ソチ2014
スピードスケートは2010年バンクーバーオリンピックで3個のメダルを獲得した。
男子500mの長島圭一郎、加藤条治、
そして女子チームパシュート(小平奈緒、田畑真紀、穂積雅子)で計3個。
その内訳は長島と女子チームパシュートが銀メダル、加藤が銅メダルであった。
あれから足かけ4年の年月が過ぎ、今回のソチオリンピックでは、前回もう一歩で取り逃がした金メダル奪取に全力で挑戦する。
今回の代表チームはISU(国際スケート連盟)が定めたオリンピック参加資格の標準記録クリアは当然として、日本スケート連盟が設定したメダル獲得、入賞を前提とした高い水準でより厳しい参加標準記録を突破した選手たちで構成された。
中でも期待されるのは、2013-14年シーズン前半のワールドカップで優勝した2人の男子選手、長島と加藤、
常に上位入賞圏にいる及川佑らを擁する男子短距離陣である。
彼らは、これまで数度のオリンピックを経験し、激戦やプレッシャーを乗り越えて実績を挙げてきたからこそ、期待は膨らみ、それに応える円熟した力を蓄えたのである。
また、女子500mでワールドカップ3位の成績を挙げ、常にメダルを狙える位置にいる小平のほか、短距離女子たちも上位ひと桁の精鋭がそろった。
短距離以外のメダル圏内では、ベテランの中距離主力として光を放っている田畑中心のチームパシュートがワールドカップの前半で総合4位とよい位置にある。
ワールドカップ前半3大会はいずれも小差の2位、4位、7位で、今後本番までの練習で力を貯め、メダル圏内を確定したい。
女子長距離も、もう一つのメダルポテンシャルを秘めた種目である。ワールドカップ前半の実績では5000mで石澤志穂の4位をはじめ、穂積が5位、髙木菜那が6位と力はある。
しかし油断はできない。日本がお家芸として長年得意としてきた短距離500mの分野にも男子ではオランダのミヘル・ムールダー、スメーケンス、韓国のモー、米国のタッカー、ウィトモア、ロシアのグズネトフ、ロブコフら強敵の成長が見られ、女子では韓国のリー、ドイツのウルフ、中国のワン、米国のリチャードソン、そして開催国ロシアのファトクリナらが虎視眈々とメダルを狙っている。
長距離において日本の女子はチェコのサブリコワ、ドイツのベテラン・ぺヒシュタインに加え、ウーストらのオランダ勢などとの戦いになる。
選手を側面から支えるサポート体制も充実した。今回のオリンピックで初めての試みであるメカ二ックの存在や科学班メンバー、ドクター、トレーナーの帯同など万全の環境が整えられたと言える。
今回のチーム構成は、ベテランがそろって好成績の計算できる男女短距離を中心に、ベテランと新星のそれぞれ特徴を活かしたチームパシュート女子チーム、
そして17年ぶりの高校生代表となり、長距離選手と呼ぶにふさわしい素質を見せたウィリアムソン師円ら技と力を併せ持つ特徴の多彩な顔ぶれとなった。
監督 石幡忠雄