シドニー2000
がんばれ!ニッポン!シドニー大会レポート
デュエットで日本が、西洋と東洋の融合を表現して銀メダル獲得
和と洋の融合をテーマに"戸惑い、対立、葛藤、理解、調和"を表現した日本のパフォーマンスは多いに会場を沸かせたが、途中いくつかの小さいミスが出た。得点はオール9.9。「中盤でいつも出ないミスが出てしまった。得点は良くても自分達の演技に満足いかない…正直言って心残り」と終った直後にはくやしさを隠し切れなかった武田美保選手と立花美哉選手。
しかし、表彰台に挙がった時には笑顔が戻った。記者会見では「今日(ミスが出たので)ベストを尽くせたか、わからないが、自分達は挑戦しようという意味でやって来た。やれることはやった」と立花選手が答えれば、「ロシアの技術の高さを念頭に置いてトレーニングしてきた。堂々と戦えたと思っている」と武田選手も同調。前日の予選で、ふたりは完璧に近いパフォーマンスを見せている。確実にレベルアップを遂げたふたりの努力が、日本に初のシンクロ銀メダルをもたらした。
なお、一糸乱れぬ演技で"カラテ"を演じきり、電光掲示板にいっせいに10点が並んだ時、ロシアチームは喜びの涙にむせんだ。「親ともほとんど会わず、ここ1年はほとんどずっとプールにいた。食べたいものも食べず、ここまで勝つこと、メダルを取ることにかけてやってきた」と、ブルスニキナ選手とキセレワ選手は声を合わせる。技術点が、ひとつの9.9を除いてすべて10点、芸術点はオール10だった。