日本オリンピック委員会(JOC)は9月13日、オリンピック・パラリンピック強化指定選手およびその指導者を対象とした講話「覚悟〜メダリストの闘い〜第6回」を味の素ナショナルトレーニングセンターで開催しました。
第5回の講師は、2016年リオデジャネイロオリンピックの競泳女子200m平泳ぎで金メダルを獲得した金藤理恵さん。オリンピックという存在が金藤さんの中でどのように変化し、どのように意識的に成長できたかという自身の体験談を中心に、コーチの存在の大きさ、そして苦手なことに挑戦し続けることの大切さを、東京2020大会を目指すアスリート、指導者合わせて約200名に伝えました。
講話終了後の取材で、「当たり前かもしれないですが、どの選手もうなずきながら聞いてくれる人が多くて、反応があるというのは話していてもすごく嬉しかったです。笑顔で帰っていく選手もいましたし、私が経験したことを伝えることができたのかなと思いました」と金藤さん。講話の内容に関して「少しでもそういう考えがあるんだという気付き、きっかけになってくれたらいいなと思いながら必死に考えました」と笑顔を見せました。
今回の講話で、金藤さんが特に選手に伝えたかったことが「苦手なこと、やりたくないことの中にこそ大きなヒントがある」ということ。自身も北京オリンピックに出場したものの、その次のロンドンオリンピックに落選するという挫折を味わっており、「リオを目指す中で逃げ出したいときもありましたが、私の場合はその苦手なこと、やりたくないことをやるしかなかった。やっているときは意味があるのかも分かりませんでしたし、それに気付くのは10年後か1年後かいつになるか分からないですが、無駄なことはないと思います。だから、選手たちにはそうした苦手なことにこそ挑戦してほしいという気持ちを込めて話しました」と振り返りました。
最後に、残り2年を切った東京2020大会への出場を目指す選手に向けて、金藤さんは「もちろん選手の皆さんはメダルや勝利を求められると思いますが、競技が終わった後にどのような表情が見られるのか。たとえ勝てなかったとしても、選手たちはきっと素敵な表情になっていると思いますので、私は選手たちのそうした素敵な表情を見たいです。そして、選手の皆さんには素敵な表情で競技を終えられるように頑張ってほしいと思います」とエールを送りました。
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