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シドニー2000


がんばれ!ニッポン!シドニー大会レポート

シドニーオリンピックスペシャル

日本サッカー・チーム惜敗も、未来につながる10日間

30分に柳沢敦選手が先制ゴールを挙げた後、68分にウォルフ選手のゴールで1-1に追いつかれたものの、72分に高原直泰選手が勝ち越し点を上げて89分の時点で2-1。日本は勝利をめがけ疾走していた。ところが、ストップウォッチ が90分になりかけた頃、ゴール左に抜け出していこうとするウォルフ選手を追った酒井友之選手が、ウォルフ選手を突き飛ばしてしまい、無情なペナルティ・キックが言い渡される。これをバグナス選手がしっかりと決めて2-2、土壇場で延長戦に持ち込まれた。アメリカの耐久力は予想通り高く、試合を通し日本に息つく暇を与えなかった。そして延長でも勝負が決まらず、もつれこんだPK戦では、思いがけない結果が待っていた。

シュートを外したのは、チームの大黒柱である、中田英寿選手だった。落ち着いて蹴ったボールが左のゴール・ポストに当たると、日本応援団は一瞬静まりかえった。勝ってシドニーに行きたい、と口にしていた中田選手自身のミス で日本の夢が消えた、残酷な瞬間だった。

しかし「PKと選手の能力は関係ない。ジーコやプラティニ、多くの大選手もPKを外した」というトルシエ監督の言葉通り、中田選手が大会を通しチームを支えて来た事実には変りはない。そして激戦を通し、他の若手達も大きく成長した。トルシエ監督はまた「自分達のサッカーを信じ、己の哲学を貫いたことに誇りを持つ」と胸を張った。「この経験が必ずやワールドカップにつながるだろう」

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