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ソチ2014


ボブスレー BOBSLEIGH

ボブスレーは「氷上のF1レース」とも呼ばれる。流線型をした鋼鉄製シャーシーのそりに乗り、ごう音を立てながら全長約1400m前後の氷の壁を疾走する。オリンピックでは、1924年に行われた第1回のシャモニー・モンブラン大会から正式競技となっている。
 当初は男子だけの競技であったが、2002年のソルトレークシティー大会から女子2人乗りが新種目として加わり、男子2人乗りと男子4人乗りを合わせた3種目となった。

競技方法

 そりは、前方にハンドル、後方にブレーキを備えており、そりの下には前と後ろにそれぞれ2本のスチール製ブレード(ランナー)がある。ドライバー(パイロット)は、前部のランナーをハンドルで操作しながら滑走する。  2人乗りは、パイロットとブレーカーで組み、4人乗りはさらに2人のプッシャー(そりを押す人)を加えたメンバーで競技する。

 選手は、静止したそりを力強く押し出し、加速させていく。スタート板の15m先の地点からタイム計測が始まり、その先50m区間までのタイムをスタートタイムと呼ぶ。この区間の所要時間は5秒前後で、自分の力で加速できるのは、このときだけである。スタートタイムの差がそのままフィニッシュタイムに大きく影響するため、各チームとも全力を注いで走る。その後、チームメンバーは、加速の付いたそりにすばやく飛び乗り、どんどん加速していくそりを、パイロットがハンドルでコントロールして滑走していく。ブレーカーは、空気抵抗を減らすために低い姿勢でそり内に体を沈め、ゴールと同時にブレーキを引いてそりを止める役目を担う。  そりは総重量が重たいほど加速が付いて有利となるため、そりと選手の総重量は2人乗りで最大390kg、女子は340kg、4人乗りは630kgまでと決められている。

 競技は2日間で4回滑走して、その合計タイムの一番速いチームが優勝となる。タイムは100分の1秒まで計測される。  オリンピック、世界選手権、ワールドカップなど、主な大会はスタート順を決定するためにシードシステムを採用している。競技は速い滑走順番であるほど有利で、遅くなると氷の状態が悪くなるため不利となる。冬季オリンピックのシードシステムでは、IF(国際競技連盟)のランキング1位からスタート順を選択していく。

今大会の見どころ

 ボブスレー競技も少しずつ世界へ広がり、競技力も向上してきているが、依然として歴史と伝統のあるヨーロッパ勢と北米勢を中心に、その覇権が争われている。また、開催国のロシアもその一角に入ってきている。アジア勢では、ソチオリンピック後の開催国となる韓国も、ここにきて急激に力を付けている状況である。

 今大会の会場であるソチのトラックは、全長1500mのコースに17のカーブが点在し、3カ所の上り坂が設定されている。この箇所でタイムを落とさずに通過するためには、その前後のライン取りが重要で、スタートタイムとともに鍵となる。日本は、ベテランパイロットの鈴木寛の操縦テクニックと、ブレーカー陣の爆発的なスプリントタイムで好結果を狙っている。

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