日本オリンピック委員会(JOC)はパリ2024オリンピックの開幕の50日前となった6月6日、令和5年度JOCスポーツ賞表彰式とパリ2024オリンピック50日前スペシャルトークを、東京ミッドタウンガレリアB1アトリウムで開催しました。
「JOC スポーツ賞」は、オリンピック・ムーブメント推進とスポーツの各分野で優れた成績を挙げられた方々の栄誉を讃えることを目的とするJOCの表彰制度で、平成3年に創設し、今回で32回目となります。今年度は最優秀賞、優秀賞、新人賞、特別功労賞、特別栄誉賞の5つの年度賞で10名の個人と3チーム、さらに特別貢献賞1チーム、女性スポーツ賞1名が受賞しました。
表彰式では受賞者が尾縣貢JOC専務理事から賞状やトロフィーを受け取り、それぞれコメントを述べました。
■坂本花織選手(スケート/フィギュアスケート)
「昨シーズンは私自身初めての全日本選手権と世界選手権3連覇という目標を達成することができ、本当によかったと思えるシーズンでした。来シーズンもこの調子で、よかったと思える試合を1試合でも増やせるように精一杯頑張っていきたいと思っていますので、応援よろしくお願いします」
■江村美咲選手(フェンシング)
「昨年は優秀賞をいただき、今年は特別栄誉賞をいただくことができました。昨年の表彰式で一緒に受賞した他の競技の方々から応援メッセージを頂き、頑張ろうと思ったことを覚えています。また今年ここに立てるとは思っていなかったのですが、今年も他の競技の方々から刺激をいただき、この夏のパリ2024大会で活躍して、また来年ここに立てるように頑張りたいと思います」
■第19回アジア競技大会(2022/杭州)水泳/水球 男子日本代表チーム
鈴木透生選手(水泳/水球)
「昨年の杭州アジア大会で、男子水球チームは53年ぶりに優勝することができました。男子水球は、世界大会ではまだ一度もベスト8に入ったことがありません。パリ2024オリンピックでは新たな歴史を作りますので、ぜひ応援よろしくお願いします」
■第19回アジア競技大会(2022/杭州)ソフトボール 女子日本代表チーム
上野由岐子選手(ソフトボール)
「ソフトボールは今年開催されるパリ2024オリンピックでは採用されていませんが、2028年のロサンゼルスオリンピックに向けて、また、2026年に開催される愛知・名古屋アジア大会では7連覇を目指し、さらにチーム一丸となって精進していきたいと思いますので、引き続きご支援ご声援よろしくお願いします」
■開心那選手(スケートボード)
「結果も大切ですが、自分の満足できるパフォーマンスをパリ2024大会でも発揮できるように頑張ります。応援よろしくお願いします」
■島田麻央選手(スケート/フィギュアスケート)
「昨シーズンはたくさんの応援のおかげで、江原道冬季ユースオリンピックで優勝することができました。来シーズンは観客の皆さんを魅了する演技ができるように頑張ります」
■FIVBワールドカップバレー2023男子日本代表チーム
日本バレーボール協会 内藤拓也業務執行理事
「本来であれば14名の男子メンバー全員ここに揃って皆様にご挨拶と御礼を申し上げるとところですが、現在福岡でバレーボールネーションズリーグに出場中ですので、代わりにご挨拶させていただきます。振り返ってみれば昨年のオリンピック予選では第2戦で想定外に負けてしまい、一戦も負けられない状態で『ここでパリ2024大会の出場を決める』という思いを持って勝ち続けた姿が皆さんにインパクトを与えられたと思っています。このような賞をいただいて、今現在、パリ2024大会でのメダル獲得に向けて精進しておりますので、ぜひとも引き続きご声援をよろしくお願いします。また女子代表チームもパリ2024大会の出場権獲得に向けて頑張っておりますので、併せてご声援をよろしくお願いします」
■FIBAバスケットボールワールドカップ2023男子日本代表チーム
日本バスケットボール協会 東野智弥技術委員長
「昨年の夏、男子日本代表チームは国民の皆様に背中を押していただき、アジアで1位となり、パリ2024大会の出場権を獲得することができました。本当に長い48年でした。しかし我々はこれでは終わりません。男子チームも女子チームもさらに上を目指し、バスケットボールを通して日本を元気に盛り上げられるようにしたいと思っています」
■国立スポーツ科学センター 能瀬さやか氏
「スポーツ界の取り組みが女性の社会課題の解決のモデルとなるよう、今後も尽力してまいりたいと思います」
表彰式の最後に、年度賞最優秀賞を受賞した北口榛花選手(陸上競技)からのビデオメッセージが流れました。
■北口榛花選手(陸上競技)
「数多くある競技の中で、陸上競技、やり投げをこのように評価していただいて非常に嬉しいです。今年のパリ2024大会ではメダル獲得を目標に頑張りますので、今後ともご声援よろしくお願いします」
続けて、パリ2024大会50日前を記念したトークショーが行われ、江村選手、坂本選手、上野選手、TEAM JAPANの尾縣団長、谷本歩実副団長が登壇しました。
パリ2024大会に出場内定している江村選手は「いまいちピンと来ないときもあれば逆に急に緊張が止まらないときもあって、気持ちが追いついていない感じがします」と開幕50日前となった現在の心境を語り、続けて「東京2020大会のときよりはメダルを現実的に考えられるようになったとは思います。世界選手権2連覇という実績はありますが、1回目の世界選手権の優勝から今日まで世界選手権以外では優勝できておらず、それぐらいフェンシングは何が起こるか分からない競技でもあります。自分でもまだまだ未熟なところがあると思うので、チャレンジャーの気持ちで挑みたいと思います」と意気込みを語りました。
また、上野選手は「私はチーム競技なので個人競技の心境はわからない部分もあるのですが、プレッシャーや緊張感を良いモチベーションに変える力はお持ちだと思うので、あとは余裕を持って試合に臨めるように準備をしていけば大丈夫ではないかと思います」と、パリ2024大会に臨む江村選手にエールを送りました。
その後、パリ2024大会のコンセプトである「一歩、踏み出す勇気を。」に関連して、登壇者がそれぞれ踏み出たい”一歩”を紹介。坂本選手は「英語でたくさんの人とコミュニケーションをとりたい」という”一歩”を披露し、「試合に出場すると周りは英語で話す人が多いので、他の国の選手ともコミュニケーションをとって高め合ったり笑い合ったりしたいなと思っています。相手が何を話しているかはだいぶ分かるようになってきたのですが、それに対する答えを出せないのが本当にもどかしいので、英語を勉強したいと思っています」と語りました。
トークショーの終盤にはパリ2024大会で新たに採用された競技であるブレイキンのパフォーマンスが行われました。日本の若手選手らがブレイキンでよく使用される4つの基本的な動きを紹介し、その後対戦形式であるバトルを披露。圧巻のパフォーマンスに、登壇者や会場中から驚きの声と大きな拍手が沸き起こりました。
最後に尾縣団長が「多くの人たちに支えられ、東京2020大会は実施することができました。次のパリでは、私たちが日本の皆さん、世界の皆さんに『ありがとう』をお返しする番です。そのためにはアスリート1人1人が輝く必要があります。そしてその力となるのは皆さんの温かい声援です。ぜひパリに向かって温かい声援を送ってください」とコメントし、イベントが締めくくられました。
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