シドニー2000
がんばれ!ニッポン!シドニー大会レポート
アフリカ勢強し。ベテラン川嶋選手が21位に。
強風が吹き荒れる中の、厳しいレースとなった。この時期の、午後の風の典型的パターンで最も確立が高いのは弱い東風(追い風)だが、西風(向かい風)になった場合には、ほとんどの場合、強風が記録されている。生憎、この日は、通常以上の風の吹く厳しい日に当たってしまった。
10キロ地点では犬伏孝行選手、佐藤信之選手が先頭集団につけて10位に、15キロ地点で佐藤選手が最高7位、20−25キロ地点で犬伏選手が最高4位にまで上げたが、次第にケニア、エチオピア勢が底力を見せ始め、ぐんぐん引き離された。
そして42キロのレースを経て、オリンピック・スタジアムに日本人として最初に入って来たのは、ベテランの川嶋伸次選手だった。
「20キロくらいまでは動かないと思ったので最初自重してついていき、後半じっくり抜いて上位に行こうと考えていたが、センチュニアル・パークの辺りでトップとの差が開き過ぎた。前の方が見えなかったので、どのくらい開いているか確認できなかった」と振返る川嶋選手。
入賞を狙う、という気持ちでじっくり臨んだが、結局、犬伏選手、佐藤選手も抜いて、日本人選手としては最高位の21位に食い込んだ。
41位に終った佐藤選手は「アップ・ダウンがきつくて気持ちが切れてしまった。もう一度立ち直って力をつけてたい」と失望を隠しきれず。
犬伏選手は35キロを過ぎた時点で途中棄権となった。
川嶋選手は「佐藤選手と犬伏選手らの若手は積極的に攻めていってのこの結果なので、それなりに意味があるのでは。自分の力を試しにいったのは立派」と後輩に励ましの言葉を送ったが、同時に「アフリカ勢に対抗するにはどうしたらいいのか。心肺機能とかの差があるとしても、彼らには何よりハングリー精神がある。日本女子があれだけ強いのだから、我々も皆で何とかしなければならない」と課題を投げかけた。