと思います」と感想を述べ、セミナーが締めくくられました。
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